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パン作りとオキシトシン

 オキシトシンという言葉を聞いたことがありますか?
オキシトシンというのは、脳内の「視床下部」で生成され「下垂体後葉」から分泌されるホルモンです。出産時の子宮収縮・分娩(ぶんべん)促進や痛みの緩和の作用で知られています。そう聞くと、女性だけが関係すると思いがちですが、そうではありません。男性にも関係しています。

 オキシトシンは神経伝達物質としても働き、ストレス軽減や記憶力向上といった効果を発揮することも、近年の研究でわかってきました。「愛情ホルモン」「ハッピーホルモン」とも呼ばれて、幸せ感をより感じやすくなったり、優しい気持ちになったり、人を信頼しやすくなったりするということもわかっています。

それではオキシトシンはどのような時に出るのでしょうか。
 ペットや動物の様子を見ることや動画を観ることでもオキシトシンが出ることがわかっています。犬や猫の動画が人気なのも肯けますね。

 さらに、オキシトシンは肌への優しい刺激によって発出されることがわかっています。例えば、赤ちゃんを抱っこする、ハグする、ペットを抱きしめる、マッサージする(される)などです。

 また柔らかいものにさわるだけでも有効だと言われています。ぬいぐるみや肌触りのいいものを触るだけでも、オキシトシンが出るのです。前回の記事でアカゲザルが柔らかい毛布の人形を好んだのは、こういう理由があるのかもしれません。

 柔らかい感触というと、赤ちゃんのほっぺのような感触と言われるパン生地はどうでしょうか? 残念ながら、今のところ誰もパン生地を触ることでオキシトシンが出るかどうかの実験をした人がいないのです。ので、実証はされていませんが、柔らかいものを触るとオキシトシンが出る。という研究や、アンケートやインタビューなどで「柔らかいパン生地の感触に癒される」という方が多いことから、パン生地を触るとオキシトシンが出ている可能性は高いと言えるでしょう。精神科医の樺沢紫苑先生にこの話をしたところ、それは十分にあり得る話だと、お話されていました。

また、植物やペットを育てるということでもオキシトシンが出ると言われいます。何かを養育するということが、オキシトシンを発出させるのだそうです。パン生地が発酵して育つ様子を見て、「可愛い!」「癒される〜!」という方が多いので、やはりここでもオキシトシンは出ているようです。

 人と食事をする。面白いことに人と一緒に食事をしたり、会話を楽しむことも、オキシトシンを出す効果があると言われています。このところコロナでおしゃべりしながら食事をすることが少なくなってしまっているのは、オキシトシンを出す機会が減ってしまっているということなのかもしれませんね。


柔らかい生地を育てて、癒されてみませんか?
happyDELIの名前の由来は、happyをお届けすること。特に今はパン作りで、皆さんにhappyをお届けしたいと思います。
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