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16時の詩

さぁ始まったぞ今シーズン 若鯉たちで勝ちたいね 田村中村久保林 ベテラン勢にも期待大 一喜一憂何が悪い スタンドから野次飛ばしまくって 球場真っ赤に染めようやぁ エラー見逃し迷采配には あーじゃぁこーじゃぁ居酒屋談議 勝ったら笑って負けたら泣いて わしならこうするあれはせん 宮島街道沿い マウントコーヒー 窓際のカウンター席にて。 抹茶といちごのタルトを頬張りながら。 隣のおばあさまたちはさっきから歯間ブラシの話題で持ちきり。

    • また横断歩道まで戻って

      雨にもまけず 風にもまけず 土日でも 夜中でも営業できる丈夫な仲間を持ち 汚れは無く お客の節度も良くて いつも黄色く賑わっている 1日にコーヒー牛乳1本と 味噌とたくさんの納豆を食べ 川のほとりの住宅街の 誰でもふらっと入れるところに 壁には立派な富士山を描き 面白そうな本と 部屋に飾りたくなるようなお花を売り 扉は小さな映画館に繋がっている 東に病気の子どもあれば 足湯か手湯に浸けてやり 西に疲れた母あれば サウナ券をサービスし 南に死にそうな人あれば 風呂で思い出

      • 匂い / ふりさけ見れば春日なる

        目が覚めると、アラビアの空にいた。 乗客は誰一人として、自分の体が時速900kmで移動していることを気にも留めていない。海は東へ流れ、EK319便は時間を遡る方角に機首を向ける。 木曜日 第2ターミナルの3階、チェックインカウンターがずらりと並ぶ。中東を代表するエアラインはそのど真ん中、余裕の笑みで僕を迎え入れる。砂漠をイメージしたベージュのジャケットと真っ赤な帽子、白いベールは他のどの航空会社の制服にも負けないインパクトを持つ。黒いスーツを着たイスラム系の職員たちが、荷

        • 真実はいつも一つ!

          ついに江戸川コナンが100億の男になろうとしている。 今までの私なら「おれは昔からのファンなんだ!最近の映画は面白くないし、安室さん目当てのキャピキャピした女の子たちなんて!ふんっ」と斜に構えていただろう。 だがしかし、私はもう大人になった。老若男女古今東西みんなにコナンの魅力を知ってほしい。 ということで、カトウプレゼンツ「劇場版名探偵コナン超個人的おすすめランキング」をここに発表いたします。 ※2024年4月12日更新 去年は灰原が100億の女になりました。 キッド

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        • 空想
          4本
        • 旅行記
          3本

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          諦めませーん

          左京区民になるという夢を。 だって 七条大橋 京都国立博物館で「茶器」展とかを見て、庭をちょろっと歩いて、それからマクドナルドでシェイクを飲んで、京都タワーを眺めに行く。とか最高じゃん。 正面橋 正面って何に対して?って考えながら角の和菓子屋さんで抹茶の饅頭買って、食べながら歩きよったらその由来のお寺の跡にたどり着く。とかも最高だし。 五条大橋 京の五条の橋の上 大のおとこの弁慶は 長い薙刀振り上げて 牛若めがけて切りかかる って歌いながら「名探偵コナン 迷宮の十字路」

          諦めませーん

          喫茶銭湯メモワール

          古事記によると、四国というのは本州よりも先に誕生したとされている。 神話というのは"信じる"とか"信じない"とかではなくて、遠い昔から物語がきちんと受け継がれてきたという真実を、誇らしく感じるためにあるのだと思う。 「伊予の国を愛比売といひ」 明治に入って、日本で唯一古事記から名前をもらったのが愛媛県である。 愛媛県は松山というところで、私は大学の4年間を過ごした。 心地よい風のふく街だった。 部活の先輩の夏目漱石さんも、同じ学科の正岡子規も、ほのかにみかんの香りがするこ

          喫茶銭湯メモワール

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          ばいしんじ

          ばいしんじ

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          走れアキラ

          アキラは激怒した。必ず、かの疫病なんかに負けず、試合に出場しなければならぬと決意した。アキラには大人の世界というものがわからぬ。外でプレーをするスポーツに、何の危険性があろうか。けれども部活動というものは、大学のルールを守らなくてはならない。当たり前である。 アキラは去った。他にやりたいことも見つかった。私のことを良く思わない人間も少なからずいたであろう。3年生の夏であった。 アキラは4年生になった。10月の土曜日、久しぶりに試合を観に行った。彼らのプレーを観るのは1年と

          走れアキラ

          朝はとても冷え込んで、空もどんよりしていました。お昼に袋麺を食べてコーヒーを飲み終えると、陽が出てきたようです。窓を開けてみるとやっぱり寒かったので、すぐに閉めてしまいました。今日はニットを着て出かけようと思います。 コーヒーには、蜂蜜を入れました。

          朝はとても冷え込んで、空もどんよりしていました。お昼に袋麺を食べてコーヒーを飲み終えると、陽が出てきたようです。窓を開けてみるとやっぱり寒かったので、すぐに閉めてしまいました。今日はニットを着て出かけようと思います。 コーヒーには、蜂蜜を入れました。

          2日目のカレー

          夕暮れ、11月の6時はもう暗い。 それでも地球は丸いから、空はもう少しだけ明るい。沈んでいく太陽が、遥か上空を飛行する鉄の塊だけを照らす。暗い下界から、光る”昔の夢”を見るのが大好きなんだ。 帰り道では、焼き魚の匂いがする。日本の家庭の匂い、子供の頃の記憶の匂い。もう少し寒くなったら、灯油の匂いなんかが漂ってくるんだろう。あの匂いも好きなんだよ。 炊飯器を開ける瞬間、中から溢れ出る湯気に顔をうずめる。カレーにはスーパーで買ってきたとろけるチーズを3枚も入れる贅沢ぶり。

          2日目のカレー

          「僕の京都案内。」〜おれもPOPEYEにあやかってみる〜

          いつになっても左京区民になれそうにないので、もういっそのこと他の地域のことも好きになってしまおうと思う。そうすれば左京区も嫉妬して、僕の方を振り向いてくれるかもしれない。 大成氏は生粋の"のんべえ"で、酔うとすぐに踊り出してしまう愉快な人なので、これを読めば間違いなく、あなたも京都をフワフワと歩くことができる。 魅惑のシティを紹介するのが23人から24人になっても、みんなお酒案内を読んで踊っているから、気が付かないだろうとたかをくくる。 踊り疲れてぐっすり眠ると、朝の目覚

          「僕の京都案内。」〜おれもPOPEYEにあやかってみる〜

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          古都を散歩してきました

          古都を散歩してきました

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          檻の中から空を塗る、よりも

          山鉾巡行は今年も凄まじい盛り上がりを見せた。見物客で京がはち切れるかと思ったほどだ。毎年の群集で四条通そのものが広がっているのではなかろうか。このまま放っておいたらそのうち建物が立って、新たな道が誕生するやもしれぬ。その通りの名は一般募集で決められ、例えば「あんこ通」なんて甘ったるい名前が付いてみなさい。時すでに遅し。古都は甘味処に支配されてしまう。 まあ年中清流を飲んで暮らす私の知ったことではないが、きぬかけの路を歩く彼らにとってはどうであろうか。 「なんたることか、今

          檻の中から空を塗る、よりも

          じいちゃんのはなし

          「じいちゃんは思い出しとおないけえ、あきらくんたちだけで資料館行ってきんさい」 話をちゃんと聞いたのは小学生の時の1回だけ。あの朝、6歳のじいちゃんは己斐(今の西広島)におる叔父さんのところへ。 そしてピカドン。 あたり一面に人が倒れとる。焼け焦げとったり、腕とか足がもげとったりするけど、多分人。垂れ落ちた目玉を手で受け止める人、泣かんくなった赤ちゃんを抱えて叫ぶ人。地獄。 「ばあちゃんにも話してくれんのよ。本当に辛い思いをしちゃった人は話しとおないよね」 原爆資料館は

          じいちゃんのはなし

          サマーカンバス

          納涼床がオレンジ色に灯る。鴨川と空の白さは物語の終わりを告げるようで、ぼくらに向かって「青いですねえ」なんて笑っているようにも見える。これから最後のカット。夏というのはこんなにも、一瞬で過ぎ去っていくものであっただろうか。 302のCに移った。 「外が見えた方がいいでしょ」 ルミさんにそう言われて。彼女は今日もワンピースをふりふりさせている。最近入れたインナーカラーが気に入ったみたいで、心なしかぼくへの「行ってらっしゃい」にびっくりマークが付いている気がする。 「ルミさん、

          サマーカンバス

          先取り

          冬の朝の、家庭の匂いがしました。 大好きな匂いです。 あれは何の匂いなんだろう。 言葉にできないので、 「あ!わかる~」 なんて人はいないでしょう? それでもいいのです。 私だけ冬を先取りした感じがして、 少し嬉しいです。