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孤独で不安な子育て中、気張らない話し相手がほしいとき

はじめての子育てに奮闘する日々のなかで、ふと「長らく大人と会話していない」「毎日同じことの繰り返し…」「子育て中のちょっとした疑問にいつまでもモヤモヤ」という現実が続いたとき、漠然とした焦りを感じたことがありました。

もちろん、夫とは毎日対面で、両親とは数週間おきに電話で会話はしていました。

でも、第三者と会話がしたかったんですね。共に親1年目の夫でもなく、肩入れしがちな身内でもなく、マウントに気を遣う友人や児童館ママでもなく、専門家すぎでもなく…と、理想とする人物像は難しい距離感でした。

ほどよい距離感の”近所のおばさま”と話そう

そんな時に思い出したのが、自治体からもらった「ホームスタート」の案内チラシでした。

ホームスタートとは、未就学児が1人でもいる家庭に、研修を受けた地域の子育て経験者が訪問する「家庭訪問型子育て支援ボランティア」です。週に一回、2時間程度、概ね2~3ケ月間訪問し、滞在中は友人のように寄り添いながら「傾聴」(気持ちを受け止めながら話を聴く)や「協働」(育児家事や外出を一緒にする)等の活動をします。「外出しづらい」「頼れる人が身近にいない」、そんな子育て家族をボランティアのホームビジターが訪問し、親子と共に過ごすことで子育て中の親の心を支えます。時には子どもと一緒に公園や子育てひろばに外出する等、地域の子育て支援や人々とつながるきっかけづくりも応援します。

https://www.homestartjapan.org/

まず魅力的だったのが、「訪問」してもらえること。
子育て初心者としては、子どもを連れて外出するのにまず一苦労、現地に着いて周りに気を使うのにまた一苦労、そして慣れない環境で子どもと過ごすのに一苦労…と、なかなか腰が重たいのです。
もちろんほぼ毎日児童館へ出かける方も多いでしょうが、「訪問」いただけることで、アウェイではなくホームでリラックスしながら利用できるのは、なかなか嬉しい。
そして、「会う回数が決まっている」ということ。ママ友みたいに、今後も付き合う可能性のある人ではないので、ある意味さらけ出して接することができるのは、私にとっていちばんの魅力でした。
まるで、たま~に会うが関わりの少ない「近所のおばさま」感。

さっそく「ホームスタート」に申し込みしてみた

ホームスタートは、日本各地で展開されているようです。私の場合、ちょうど居住する地域に支部があったためか、役所で妊娠か出産の手続きをした際に案内チラシをもらったのでした。
本当は低月齢のときに利用したかったのですが、新型コロナウイルスが心配で、実際は娘が9ヶ月になったころに利用を決心しました。
さっそく担当窓口に、利用したい旨を連絡。
後日、オーガナイザーと呼ばれる方に訪問いただいて、利用の流れや利用中にやりたいことなどを確認。私の場合は、子育て中のモヤモヤ(家での過ごし方ってこんな感じでいいのかな?子どもの成長具合ってどんな感じ?等かなりざっくりとした質問)を共有して意見が欲しい、雑談したい、といった会話を希望しました。

その後、ビジターと呼ばれるボランティアの方をマッチング・紹介いただいて、毎週1回、2時間程度訪問いただくことになりました。
利用の流れは、公式サイトをご覧ください。

関連リンク:
ホームスタートジャパン

どんなことをしたのか?

担当のビジターさんは、60代の女性。子育てを終えて、ちいさなお孫さんがいらっしゃる方でした。馴れ馴れしすぎず、遠慮しがちでもなく、品のある方に来ていただいてホッとした印象が記憶にあります。
また訪問時のルールとして、飲食物を出さない、連絡先を交換しない、一緒に外出した場合の交通費や外出先での入場料はビジター分も利用者が支払う、といった決まりがありました。(支部によって違いがあるかもしれません)
不要なトラブルを避けるためのルールだと思いますが、来客に茶菓子などを用意しなくて良かったのも、地味に嬉しかったです。

4回の訪問では、ほとんど「雑談」をしていました。
サークルの中にいる子どもと時折触れ合いながら、ゆるゆると過ごしました。1回だけ、一緒に某子どもグッズチェーン店に同行もしてもらいまいした。
子どもの育児についてガッツリ相談するわけでもなく、地域の支援事業について聞くでもなく、本当に他愛のない身の上話や時事などを話題にすることが多かったように思います。
ビジターさんも、私の子どものことについて聞いたりお孫さんの話もあったけれど、自分の最近あった出来事を話すことも多かったです。
当初は、自分の子育てについてアドバイスが欲しいと思っていたけど、実際私が望んでいたのは、井戸端会議のようなライトな会話だったのでした。

「傾聴」してくれる第三者はあまりいない

たぶんそれって、私としては「息抜き」だったんだなぁと感じています。四六時中、子どもと向き合って、子どものことばかりに頭を動かす。ちょっとしたスキマ時間でも、娘の必要用品をリサーチ&購入したり、育児情報を収集したり…。
だから育児以外のことを話すこと:ただの雑談が、育児脳を休めることに繋がったのかなと。
あと、第三者であることと、お節介じゃないというのも重要ですよね。いつも気を張ってピリピリしているとき、身内からのアドバイスは時としてイラっとしてしまうこともあるから…!
ホームスタート自体は4回のビジター訪問ですが、ボランティアではなく課金制なら、値段によっては続けたかったな~というくらい、私にはハマったのでした。

孤育ての焦りは、育児脳を休めることで楽になるかも

ホームスタートを通して、育児脳を休めるという気づきは貴重でした。
「寄り添い」をテーマにされているから、本来は「気にかけてくれる人がいるんだ」「人に話してすっきりした」という安心感が得られることで満足となるところですが、たぶん「私がやらなきゃ!」「つぎやるのはこれとこれと…」「あれってどうすればいいんだろう」みたいに焦ってフル回転している頭をほぐしてくれる:休ませる効果もあったんじゃないかなあと思うのです。

その後は、子どもが寝ている間に没入できるものを探すようになりました。このブログもそのひとつですね。文章としてアウトプットするのはなかなか頭を使う作業で、”マミーブレイン(物忘れ脳)”も活性化してくれそうな気がしています。

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