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『ちょこっと京都に住んでみた』 金継ぎ屋のご主人の格言

テレ東でやっていた『ちょこっと京都に住んでみた』の中に出てきた、木村文乃さん扮する仕事を辞めて人生に迷ってる女性・佳奈と、金継ぎ屋のご主人との会話が、ずーーんときたので、ここに書き残しておこうと思う。

(ネタバレするので、気をつけてね)


佳奈「自分が好きなものでお店をやられているんですよね?」

ご主人「そうですね。やっぱり自分が一番長く店にいるんで、店のものが気分がいい…自分の好きなものじゃないと何か楽しくないですよね」

佳奈私、好きにならなきゃいけないんだと思っていました。仕事って

ご主人「ああ…いやまあ、そうですかね。まあ僕も…仕事なんでね、色々考えることはあるんですけど。まあ仕事が嫌にならないようには努力して、好きでいようとは思ってますけど。はい」

***

仕事って、嫌いとか、やりたくないとか、辛いとか、そういうネガティブな気持ちや考えがベースにあって、仕方なくやるものというまさに苦役的なイメージがあって、主人公の佳奈もそう思っている一人で。
金継ぎ屋のご主人が「好き」という気持ちをベースにして仕事をしている姿勢や店づくりに感銘を受けるシーン。

私自身も「好き」で始めた仕事をいつの間にか「嫌になってしまう」ことが時々あって、「嫌にならないようにする努力」という部分にハッとした。
当たり前だけど、すごい気づきをもらってしまったと。
好きな気持ちをキープするために、嫌にならないようにする努力を怠っていたな、と。
もちろんずっと大きな熱量を持って夢中でいつづけられる人はいいんだけど、ほとんどの人は努力しないと気持ちが色褪せてしまうと思うので。

どうすれば好きで居続けられるか。
じっくりと考えてみようと思った。

***

大叔父(近藤正臣さん、めちゃ渋い!好き!)が佳奈に投げかけた言葉の数々も印象的で。

京都の美味しい和菓子のお店を教えて欲しい、とねだる佳奈に対して、「スマホに頼らず、人に頼らず、自分の嗅覚を信じて探しなさい。お前には好きなものを探す自由があるんだから」という趣旨の話をする。

これによって佳奈は自分の嗅覚を信じて次々と美味しいお店を発見し、その味を堪能する。
好きな本を読み、好きな時間を過ごす。
自由を堪能するのだ。

そしてついに、気に入った自分用の椅子を見つけ、購入し、大叔父宅に持ち帰る。
大叔父が用意してくれた脚がガタガタの不安定な椅子ではなく、お気に入りのどしっと安定した素敵な椅子を食卓に据える。

社会にも実家にも自分の居場所がないと嘆く佳奈に対して、大叔父は「食卓の椅子」を指差しながら言う。
「あそこにお前の居場所があるやないか」と。

ずっと「居場所」を探している私は涙が。。。。
佳奈と自分を重ね合わせて。そして厳しくも温かい大叔父の言葉に胸がいっぱいになって。

「居場所」も「仕事」も「人生」も、
誰かが用意してくれるものじゃない。自分で探して見つけ出すものだ。
誰かが用意してくれた自分に合っていないものに窮屈さを感じたり、違和感を感じながら過ごしたらダメだ。
お前の好きなものを、自分に合ったものを探す自由がある。
自由に探していい。
自由を堪能した先に自分にぴったりの「椅子」を探し出せたように、きっと「居場所」も「仕事」も「人生」も自分にぴったりのものが見つかるよ。
きっとお前ならできるよ。

大叔父さんがそう言ってくれているような気がした。

#エッセイ #コラム #ドラマ #人生 #居場所 #仕事 #コンテンツ会議

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