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トライデント660(私的レビュー)

日々の相棒であるトライアンフ・トライデント660。
10ヶ月あまりで7300km乗りました。

例年は乗らない真冬の間もずっと通勤の足として活躍してくれた頼もしいやつです。
メインイベントのパイロン練習会も4~5回行ってるし、個人的な視点ですが感想など書き残しておこうかと。

まず、めちゃくちゃ好きな点3つ。

シフトアシスト(A+)
他メーカーで言うクイックシフターですね。
オプションですがこれはトライデントの必須装備だと思ってます。
動きのスムーズさが圧倒的にいいです。吸い込まれるようにシフトアップする。キモチイイ。
回転合わせも優秀で、コーナー途中の嫌らしいタイミングでも信用できます。

極低速トルク(A+)
1速・2速で走り回るパイロンスラロームの低速ターンで「エンストする気がしない」ほど下からトルクが出てます。
しかもその速度からスムーズに強く長く加速できる。
トルクとスムーズさの両立は3気筒ならではなんだと思います。

ギア比(A+)
ショートなギア比で峠がとてもおもしろい。回転キープで走りやすい。
シフトアシストと相まって小気味良くシフトするステージでは無駄なシフトチェンジがしたくなるほど楽しい。
軽くてコンパクトな車格とよく合ってると思います。

かなりいい点4つ。

シート(A)
素早い体重移動でもしっかり荷重できるデザインは秀逸。
そして長時間乗ってもお尻が痛くならない。だらだらと400キロ走って痛くなる予感すらしなかった。

軽さ(A)
カタログ重量は180キロあまりですが、走り出すとその印象は160キロだと言っても過言じゃない。
ステップに乗った状態での重量配分が秀逸なんだと思います。
積極的に動かせば素直に従うのが美点。
このバイクはどっかり殿様乗りすると何がいいのかわからないかも知れませんね。

音(A)
いわゆるトリプルの音で、好みの問題ですがぼくはアイドリング近くの低く深い音が特に気に入ってます。
中高速で小気味よく連続してシフトアシストでギアを上げていくと、まるでF-1マシンのシフトアップのような「ビュゥゥゥゥ…バッ!ビュゥゥゥゥ…バッ!」という音になります。これは他ではあまり聞かない音ですね。

デザイン(B+)
超3Dな造形で気に入ってます。
どこにも直線がないデザインは練度が高い。見る角度によって極端にタンクの形が変わるのは製造泣かせだと思います。
このデザインを金属でやるのは難しいのでタンクは樹脂製のカウルです。
なかなか愛嬌もあって飽きないデザインです。

ダメだと思う嫌いな点2つ。

ABS
リアのABSの介入が早すぎる。ABSが効くと狙ったラインを外してしまう。
KTMは設定でリアだけキャンセルすることが可能。
エントリー層向けのバイクでもあるのでABSは必須、でも設定でリアはOFFに出来るようにして欲しいところ。

ブレーキペダル
使い勝手は問題ないけど造形が変ですね。
ブレーキペダルだけ他のバイクから取ってきたかの如くデザインのバランスがおかしい。
リアショックも機能に文句はないが見た目がよろしくない。めっちゃ銀色。

総評として一言で表現すると「よく動くバイク」です。

トライデントは日本の免許区分でこそ大型ですが、軽くて小さいので400だと思って乗るといろいろ腑に落ちると思います。
教習でおなじみのCB400SFより全長もホイールベースも短いし、車重は10kg以上軽いのです。

他の大型車と比較すると動きすぎて落ち着きがないし、高速道路の優位性(余裕)もあまり感じられません。
その代わり街中や峠道では評価が真逆になると思います。

ぼくは勝手に80馬力(64Nm)の400だと思って乗っています。
トルクはさすがに660のそれなので、かなり速い400ですよ 笑。

ぼく自身、滅多にロングツーリングしないしあまりカスタムにも興味がない。
重視してるのは操縦性とキビキビさだけと言うちょっと極端な使い方です。
だから一般的な評価からはちょっと離れてるかも知れません。


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