マガジンのカバー画像

玄川阿紀の「働き方」について考える。

59
【働き方】に関する記事だけをまとめました。教育系広告代理店で昼夜問わず働いた日々から、デザイン事務所で憧れのライターになったこと、そして派遣で週4日働く現在。働き方への葛藤と実践… もっと読む
運営しているクリエイター

記事一覧

なぜ人は“今あるもの”を数えるのか

私の読書記録によると、「自己啓発本にはおおよそ同じ内容ばかり書かれている」と気づいたのは、社会人4年目になった26歳の頃だった。 20代を通して、私は自己啓発本にハマっていた。きっかけは、大学3、4年生のときの就職活動だ。私は、「就活が不得意」な学生であった。曲がりなりにも文学部で、文芸創作ゼミに所属していたため、文章はまあまあ書けるほうだったのだと思う。エントリーシートなどの書類選考で落とされることは少なかった。 致命的にアウトだったのが面接だ。今でこそ、「面接は相手の

【お知らせ】再春館製薬所様のWebサイト『読み薬』に、私の言葉が掲載されました!

とってもお久しぶりなハッピーなご報告です♡ あっ、もしかしてnoteでは新年のご挨拶がまだでしたね……?! 明けましておめでとうございます。 昨年はびっくりするくらい、noteを書きませんでした笑 更新は少なかったけれど、そのぶん1記事1記事に濃い内容が書けたのではないかなと思っています。 そして、noteを始めて8年が経っていたそうです。 今年はスクラップアンドビルドな1年にしていくので、更新頻度はさらにゆっくりになる予定です>< この機会に過去の記事を再読していただ

32歳のスクラップアンドビルド

「あきちゃんは引き出しが少ない」 ――と、ライターの佐藤友美さん(以下、さとゆみさん)に言われたのは、4月に行われた「さとゆみゼミ卒業生インタビュー」のときだった。その言葉は、今も私の耳に残っている。「おっしゃる通りです」と思ったからだった。 私は、今年の1月から3ヶ月に渡って開講された、「さとゆみビジネスライティングゼミ3期(以下、さとゆみゼミ)」を受講していた。読んで字のごとく、長年ライターとして活躍しているさとゆみさんから、書く仕事で食べていく方法を学ぶゼミだ。

書くために生まれてきたんじゃなかった。

……と、思うようになったのは、春先のことだった。 いや、春先ではなかったかもしれない。心の底では薄々気づいていたのだけど、頑張って見ないふりをしていた。本当は、ずっと前から気づいていたのだと思う。私は、書くために生まれてきたんじゃなかったんだろうなって。 それを自覚した頃、私は毎日のように誰かの話を聞いていた。以前は、「面白い話をして爪痕を残さなければ!」と、バラエティ番組のひな壇に座っているお笑い芸人のような気持ちで人と会っていた。でも、書き手としてインプットを増やした

7年間ありがとうございました!公式LINEからニュースレター『Medy』へお引越しのお知らせ

2023年上半期。こんなにも「文章」――もとい、「書くこと」に向き合うことになるとは思っていませんでした。 すっかりnoteではご無沙汰してしまいました、玄川阿紀です。noteが本拠地なのに……! 1ヶ月に1回は実りのある記事を更新しようと頑張っていたのに……!! 2023年1月から文章力を鍛える教室に通い、卒業すると同時にライターとして仕事を再開。この数ヶ月、ありがたいことに呼吸もままならないほどの忙しさでした(いつかこの日々のことは文章にできたらいいな)。 ようやく

幸せは半熟卵のお味

「人の生きる目的は、幸せになることなんだよね」 3年ほど前だろうか。いつも聴いているラジオで、ある声優さんが「幸福願望」について話されていたのを、今もぼんやりと覚えている。彼は「幸福願望」という言葉を尊敬する先輩から学んだのだと、柔らかい声で話していた。 演じるときには、まずその役がどんな「幸福願望」を持っているか考えるようにしている。善人だろうと悪人だろうと、人は「幸せ」に向かって生きているのだから――……。 というようなニュアンスのことを聞きながら、私は部屋に掃除機

「すき」の気持ちは量れない。

ここ数年、自分自身に「本当に書くことが好きなんだろうか?」と尋ね続けていた。 noteに書くのは初めてかもしれない。他のSNSにだって、書いたことがあっただろうか。仲良しのあの子にも話したことはなかったかもしれない。「書くことが好き」だとアイデンティティのように宣い続けてきたくせに。こんなこと、誰にも言えるはずがないのだ。 初めて小説を書いたのは、小学二年生の頃だ。それから意欲の赴くままに書き続けて、高校生のときには「文芸創作の勉強がしたい!」などと考えるようになる。第一

長編小説の執筆に役立ったものリスト🖋️

小説投稿サイト「エブリスタ」に長編小説『0組の机にポエム書いてるの私です!』を応募しました!✨ ※元々noteに掲載していた小説を大幅改稿してアップしています。 この記事の本題に入る前に、少しだけ小説の宣伝をさせてください🙏💕 『0組の机にポエム書いてるの私です!』 ポエマー女子高生、あざとかわいい系イケメンに秘密がバレて溺愛される。 【📚STORY📚】 目立たないようにひっそりと高校生活を送っている中原 央の唯一の楽しみは、「0組」の机に自作のポエムを書くことだった

私が会社で働く理由

起業やフリーランスなどの会社に雇われない働き方は、ここ数年でメジャーな選択肢の一つになった。私の周りにも、フリーライターやサロン経営者、占い師をはじめ、組織に所属しない働き方をしている人は大勢いる。 会社で働く私は、自営業の友人・知人らから「フリーになりなよ!」と勧められることが少なくない。でも、その都度、私はこう返す。 「会社で働くほうが好きだから」 ___ かくいう私も、副業として、働き方に関するセミナー・セッションを開いたり、ライティングの仕事を請け負ったりして

セルフイメージが変わったので、会社を辞めた。

「暇なとき、小説書いててもいいよ。ちゃっちゃと仕事して、時間浮かせてるんだから、残りは玄川さんが自由に使っていい。それは、玄川さんの時間だよ」 ミーティングが一息ついて、雑談をしている最中。今夏から一緒に働き始めたばかりの先輩が、ごくごく自然なトーンで私に告げた。暇なとき、小説を書いていてもいい? 業務時間中に自由な行動を許す先輩が、世界のどこにいるんだろう。しかも、ただの派遣社員に。 ___ 「転職しよう」と決心したのは、今年の春先だ。当時の勤務先は法律関係のIT企業

【お知らせ】『「はたらく」のいまとこれから2022』に掲載されました!

パナソニックグループ・note・No companyによるトレンドレポート『「はたらく」のいまとこれから2022』に、玄川阿紀の記事が掲載されました。 レポートの概要は下記の通りです。 ご掲載いただいた玄川の記事は、「#はたらくってなんだろう」コンテストで入賞した『たとえ「普通の」生き方ができなかったとしても。』。公開当初からたくさんの人にお読みいただき、SNSでもシェアしていただきました。noteのメルマガに掲載いただいたのも、良い思い出です。 「一年半前の記事がレポ

希望の芽

「女性が手ぶらでトイレに行ける環境を作りたいんですよね」 「生理によるパフォーマンスの低下をゼロにすることが目標です」  ある日のオンライン会議のことだ。イヤホンから飛び込んできた言葉に、突風のような強い衝撃を受けた。それは、20代の男性起業家の発言だった。  今夏から、スタートアップ企業の支援をする仕事に就いた。私は主に事務のサポートをしている。その日参加した会議は、これから支援していく起業家との顔合わせだった。 「生理用ナプキンを持ち歩くこと」の「煩わしさ」に気づく

【検証】新月の願い事は叶うのか?

「新月の日に願い事をすると叶う」という話を、皆さんはご存知だろうか? 私がその話を知ったのは、さかのぼること6年前。当時よく読んでいた自己啓発本の著者さんが、「新月に願い事をすると叶う」と本に記していた。20代前半の私はやや懐疑的で「まさか!」と思いつつも、その著者さんが実際に数々の夢を叶えていると知ると(たとえば、本を出版するとか、理想通りの恋人ができるとか)、少しずつ興味をそそられるようになった。だって、願い事するだけならタダだもん!☆ 6年前、軽いノリで始めた「新月

父は、長い間ゆるやかな鬱だった。 いや、「だった」と書くと「完治した」ような表現になってしまうので、語弊があるか。父の身体は父のものだ。私には、それがよくなっているのか、よくなっていないのか、はっきりとはわからない。 最初に父が鬱と診断されたのは、私が子どもの頃。父は、働き盛りの40代だった。 ___ 「お父さんね、鬱なんだって」 と、母から聞かされたのは、私が小学生の頃。当時、父が「眠れない」とよく口にしていたのを、ぼんやりと覚えている。メタボリック気味の身体から