朗読✕和楽器 天守物語 17日夜の部感想

近代文学で1番好きな作品はと聞かれたら、有島武郎の「小さき者へ」だと答えることに決めてますけど、聞かれたことがありません。
100の質問とかされても入らなさそうですしね。
そんなわけで最終公演を拝見してきました、きたむのオタクです。

全体

あまり予備知識なく見て来ましたが、和楽器の力強さと、演技の熱に圧倒された1時間15分でした。
アフトでも散々話に出てましたが、この舞台装置が8公演はもったいない……それぐらい、豪華で素敵なセットでした。
偶然にも最前列だったのですが、目の前に怪しげな桶が……めちゃくちゃ今年の大河ドラマで大活躍されている首桶ではと思ったら、予想通り。
首のレプリカも出てきたので、隣のお姉さんがびっくりされてました。
一応、2人が「鬼女」だとは知ってたので、うわ〜怪しげな会話してる〜!と聞いてましたが、本当になにも知らなかったら、このお土産持ってくる亀姫、相当やばい女の子でドン引きですよね……笑
このあたりを伏線にしつつ、図書之助と富姫の恋物語が描かれていくのが、泉鏡花先生すご……となりました。今でいうなら、全部回収した、ってやつです。
予想より遥かに朗読劇ではなく演劇で、たくさんの演出に楽しませていただきました。
あと、初めてTheater Mixaに行ったのですが、舞台たっか。なのに、いい感じに見やすくて、時間も短かったからか首も痛くなりませんでした。


富姫

なんとなく篠井さんってテレビの方だと思っていたので、発表されたときから楽しみにしていました。中々、生で見る機会がない……。
1000年以上生きている富姫の大人な感じに圧倒されました。
妹の亀姫と楽しそうに話してるときと、ラスト付近のギャップがすごい。
歌舞伎の方ではないけど、女形をされていて方だからなんでしょうね、美しいなという感想がするっと出てきました。所作が美しい。
日本の芸能を浴びましょう、という感じがして、あー、すごいなぁ……としみじみ思っていました。


亀姫/図書之助

いやもう、亀姫が美しすぎて、言葉がなかった。
高めのボイスで、打掛姿で、「おあねえさま(お姉様)」と富姫を呼び、かわいらしく、無邪気な鬼女のお姫様でした。
サイド亀姫はなんで書いてくれなかったんですか、泉鏡花先生……。
かわいいといっても、あんスタの嵐ちゃんのようなかわいさじゃないんですよね。全然別物。
亀姫は亀姫でやっぱり長い時を過ごしているし、それでいて無邪気に人の首をお土産に持ってくる残酷さというか、妖怪感もあるから、ただただかわいいわけでもない。
ああ、うまいなぁ……と思って見てました。
打って変わって図書之助は本当に精悍な青年で、紳士で、まさに理想の男。
両方浴びてね!好きでしょ!って感じなんですが、オタクは好きなので頷かざるをえない。
言葉選びが独特な中、決めるところで飛び出す低めのトーンの声が刺さりました。
あと全身白のきたむの衣装にはたいそう、しんどい感情を抱いているので(Requiemで)ラストがしんどくなくてほっとしました……笑

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