はじめに

これは、私の母親が借地権を持っていた土地で起きたトラブルを解決した時の記録です。

同じことで悩んでいる方や、もらうべきはずの賃金や貸したお金、慰謝料などを回収できなくて悔しい、苦しい思いをしている方へ向けて、こういった方法もあったということを共有したいと思い、書いております。

個人を攻撃したり、特定して凝らしめてほしいという気持ちで書いているわけではなく、同じ悩みがある方の参考になればいいなと思って書いておりますので、事件を特定したり、場所を特定したり、こちらが訴えた相手を特定する。
関わった人たちへ接触をはかることなどは決して望んでいませんので、そのことを踏まえてお読みください。

経緯

数年前、母親が借地権を持っていた土地（現在は返納済）の賃料が３年以上未払いであることが発覚した。
普通であれば数ヶ月で異変に気がつき、貸主に連絡を取るはずだが、三年も気がつかなかったのは、入金の確認と管理していた家族が家庭のことで色々あって、すっかり忘れていたからだという。
貸主とも連絡がつかず、困っているので助けてほしいと母から相談を受けて、回収のために私が動くことになった。

弁護士に相談

家族がお世話になっている弁護士にまずは相談をした。
話している時点で少し頼りないなと思っていたが、プロなので、プロに任せるのがいいと思った。
弁護士が「遅延金をすぐに払いなさい。まずは連絡しなさい」といった内容の文面を作成し、きちんと送ったという証明になるように、内容証明の郵便で発送して、向こうからの連絡を待つことにした。
貸主はこちらからの電話なども一切無視なので、この郵便も無視だろうとあまり期待はしていなかった。すぐに結果が出ることではないので、数日待つことになった。

待っている間に関係者と話す

向こうに内容証明の郵便を発送し、反応を待っている間に貸主の情報が私には一切なかったので、貸主を母に紹介した貸主と同業者の方に相談をした。
そこでわかったことは

• 数年前までは羽振がよかったが、最近はお金に困っているようだ

• 各所でトラブルを起こして契約を打ち切られている

ということだった。
同じように賃料未払いで裁判まで行った方と話してみては。と、連絡先を教えてもらえたので、早速連絡をしてみた。

連絡先を教えてもらったA氏も貸主に土地を貸していたが、土地を汚く使うようになった。賃料が未払いになったことから、裁判を起こして立ち退かせて、未払いの賃料は分割で払ってもらったという経緯を聞いた。
裁判に関しては弁護士を立てたのか。そうであったら、弁護士を紹介してほしい（家族の紹介してくれた弁護士が頼りなく、クエスチョンがあったので）と言うと、
「全部自分でやった。その方が費用もかからないし、向こうが全面的に悪いから、絶対勝てますから、大丈夫ですよ」
と、力強いアドバイスをいただいた。
自力でそういうことができるのか。と、何か心強い意見だなと感じたことと、とってもしっかりして落ち着いた方だったので、この件で狼狽えたり大騒ぎしている自分たち家族が情けなく、もっとしっかりしなくてはと非常に反省した。お話ができて本当に良かったと思った。

貸主から連絡があった

期待をしていなかったが、貸主から弁護士に連絡があり、会って話をしたいと言っているということだった。
とりあえず弁護士と貸主が話し合うことになった。
こちらの希望は

• 土地の立ち退き

• 未払い賃料の支払い

の二点。それをきちんと法的に効果のある書面にまとめて交わしてほしいと頼んだ。

弁護士と貸主の話し合い

数日後、弁護士と貸主の話し合いが行われ、貸主はきちんと滞納分は払うから立ち退きはしたくないということだったが、こちらが折れず、

• 早急な土地の立ち退き

• 分割による賃料返済（損害遅延金として少し返済額上乗せ）

• 返済が２ヶ月以上遅れた場合にはただちに全額支払う

という旨の誓約書を貸主が法人だったので、社長を連帯保証人にして結んだ。
とりあえずはこれで一安心かなと事件が発覚してからやっと少し落ち着いた。

それから

早速最初の返済も行われ、立ち退きも速やかに終わり、これで一件落着かと思ったが、
翌月、早速振り込まれず。
翌々月は振り込まれる（返済が２ヶ月遅れたら全額支払いだからかもしれない）
翌々月は振り込まれない。
そして音信不通となりました。
弁護士にどうすればいいか相談すると
「そもそもこの件がわかった時に立ち退き料を払わないと出ていってくれないかもしれないと思った。ただですぐに立ち退いてくれただけでもよかったのに、２ヶ月も払ってもらえたなら御の字ではないか。向こうは多分、お金を持っていないから、これ以上依頼して請求しても取りっぱぐれる可能性の方が高い」
と言われました。
でも回収できたのは全体の約1/20位の金額。
ここから弁護士の相談料なども抜かれてしまう。
ばかみたいな話で、そうですかとは到底言えない。
入金確認を怠った家族にまで
「貸倒損失で計上すれば税金が少し戻ってくるから、大丈夫」
などと言われる。
「じゃあ、管理を怠ったあなたが補填しなさいよ」
と、私が怒鳴ると母親は
「もうやめて、喧嘩はしないで」
と私を止める。
（こういう時にもういいからと弱気になってしまう女性は少なくないと思う。揉め事は起こしてほしくないから黙って我慢すればいいと思ってしまうのかな。それはでも良くないと私はつい思ってしまう）
これでは逃げ徳ではないか。私は先日電話したA氏が裁判まで自力でやったことなどを伝えたが、当事者である母親は自分にはそれはできないと言われる。
とりあえず、私が代理人としてできるところまでやっても良いだろうか。と母親へ必死に提案をし、渋々納得をしてもらった。

正直なところ、回収できる見込みはあまりないのは自分でもわかっているし、日本の法律では一般人の私が取り立てることは難しいこともわかっていた。でも、納得できない。
同じ人物から自力で回収した人もいる。
それを考えたらなんとか無理だからやめなと言っている弁護士や家族をギャフンと言わせてやりたいし、本当なら母が手にするはずだったお金も回収したいし、貸主に逃げ得は許されないと強く示したかった。

ここから約一年間の回収作業がはじまりました。