デザイナーが働く環境の3つの軸

デザイナーが働く環境

グラフィックデザイナーの皆さんは現在どのような会社で働いていますか?
また、これからグラフィックデザイナーやWEBデザイナーを目指す方はどのような会社で働きたいと思っていますか?

デザイナーとして働く環境は、デザイン事務所だけではないことはご承知かと思います。

デザイナーが働く環境は主に下記のパターンがあるかと思います。

・デザイン事務所
・広告代理店
・企業内の制作部
・フリーランス など

そして、デザイナーが最初に働く環境といえば、おそらく多くの方はデザイン事務所ではないでしょうか?
(私もそうでした)

会社もデザイナーもやりたがる案件

デザイン事務所にもそれぞれ特色があります。価格を売りにしたり、多数の広告賞を取ったことが強みであったり、有名デザイナーの事務所であったりと様々です。

求人広告を見ると、「大手クライアントとの取引」や「有名人や人気商品の案件に携わるなどの謳い文句をアピールしているのを、目にしたことがある方も多いのではないでしょうか?

大手クライアントと取引するメリット
大手クライアント会社にとっても、デザイナーにとっても大きなメリットがあります。

・案件の単価が高い
・大規模な案件に携われる
・営業活動においてアピールしやすい
・箔がつく など

ざっと思いつくだけでも、こんな感じではないでしょうか?
レギュレーションが厳しかったりと、大変な側面もありますが、それでもやりたがる会社もデザイナーも多いように感じます。

価格軸・ブランド軸・密着軸

それでは、そのような案件のデザインを手がけるためには、どのようなタイプの会社に入れば良いのでしょうか?大きく「3つの軸」に分けて考えてみました。

①価格軸
「短納期・低価格」
を売りにとにかく案件の数で稼ぐ。
おそらくこのタイプのデザイン会社がもっとも多く存在し、もっとも多くのデザイナーが在籍していると思います。
例えるなら、ファストファッションのようなタイプかもしれません。
私が、最初に入社した会社もこのタイプでした。

主なメリットは「数多くのデザインを経験できる」ことでしょうか。
デメリットは「複数の案件を抱えるため、負担が大きい」かもしれません。

②ブランド軸
「著名デザイナー」「有名な広告賞の受賞」が強み。
大規模な案件や有名人を起用した広告などに携われるため、特にこれからデザイナーを目指す人たちの目標となるタイプのデザイン会社だと思います。
書籍やメディアでもこのタイプの会社が、取り上げられやすいです。
私は直接携わっていませんが、次に入社した会社はこのタイプで、有名人を起用した広告を多数手がけていました。

主なメリットは「有名デザイナーのもとで大きな案件を経験できる」ことでしょうか。また、「ブランディング」まで手がける会社もあります。
デメリットは多くの人が目指すため、「狭き門」であることでしょうか。

③密着軸
単発の案件ではなく、「1つのプロジェクトに長い年月をかけて携わっていく」ことが特徴
このタイプはマーケティングに軸を置き、プランナーやマーケターなどと協力してクライアントのプロジェクトを成長させる点に、他とは大きな違いがあります。またその性質上、予算がかかるため自然と大手クライアントが相手となります。
1つのプロジェクトの中で、次々とコンテンツが増えていくので複数のデザイン案件が存在します。また、PVやCVなどの数値が随時フィードバックされるため、結果に基づいてデザインをブラッシュアップできます。
私はこの会社で「ファン育成」の概念を学びました。

主なメリットは、「大手クライアントと継続してデザインに携われる」ことが大きいでしょう。また「デザインのフォードバックを得られやすい」のもデザイナーにとっては大きなメリットです。
デメリットは、「些細なミスで積み重ねてきた信頼が崩れかねない」ことがあるかもしれません。

デザイナーに必要なブラッシュアップ

皆さんはどのタイプに所属していますか?また、どのタイプの会社に入社したいですか?
結局、ブランド軸だけが大手クライアントと携われるかといえば、答えはNoです。
私はどのタイプの会社も経験しましたが、①価格軸の会社でも大手クライアントの案件のデザインに携わりました。(撮影も経験しました)
②ブランド軸の会社では、有名ミュージシャンのサイン入りCDや、某有名ゲーム会社のゲーム機が贈呈されたりしていました。

しかし、私は③密着軸の会社が自分にとって、もっとも価値のある会社に感じました。
なぜなら、マーケティングで得られたリアルな数字をもとに、デザインをブラッシュアップできることが一つ。そして、長期間に渡り同じ担当者と仕事ができること。
これらが、私の中のデザインの価値観を変化させました。
このマーケティングに基づいたデザインのブラッシュアップが、これからの特にwebデザインにおいては必要不可欠であると感じました。

私も以前は、広告賞を取りたいなどと憧れを持っていました。
しかし今では、広告賞よりも自分のデザインでクライアントのファンが一人でも増えることの方が、自分にとって大きな価値があります。
そして今後は、③密着軸のデザインができる会社を必要とするクライアントが、増えていくと考えています。

しかし、どのタイプの会社も楽ではありません。
おそらく今でも長時間労働が常態化している会社も多いでしょう。
現在現役で活躍されているデザイナーも、これからデザイナーとして働く方も、この記事が少しでも皆さんの価値となることを祈ります。



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