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奥静の峠と上半身の脱力

先週末、静岡に二泊三日のツーリングに行って来ました。
テーマはバイクツーリングを満喫してみること。
Kriega のシートバッグを導入した際にその目的とチャレンジをエントリーにしました。
旅の友としてバイクを見直してみよう、という内容です。

初日のルートは西湘バイパスから小田原を抜けて、熱海を経由して伊豆の山中に入り、土肥・戸田の漁港を見ながら沼津~富士~焼津へ向かいます。

海あり山ありの絶景なコースで、あちこちで止まって写真を撮っていたので大幅に予定から遅れ、沼津から焼津は高速で一直線に走りました。

その後、焼津でバイク仲間と合流し静岡堪能ツアーへ。
三日間とも快晴に恵まれ、静岡の街も焼津の魚もたいへん良かったんですが、やっぱり強く印象に残っているのは「山道を走り回ったこと」になっちゃいました……。

静岡が地元のバイク仲間に連れて行ってもらった「奥静」と言われるエリアがとても良かったですね。
島田から大井川沿いを上り、井川湖から安倍川へ下るルート。
かねてから地図で見て行ってみたいと思っていました。

市内から相当奥まったエリアなので、地図頼りでは心許なく地元で先導してくれる仲間がいたことが何より心強かったです。

千頭から井川湖周辺の峠道は圧巻でした。
タイトな2車線とセンターラインのない1.5車線が交互に現れる、半径の小さなコーナーが連続するワインディング。

最大の特徴は、一旦コーナーが始まるとそれが間断なく続くこと。
一般的に距離が長い峠道は緩やかなコーナーが多く含まれます。でもここは細かいコーナーが延々と続く。
ある区間を地図上で調べてみると約20キロ続いていました。

コーナーの大きさは箱根の椿ライン(下半分)ぐらい。
椿ラインは上り下りがハッキリしているけど、ここはわりと平坦なんです。
狭くて平坦な椿ラインが20キロ続くと思えば近いかもしれない。

これは峠好きにはおもしろいですよ。
唯一心配なのは対向車ですが、その数は椿ラインとは比較になりません。
ただもう少し後だったら落ち葉が凄かったかも。

未知の峠道を延々走っていると、最初は多少強張っている上半身がだんだん脱力してきます。
慣れてくると無駄な力を入れないようになってくるんですね。
その脱力した感じがすごく良くておもしろさが加速します。

ずっと走ってるとほとんどハンドルに力を入れない、勝手にハンドルが左右に切れるような操作感になります。

ぼくが繁々と通っているパイロン練習ではこの「勝手にハンドルが切れる感じ」が最も重要なんですが、これがなかなかに難易度が高いんですよね。

脱力してる時、どこに力が入っていないのか、逆にどこなら力を入れても良いのか、どのタイミングで荷重を移すのか、きっかけはなにか、そういうことを繰り返し試して確認ができました。
まるで内容の濃い練習ができた感じ。

これは実に貴重な経験です。

  • しつこいぐらい続く小さなコーナーの連続

  • アップダウンが少なく強いブレーキやアクセルの介入がない

  • バイク仲間の先導が実に適切な速度だった

こういう要素が重なって体験できたんだと思ってます。
本当にありがたい話です。

上半身の脱力はバイクの基本だと言われます。
でもそれが案外難しくて、それだけに集中して走れる機会なんてそうそうないですよね。

今回は脱力の条件が見えたことが最大の収穫です。
この感覚が新鮮なうちにパイロン練習に行きたいところ。しかしMCC練習会は冬休みに入りました。
仕方がないので浮島で一人黙々と練習に打ち込むつもりです。

いろいろと楽しかった静岡ツーリングですが、奥静の峠道があまりに強烈に印象に残り、当初のバイクツーリングを見直すというテーマは若干置き去りにされてしまった感があります。

でも思うんですよね、バイクに乗る理由なんて人それぞれだよなって。
やっぱりぼくにとってバイクはスポーツの道具なのかなあ……


静岡らしいダイナミックな刺盛りでした

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