「タイム・ウォール」山田陽志郎著 読みました


大筋としてはシンプルだ。タイムスリップして歴史に手を加えることで第二次世界大戦の開戦を回避し、その後亡くなるはずの幾多の人々の命を救うこと。開戦のキーマンとなる、とある歴史的人物に関わる計画だ。そして並行宇宙論が前提であり、新しい歴史は、別の世界線となるという。そんな無謀な作戦、計画通りに遂行出来るかどうかなんて、ドッキドキじゃん! スリル満点であっという間に読み終わった。
先の大戦があってこそ、深い反省の下に続いている現代である。作戦が成功したとして、その後の世界は一体どういう歴史を歩んだのだろう、本当にマシな世界になったのだろうか、別の世界線でももしかしたら、大戦以上に悲惨なことに、ならないとも限らないよな…。そんなことを、考えさせられた。
「SFを通して、歴史に興味を持って欲しい」というあとがきを読んでわかるとおり、筆者の思いが強く出ている物語だと思った。世界は空でつながっている。一見して関係無い歴史だって、時間で私たちとつながっている。紛争や戦争が頻発する昨今である。まさに近代の戦争の歴史を絡めたタイムスリップを題材にした、本作のようなフィクションを読むことで、じわじわと「何か」そらおそろしいものを実感するのは、私だけではないと思う。
そういえば、目眩のくだりについては理由がわからなかった。取り急ぎの感想は書いたので、検索かけてみようと思う。とても気になっている。

(九頭見さんが過去にブログでおすすめされていたようです。キンドルのキャンペーンをお知らせしてくださっていたのでゲットしてみました)

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