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ストピでやらかしたことと、心の闇。

もう一年以上前になるが、京都駅のストリートピアノを弾いたときの苦いエピソードを書きたいと思う。

その時はカーペンターズの「青春の輝き」を弾いていて、3~4人ほどの方が立ち止まって聴いて下さった。
(今まで弾いた中で妙に反応があった、この曲。そんなに人氣なのか笑)

その中で1人のおじさんが、聴いて下さっていて、途中だったのだろう、弾き終わったあと立ち去ろうとしたら「もう一回」と言われた。


私はこの時、「今の曲をもう一回ってことですか?」と、確認すれば良かったものの、一瞬はばかられて、しばらく考えたあと、違う曲を弾いてしまった。

・・・・・・・・

このおじさんはきっと99.99999%、青春の輝きをリクエストしたのだ。それは聞かずとも分かるような雰囲気でもあった。

でも私は、

・確認をせず
・違う曲を弾いた

という、奇妙な行動を取ってしまった。

頭では、分かり切っていた。

なのに、どうして行動がこんなにチグハグになってしまったのか。

私の頭の中

ではなぜ、こんなヘンテコリンな行動を取ってしまったのか。
それにはこんなヘンテコリンな思考があった。

まず、確認することを怠ったときの思考。

聞こうと思ったけど、出来なかった。そして、その時の心境を、今でもハッキリと覚えている。

それは「今の曲をもう一回ですかと確認するなんて、ものすごく偉そうでおこがましい行為だ。だから、確認なんてできない」・・・

私なんかが、そんな偉そうな態度を取れる身分ではありません、プロのピアニストじゃあるまいし、みたいな。

そもそも私の中で確認すること=上から目線な偉そうな態度、という感覚がそこにはあって。

そして、もう一回とは、もう一回何か「違う曲を」聞かせてくれってことだよね、と自分の中で「勝手に解釈し」、半ば無理やり言い聞かせるようにして、違う曲を弾いた。

おじさんはありがとうと言って帰っていかれたが、何だかバツの悪い感じがして、私の中でモヤモヤが残った。

・・・・・・

私は体調不良をきっかけにして、YouTube等で心理学の知識を得てきて、自分の心の中に何があるのか、を色々と見てきた。自分なりに。


こうやって書いてみると、全くおじさんとコミュニケーションが取れてなくて、完全な一人芝居、独りよがりの心理であることが分かる。

そして、この時自分の中にあったのは、「私なんかが」という、強烈な自己卑下の感覚。
そして、コミュニケーションを取らなかった(取れなかった)という、一種の怠惰、傲慢、恐れ。これも自己卑下から来るものだと思った。
もちろんその奥には無価値感があることは言うまでもなく。

謙遜ではなく、自己卑下、自己蔑視、の感覚があって、それゆえの行動で、結果としておじさんを傷つけることになってしまった。

私は、後から後悔した。

今でも後悔している。

なんで、もう一回青春の輝きを素直に弾かなかったのだろうと…

自分でも不自然な思考だなとは、感じてはいた。

でもこれこそが、無意識のなせるワザというか、あとからまざまざと見せつけられた感じがした。

でも改めてこうやって書くと、なんてヘンテコリンな論理なんだろうか。

そして、そんな自分の氣持ちに不自然さを感じつつ、他の曲を弾き出す、しかも、相手のリクエストは違うと分かっていながら、違う曲を弾いてしまう、という、この不自然極まりない行為。

こんなの、ただのイジワルでしかないですよね。

あの時のおじさん、ごめんなさい。

この場を借りて、お詫び申し上げます。

・・・・・

このことを通して、自分の中に深い無価値感の闇があることが分かったが、そもそも、謙遜と自己卑下を、混同してる人が多いような氣がする。

特に日本人は、へりくだること、
謙遜が美徳、とされているけど、腰が低いという意味での本当の謙遜と、私なんかが…という無価値感から来る自己卑下は、そもそも全く違うもの。

どちらも腰は低いが、中身がまるで違うのだ。


前者は基本的に自分も他人も肯定しているけど、後者は、肯定していない。

そして前者は誰も傷つけないけど、後者は、自分も他人も傷つける。

自己卑下や無価値感は、誰も幸せにしない。

自己卑下は、傲慢そのものなのだ
ということがよく分かった出来事だった。


最後に、また同じ場所で、青春の輝きを弾き、おじさんとも遭遇する…ことがあればいいなと思うことがあるけど、今更そんなことを言ってもしょうがない。
このことをきっかけにした自分の氣付きを発信することで、感じてもらえることがあればいいなと思う。

とにかく、今思うのは、もう二度とこんなことはすまい、という氣持ちだが、それ以上に、今後同じようなシチュエーションが現れてくれるのかどうか、甚だ疑問である・・。

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