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その足首の痛み…原因は「腓骨」の動きかも?

今回は、ある患者さんとの出会いを元に

立ったり歩いたりしたときに
足首に痛みを抱えていて
いろいろな対処法を試してみたけど
なかなか痛みが良くならない

という方に向けて書いています。



はじめに 何をしても足首が痛いBさんのお話をうかがう


ある訪問リハビリスタッフさんとの会話の中で

今回お話するBさんは、

「座っているところから立つと
左足首が痛む。
歩くときも右足を出すときに痛む」

という痛みを抱えておられます。

少しBさんを知るまでの経過をご説明します。

仲良くさせていただいている男性の理学療法士さん(以下Tさん)がいます。
Tさんは訪問リハビリスタッフです。
治療の腕前は良く、
性格もとても穏やか、
かつ、仕事にやりがいを感じている素敵な人です。

さて、彼がある利用者さん
Bさん
の足首について雑談の中で相談してくれました。

Bさんは高齢の女性。
あるご病気で入院されました。
退院後は家庭のご事情などの理由で、
ある施設に入所されます。

基本的には生活に関する基本的な動作は自立されているのですが、
元々のご病気の影響もあり、
どうしても生活が不活発に・・・

担当のケアマネジャーさんのススメで
”お試し”で訪問リハビリが開始されます。
担当となった理学療法士Tさんが素晴らしい人なので、
Bさんは彼とリハビリすることが楽しみとなり、
現在まで訪問リハビリは継続されています。

徐々にBさんはお元気となったので、
当初の目標は達成はできました。
でも、どうしても左足首が

「座っているところから、立つと痛む。
歩くときも、最初は右足を出すときに痛む」

という症状が改善されないそうです。

「いろいろやってみて、その時はだいぶ痛みは良くなるんですけど、
次に会うとやっぱり同じ左足首の痛みが戻っているんですよねぇ~」

とTさん。

私はBさんに直接会えないので、Tさんの評価を聞きながら
考えられる問題を検討していきました。

なお、整形外科でレントゲン検査をしてもらったことがあるそうですが、

「異常なし。痛みは年齢のせいですからしょうがない。」

とよくある(失礼な)診断だったそうです。
痛み止めの薬を処方されたそうですが、
Bさんは痛み止めを飲むとお腹が痛くなるので、
すぐに飲むのをやめたそうです。


足首が痛い原因として一般的にいわれていること

Bさんのお話の続きの前に、
一般的な情報を確認します。

一番大事なことは
痛みは自己判断せずに、必ず医療機関に相談する
ようにしてくださいね。

原因として考えられるものは以下の通りです。

  • 捻挫:足首をひねったりねじったりして、靭帯や筋肉が損傷することです。捻挫が原因で、何年も後に腰が痛くなったりすることがあるので適切に治すことが大事です。

  • 骨折

  • 変形性即関節症:原因は足首の関節にある軟骨がすり減って生じるといわれています。(明初庵はちょっと違うと臨床経験上思ってはいますが…)

  • 足根管症候群:足首内側の神経や血管が圧迫されると生じます。「ちょっと変な痛み」「痺れを伴う痛み」を感じる方が多いようです。

  • 通風・偽痛風:足の指だけでなく足首でも生じることがあるそうです。

  • 筋や腱の炎症:スポーツや過度な運動で生じます。しばらく安静にしているだけで治るそうです。

  • その他

たくさんありますね。
それぞれに、治療法は全然異なりますから、しつこいようですが医療機関にまずは相談です。

(余談)
足首の痛みの原因に
偏平足

ハイアーチ
を挙げる専門家がおられます。
そのためご自身の偏平足などの足の形を悩んでおられる方もいます・・・

でも誤解です。
詳しい説明はここでは省略しますが、
「子どものころから偏平足・ハイアーチ」
「スポーツで足を鍛えて偏平足になった」
であれば何の問題もありませんよ。
私は生まれてから一度も「土踏まず」がありません(笑)

以下参考になるサイトです。
明初庵の臨床経験とは異なることもたくさん書かれていますが、あくまでも「基本的な知識」です。


足首の痛みに行うべき対処法として一般的にいわれていること

炎症が起きて痛みが生じているのであれば

  • 安静にする

  • 冷やす

  • 圧迫する

  • 足を高く上げて休む

  • 痛み止めを服用する

  • ストレッチや筋トレを行う

などが一般的な情報ですね。
これでも治らない場合は、お医者さんはさらにいろいろな検査をし、手術などを検討します。

予防策としては

  • 適度な運動

  • ストレッチ

  • 適切な靴を選ぶ

  • 体重を管理する

などがあげられます。
循環不全も良くないので「禁煙して」という情報もありました。

このサイトが一番一般的な情報を提供している印象です。


さて、Bさんの話に戻ります。
Bさんは専門の訪問リハビリスタッフTさんが治療にあたっています。
すでにリハビリテーションとして、十分な治療がその左足首に施されていると考えて間違いありません。

それでも、左足首の痛みはなかなか良くなりません。
何が原因なのでしょうね?


足首の痛み。立つと痛い、歩くともっと痛いのならひょっとしたら原因はここ?


「腓骨」という骨が良い仕事をしています

この場合、私が疑った原因は

「腓骨(ひこつ)」

という骨の動きです。
(腓という感じは こむら とも読むそうです。つまり ふくらはぎの骨 という意味でしょうか)

画像はウィキペディアより

腓骨についての一般的な解説は以下の通りです。
「難しいな」と思われましたら読み飛ばしていただいても構いません。


腓骨は、体重を支える役割はほとんどありませんが、
ふくらはぎの外側の安定性を保ち、
足首の運動範囲を増やすための「つなぎ材」として機能します。

歩くときの脚への衝撃吸収も行います。
人が歩くときには、地面から反発力を受けます。
このとき、一歩ごとの衝撃を、腓骨が吸収してくれるので、人間はスムーズに歩行や走行ができます。
また、腓骨があることで、その下にある足関節を、いろいろな方向に動かせるという役割もあります。
例えば、サッカーの絶妙なドリブル、シュートやパスなどの動きは、ふくらはぎに骨が2本あることで、足首を自由に動かせることができるのです。

引用サイト(訳は明初庵による)



少しだけ腓骨の解剖を

膝から下のすねの部分
外側の細い骨です

動画でも解説しております。ご理解の助けになれば幸いです。

大事なことは

腓骨が柔軟に動ける状態にしてあげるにはどうすればいいのかな?

という考え方です。

「腓骨が足首にかかる衝撃や負担を吸収してくれる」

という解説はたくさんあるのですが、
どう吸収しているのか?
については、専門書にしか書かれていません。

でも、難しいことはないのです。
この腓骨が、

上下などの方向に動いてくれるこれで、衝撃の吸収がされている。

という理解で大きな間違いはありません。

逆に言えば、腓骨が動かないことで
足首や

間接的には
股関節や腰にまで
痛みなどの影響を与えてしまうこともあります。

ご自分でできる腓骨のメンテナンス方法を紹介します(動画)


その後Bさんはどうなったのでしょう?

「あ、そっかぁ。腓骨はきちんと評価していなかったなぁ。」
と理学療法士Tさん。

Bさんについてのアドヴァイスはそれで終了。
あとは、Tさんの腕前なら問題なし。
(実は私はTさんの治療を見たことがありません。でも、腕前はわかるものです。)

お忙しいTさんですが、後日またお会いすることができました。
結果は・・・

「Bさんの痛みなくなりました~。
いや、すっごい感謝されちゃった。
美味しいところいただいちゃいました!がはは!
ありがとうございました!」

とTさん満面の笑み。

これからも、Bさんへ素晴らしいリハビリを提供してくれるでしょう。
よかったよかった。

最後に

まとめです

  • 足首に痛みを感じたら、まずはお医者さんを受診してください。

  • 足首にとって良いことを全部したのに、それでも体重を乗せた時に痛みを感じるのであれば、原因は腓骨の動きかもしれません。

  • それでも、痛みが良くならないならば、専門の治療家に相談をしてください。ただし、足首はデリケートな場所です。強い痛みを強いる施術家は間違っていると考えて良いです。


お話は以上です
最後までお読みいただきありがとうございます

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