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美容室のマッサージが妙に痛かった話

先日、久しぶりに美容室に行ってきました。

いつものように美容師さんに髪を短くカットしてもらい、長かった髪も非常にスッキリしました。

髪を短くしてもらったことで、気分も晴れ晴れとします。

しかし、髪を洗ってもらった後で受けたマッサージは最悪でした。

一言でいうと、そのマッサージは強すぎて「痛い」のです。

マッサージをしているのは、いつも髪を切ってもらっている美容師さんではありません。

電話番や掃除など細々とした仕事を担当しているアシスタントの方です。

その方の手は大きく、人よりも固い感じがしました。

まるで金属でできているかのような硬さで、肩に触れるだけで痛さを感じてしまうほどです。

マッサージが痛いのは、おそらくその強力な手の硬さに加えて、念入りに肩のツボを押そうとするためでした。

「痛すぎるからやめてほしい」と言おうかと何度も思いましたが、大の男が美容室のマッサージごときに「痛い!」などとは口が裂けても言えません。

私は顔をしかめながらじっとマッサージが終わるのを待ちました。

ところが、そんな私の期待を裏切るようにマッサージはどんどん強く、痛くなるばかりです。

私はあやうく絶叫してしまいそうになるのをかろうじて我慢し続けました。

その後、我慢に我慢を重ねた末、マッサージは念入りに10分以上続いた後でやっと終わりました。

ダメなサービスから良いサービスについて考える

さて、ここからが本題です。

私はこのマッサージを受けた後で考えました。

「どうしてあの方はあんなに痛いマッサージをする必要があるのだろうか。」

よくよく考えてみれば、美容室というのは髪を切ってもらうところです。

だから「マッサージ」は「おまけ」的なサービスで、念入りに行う必要など全くないのです。

ましてやお客に対して身体的な苦痛を与えるのは言語道断です。

いくらそのマッサージが素晴らしいものであっても、本業から逸脱したサービスを行ってはならないのです。

しかし、私はそう考えて少しドキリとしてしまいました。

私自身今まであまり考えてきませんでしたが、もしかしたら相手が望まないような余計なサービスを提供してしまっているかもしれないのです。

人間は他人には厳しく、自分には甘くできているものです。

ついつい自分の基準だけで「よい」と思い込み、サービスを提供してしまっていることも多いのです。

例えば「接客」です。

お店でいい洋服がないか探しているときに、途中で店員さんから声をかけられることがあります。

その店員さんはおそらく「このお客は洋服探しに困っているはず。私が手助けしなくては」と思って声をかけているのだと思います。

しかし、たいていの場合、私は服探しに困っているのではなく、ただ気軽にいろいろな洋服を見てみたいだけなのです。

同じようなことは「広告」でも起こりがちです。

私のところには毎朝、必ずある商品やサービスに関するメールが送られてきます。

送っている側からすると、「もしかしたらこの広告を見て商品を買ってくれるかも」と思っているはずです。

しかし、私は商品やサービスに関する広告を中身を開けないまま捨ててしまいます。

ちらっと見かけたその商品名に対しては嫌悪感しか残りません。

こうしたことは「企業」だけなく「個人」にも当てはまります。

SNSのタイムラインには日々の出来事やその日食べたもの、ペットの写真など毎日多くの記事が掲載されます。

その中にはおそらく「これは他の人にとってもおもしろいはず。ぜひ共有しよう」と考えて投稿する人もいることでしょう。

しかし、たいていの場合、それらの情報は多くの人には見られずに膨大な情報の渦の中へ消え去ってしまいます。

自分が興味あることだからと言って、他の人も興味を持ってくれるとは限らないのです。

私は美容室での一件があってから「サービス」というものについてつくづく考えさせられました。

それまで私は「良いサービス」とは、「そのサービスの中身」のことだと信じていたのだと思います。

しかし、いくらそのサービスがよくても、相手が求めていないサービスは「害」にしかなりません。

良いサービスとは、相手をよく観察し、適切なタイミングで提供しなければならないものなのです。


ダメなサービスは相手を完全に無視することから生まれます。

相手に必要のないサービスを行っている以上、相手から求められないのは当然のことなのです。






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