左藤あさこ

過去に見た映像や読んだ本の感想ほか、ただ感じたこと・考えたこと、など。 フランスに、一…

左藤あさこ

過去に見た映像や読んだ本の感想ほか、ただ感じたこと・考えたこと、など。 フランスに、一年間交換留学。

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  • 読書感想文

    印象に残った本の、読書感想文。不定期。 中心となるテーマは、言葉と現実、言葉と身体、子どもと文学など。

最近の記事

ジェイン・オースティンの読書会

『ジェイン・オースティンの読書会』(以後、本書)は、映画から入った。 プルーディー役の、エミリー・ブラントの熱演を見て以来、 原作を読みたいと思い続けてきたが、最初にそう思ってから、数年が経った。 その後、同じくアメリカのSF作家、テッド・チャンの作品を (これまた『メッセージ』という映画で)知って、読み漁り、 彼が個人的に影響を受けたと感じる作家の一人に、 カレン・ジョイ・ファウラー(本書の著者)が、挙げられていることを 知ってなお、本書を手に取るまでには、さらに、数年か

    • チェスをする女 「開かれた」物語の方法

      ある集団を前にしたとき、 その共通点へ向かう視点と、差異へ向かう視点がある。 小説で言えば、お互いに理解できない価値観や、まったく異なる 生い立ちをもった人びとの間で生じる、大小のドラマを描いたもの、 が後者にあたるが、わたしは、この手の「開かれた」物語に、強く惹かれる。 『チェスをする女』は、ギリシャの田舎にある観光地で、 ホテルの客室係を勤めるエレニという中年女性が、ふとしたきっかけで、 チェスにのめり込むが、家族や町の人々の理解を得られず、 そのすれ違いが、いくつか

      • ピナ・バウシュ 夢の教室

        昨夜は、ざあざあ雨が降り、風が吹き荒れた。 今日は、朝から、しとしと雨が降る。 ひとまず、掃除をすませる。 どこぞから、澄んだ鐘の音が、ひとつ、ふたつ、みっつと、聞こえてくる。 わたしの好きな映画に、「ピナ・バウシュ 夢の教室」というのがある。 舞踊家、振付家の、ピナ・バウシュが振り付けた、 「コンタクトホーフ」という作品を、 ダンス経験のない若者が、市の舞台で上演する。 その過程を追った、ドキュメンタリーだ。 ピナ・バウシュは、とても革新的な振付家だった。 身体表現

        • 言葉と人

          寝坊が続いたが、 なんとか、起きることができた。 いつもより長めの、変な夢を見た。 船に乗っていたと思う。whistleblower(内部告発者)と言う単語が出てきた。 それをフランス語でなんというか、聞くのだが、 その場にいた、フランス人は誰も、知らなかった。 考えてみれば、わたしが知らないのだから、当たり前か。 代わりに、embarassementと言っていた。 寝ている頭が、必死になって弾きだした、「近似語」かもしれない。 ひとつ、ドラマを見た。台詞に、時代を感じ

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