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【短歌】目玉焼き

サニーサイドの黄身だけにしょう油をたらし夏をはむ朝
サニーサイドのきみだけにしょうゆをたらしなつをはむあさ

むかしカセットテープにお気に入り曲をいれた。テープにはA面B面があった。黄身ときみ(君)食むとハム(加工肉)この歌もそんなかんじに遊んでみる。

サニーサイドアップという言葉が好き。サニーサイドアップは目玉焼きの焼き加減で黄身が半熟なものを言うらしい。

サニーサイドというだけで、爽やかな朝で、日曜日の朝で、お日さまを感じる朝になる。

こどものころ日曜日は望めなかった分、いつも爽やかな朝にあこがれていた。サニーサイドアップと呼ぶだけですこしだけ前を向ける。

たかが目玉焼きのはなしだけど、そういえば、目玉焼きの好みって人それぞれにこだわりがあるなーと思う。


私のこだわりは、土曜日に買って、日曜日に使うことから始まる。
新鮮なら生臭みも少ないからすこし離れた市場にいって野菜といっしょに買ってくる。

日曜日の朝、新鮮な卵がある朝はちょっと愉しい。買ってきた卵をフライパンに割りいれ、その上にハムを乗せる。ひとさじの水を加えて蓋をしてハムの風味が白身にうつったものが好き。

そのあいだにパンなんて焼いて気をとられていると、あっという間に黄身がかたまるからつきっきり。

白身のふちがちょっとだけ盛り上がり、黄身が半熟でレモン色なのがいい。

焼きあがったら、白いプレートに乗せるとキラキラして見えた。

冷めないうちにツヤのいい黄身をそっとつついて、しょうゆを1、2滴。それをソースがわりに白身につけてたべる。

今年も苦手な夏を越えられそう。
土曜日に卵を買い日曜日に目玉焼きを焼く。ひそかなおまじないのために。





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