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ワクチンって何?

こんにちわ。ワクチン接種について一つお伺いしますが、なんとなく健康診断とワクチン接種は毎年うけるものと思ってはいないでしょうか?今回はワクチンのしくみと現段階のワクチネーションプログラムについてお伝えしたいと思います。

ワクチンは「生ワクチン」と「不活化ワクチン」の2種類があります。生ワクチンは毒性を弱めた生きた微生物やウイルスを使用しているために、1回の接種で持続的かつ強い免疫をつけることができます。しかし、生きた微生物やウイルスであるために、弱めた毒性が回復してしまうなどの副反応のリスクがあります。一方、不活化ワクチンは化学処理等により死んだ微生物やウイルス、その断片を使用したもので、病原性の回復はないものの、免疫を持続させるために複数回の接種を必要とします。

最もワクチン接種を気にする時期は子犬・子猫の時期だと思います。日本では生後6~8週目に1回目のコアワクチンの接種を行います。その後、免疫をより確実なものにするために、生後16週齢以降までに2~4週間隔で追加接種を行うことが推奨されています。これは子犬・子猫が出生時に移行抗体(母子免疫)をもらい受けているためです。

子犬・子猫は出生してすぐに母乳を介して母親から抗体をもらい、一定期間感染症から守られています。これを移行抗体(母子免疫)といいます。この効果は生後2か月前後、遅くとも生後4か月頃までに消失します。つまり、この効果がある時期はワクチン接種を行っても免疫は効率よく獲得できない、かつ、個体により移行抗体の消失時期に差があるため、ワクチン接種が早すぎると免疫が弱い状態のまま過ごすリスクがあります。したがって、生後16週齢以降(生後4か月齢以降)までのワクチン接種が重要とるわけです。

また、WSAVA(世界小動物獣医師会)による「犬と猫のワクチネーションガイドライン」では、16週齢以降の最後のワクチンで免疫がつかなかった場合を考慮し、生後26週齢(~生後52週齢)のブースターワクチン接種を勧めています。

ワクチン接種は感染症の流行により必要となるものが時期や地域により大きく異なります。次回は成犬・成猫のワクチン接種についてお話していきたいと思います。どうぞご期待ください。

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