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アクション朗読劇 怪盗探偵山猫〜黒羊の挽歌〜 感想

原作全作既読、声優オタク、そしてきたむのオタク(もちろん、猫ステも両作観劇済)である私のための公演か?の気持ちで、1/14昼公演を観劇してまいりました。
俳優北村諒の魅力を、そしてプロの声優さんたちの技を、そして猫ステのアクションと原作の面白さを、全部味わえるあまりにも豪華すぎる作品でした。
声オタには舞台の殺陣、アクションってやばい!と思わせて、舞台オタクには声優さんって変幻自在だなぁと思わせて、そしてしっかり原作の面白さを伝えるってすごすぎませんか。さすがオムさん(すぐ演出を讃えてしまう笑)
そんなわけで最高of最高でしたし、とんでもないコンテンツが爆誕したと思いました。
これは朗読劇ではないし、舞台でもない。アクション朗読劇と名のつけられた、なにか新しい異種格闘技戦みたいなコンテンツだと思います。

以下はネタバレ。
原作のほかの話のネタバレや、これまでのステのネタバレもさりげなくしている可能性ありますので、ご注意ください。


逢坂良太さん

役が明かされていなかったので、勝村として出てきたときにあまりのはまり役にくらくらしました。アニメ化したら勝村は逢坂さんしかいないじゃん?と。
山猫との関係値が深まってからの話ですけど、きたむ演じる山猫との距離感が本当に完璧。さすが。
あと、今までの猫ステはさくらがいなかった関係から、勝村とさくらの関係をネタにする山猫という、所謂、山猫のお約束的なシーンがずっとなくて!
そこが個人的に原作の好きなところでもあって、うーん、残念!と思っていたところでしたので、ついに見れたことも大満足でした。
とことん女性との距離を詰めるのが下手な男、勝村。最高。
かと思えば、黒羊の挽歌の牧野(牧師)は低めトーンでしっかり悪役も味わえて、これが遊郭編でオタクの度肝を抜いたトップ声優の実力!!という感じで、溜息が出るほど素敵なお芝居を浴びれました。
別に声色が変わるのがすごいんじゃないんですよ、声優さんって。声だけで、そのキャラクターの人間性とか背景とか、感情とかを全部伝えるからすごいんです。まさにそれだったなと思います。
あとは、きたむがセリフ飛ばしたときに、する〜っと台本を見に来たのを察して、自分はチラ見しながらもきたむには見えないように隠していたところが、うわ、勝村だ……!ってなったところでした。ハプニングさえも名シーン。
勝村って山猫の言いなりではないし、基本的には山猫の不思議な魅力に魅せられてはいるし、信じてもいるけど、屈服はしていないんですよ。勝村だから、あそこは台本を見せないように隠すのが正解なんです。もちろん、そうしたときの山猫(きたむ)の反応も最高でした。配信見て。

中島ヨシキさん

羊の血統がナレーターだったので、このままなのかな?と思ったら、羊の叛逆では悪役の新発田、そして黒羊の挽歌では原作で人気キャラ(ですよね?違う?私だけ?)の犬井と、これまた流れるような変わり身でした。
羊の血統の、スパイス効きまくりな感じの語り部がめちゃくちゃよかったですね……控えめにいって好きしかなかったです。特に勝村がさくらを(捜査のために)ラブホに誘ってさくらから拒絶されるシーンのツッコミは……笑
台本見たら、台詞に気持ち悪い、が付け足されていたので、このピリリとしたスパイスはヨシキ先生オリジナルなんだなと思って、またニコニコでした。
新発田と犬井の両方を演じながらの一人二役の取り調べ(というか、犬井の暴走というか……)も見事としか言いようがなく、最高でした。
原作では、勝村とさくらという関係もありながら、犬井とさくらというのも萌え要素というか熱い要素満載だと思うのですが、その一端が見えたのもまた◎
逢坂さんもそうですけど、こういう、正義も悪も両方見れる!って、オタクとしては「贅沢した」みたいな気持ちになるところなので、本当に贅沢した……って思いました。
衣装が変わるので、今誰?とならないのも◎ですね。演出最高です、さすがオムさん(急な差し込み)

西山宏太朗さん

サブキャラをほぼ全て、一手に引き受けていたこーちゃん。その中でも色々と細かいネタというか笑いを入れていて、さすがのエンターテイナーだなと。
こーちゃんのチンピラたちときたら……笑
これはもうこーちゃんのこれまでの功績だなと思いました。どこでもこーちゃんのホーム。どれぐらい、あまり声優さん知らない舞台俳優のオタクがいたかわからないんですが(今日は男性陣が全員あんスタの声優っていう枠組みだったから、声オタが多そうですが)俳優さんしか知らない人にもこーちゃんのパワーは届いたなと勝手に思ってました笑
羊の叛逆での山野井。
山野井への、山猫と勝村からの痛烈なパンチ(の効いた言葉)って、怪盗探偵山猫のテーマのひとつでありつつも、小学生が叱られるときの「○○くんがやれって言ったら人殺しするの?」的なやつなので、それに説得力を持たせるにはやっぱり演技がものをいうと思っています。ついやってしまいたくなる言い訳が等身大に聞こえるのは、さすがだなぁと溜息でした。

伊藤かな恵さん

私、かな恵ちゃんって高い声でかわいくて、みたいなイメージがどうしても強くて(出会った役のせい)今回の発表があったあとに、麻里奈ちゃんは想像できるけど、かな恵ちゃん想像できない!私が触れてきてないかな恵ちゃんに会えるかもしねない!?みたいな気持ちだったんですが、本当にそんな感じでした……!
原作オタクが猫ステに求めていたさくらの登場だけでなく、これまた原作オタク垂涎のみのりちゃんの登場まで(そりゃ、この本やるならそうですけど!そうですけど!)
前回の猫ステで魔王こと真央くんが登場してたこともあって、みのりちゃんにも会いたかったオタクは歓喜でした。好きしかない。
山猫は女性キャラクターもみんな強くて最高で、守られてるお姫様みたいな子はいないので、強いかな恵ちゃんの姿をたくさん堪能しました。
たぶん、黒羊の挽歌だったと思うんですが、語り部用の椅子を山猫が拝借して武器として使う→かな恵ちゃんびっくりしつつも小さく拍手→その後椅子を戻してかな恵ちゃんを座らせてチンピラたちも含めて「どうぞ〜」って手を差し出して、かな恵ちゃんが椅子に戻る、みたいなところがあって、かわいすぎて頭を抱えました。かわいすぎる。

北村諒さん

ひとりだけ朗読劇じゃなくて普通の舞台でした笑
台本は普通に読んで、アクションのときだけ置くのかな?とか思ってたので、まさか全編台本なしで、自由にステージを動き回るとは思わず。
でも、舞台俳優なんだから、これが彼が1番ストレートに、そして魅力的に山猫を表現できるスタイルなわけですよ。そして声優さんたちは声で芝居をするのが番、魅力的にそれぞれのキャラクターを演じられるスタイルなわけで、朗読劇という名前だから台本を持つのが前提とか、逆に持たずになんとかさせようとかじゃなくて、それぞれの最高の「芝居」へのアプローチの仕方で取り組もう、といいうコンテンツだったことが、本当に素晴らしいなと思いました。
当然きたむは、自分の台詞がないところで声優さんたちにガンガン絡みに行くし、語り部や勝村から自分を讃えるような台詞が来れば、しっかり決めポーズもするし、細かな反応もするし、バーのシーンでは勝村と山野井がしゃべっている間にウィスキー飲むし、黒子さんに絡むし、席降りして客席に座ってあくびしながら話を聞いてたりもする(近かったので、舞台上見つつ、そっちも見てました笑)
勝村にスクワット10回やらせるシーン。あれ、これ日替わりか?と思って後で買った台本見たら案の定でした笑
これもう、猫ステですよね、普通に。
朗読山猫でありながら、猫ステの3作品目でもあるなと思いましたよ、本当に。
パワフルで、自由奔放で、気ままで、そして「自分が犯罪者であること」を誰よりも自覚している山猫。
今回もとても素敵でした。
またぜひ、山猫に会えますように、祈りを込めて。

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