野分七海

深夜0時を知らせる時計の音とともに、ある女の千一夜物語が語られます。 映画や音楽で綴ら…

野分七海

深夜0時を知らせる時計の音とともに、ある女の千一夜物語が語られます。 映画や音楽で綴られるいろいろな物語から、その女の正体が炙り絵のように透かして見えてきます。 いろんな女の顔が見え隠れする夜のガスパール。

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    日々の時事ニュースや出来事から頭に浮かんだエッセイ日記。

  • 深夜のガスパール「Aの千一夜物語」

    夜のとばりが深くなると、思いだす映画の数々。 映画の筋もさることながら、その映画と出会ったころの私が炙り絵のように滲んでくる、そんな夜更け。 これは、’60年代から現在までの半世紀のAの深夜のガスパール。

最近の記事

光速で、ドラスティックに、根本がひっくり変わっていくこれから

あの時から、いきなり壁が崩れ始めたいったい全体、それはいつからだったのか? ここ半年でも、これだけのことが起きた。 ダイハツ不正認証申請、自民党の派閥パーティー券売上金のキックバックで裏金作り、エネオス会長のセクハラによる辞任報道、宝塚団員の自殺で発覚したハラスメントと虐待、日大アメフト部の薬物汚染、ジャニーズの数百人レベルの少年へのセクハラ… それらに共通していることは、どれもが誰もが知っている有名な企業や団体、有名だけでない、彼らやその団体の輝かしい記憶を国民誰もが覚

    • もう夢日記は書けない

      <これは3年前の日記帳からの転載です> 前ページから、26年経っている。 さっき、娘から「ママの日記はいつも3日で終わってる、ノートがもったいない」と言われて、どれどれと手渡されたノートを開いてみたら、中味がちょっとおかしくて、よくよく読んでみたら当初は「夢日記」を書こうとしていたらしいのだ。 若い時は、よーく夢をみていたからな。今はほとんど見ないのか、忘れているのか。 目覚めてから、内容を思い出せる夢はあまりない。だからーーー それは手術の際の全身麻酔に似ている。

      • ボルシチもピロシキも元はロシア料理ではなかった

        ウクライナ侵攻から1年 あれっ、ボルシチってロシアの伝統料理じゃないんだ? 子どもの頃、私は頻繁に夜外食をする家に育った。 ロシア料理も母のお気に入りのひとつで、よく食べに行った。 東京お茶の水の明治大学そばのサラファンという店、今はオーナーが変わったようだが、昔はロシア人のおばあちゃんがやっていた。 母が言うには、そのおばあちゃんは「革命前のロシアの貴族出身だそうで、革命があって貴族は皆殺しになるところを日本へ亡命して来た」のだそうだ。 何度か母から聞かされてい

        • 「女が男を変えていく」新たな「純愛」現象の予感

          単なるSM官能小説映画かと思いきや・・・ とにかくサントラが、とてつもなくイイ! 50カ国以上で翻訳されて、累計1億部を突破した大ヒット官能小説の映画化が7/2にレンタルがスタートしたので、家族がいない日中に静かにiTunesで鑑賞。 実は前から、音楽を通じてこの映画を「なんだこりゃ?」レベルで知っていました。 普段、いろんなジャンルの音楽を聴いているのですが、気の滅入るときや”不遇をかこって”いるときなど、強い意志を感じる女性ボーカルでガツンと気合を入れるようにしていて

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          第二夜 真冬の日本海が好きなA子

          訳あって暫く休止していたが、年の終わりが近づいて冬の夜にふさわしい名作を久しぶりに見直し、やはり何かしら書いておくことにしようという気にさせてくれた「駅 ステーション」について。 観たといっても、スマホの小さな画面なのだが、名作になればなるほど、画面サイズなど気にならないもの。 しかし、冬になるとなぜかしらこの映画が観たくなり、同時に八代亜紀の「舟唄」が聞きたくなる。 そして熱燗と湯豆腐が恋しくなるという、いつものオヤジパターンなのだが、それにして冬になると決まって日本海

          第二夜 真冬の日本海が好きなA子

          深夜のガスパール Aについて

          千一夜物語はご存知ですよね? イスラム世界での逸話集、ペルシャ王に毎晩妻が語るお話集という形式ですが、その王、妻の不貞を知ってから、妻の首をはね浮気相手を獄門首にさらしてからも部下も友人も信じられない最悪状態。次々と後妻はもらうが、信用なぞできない。条件はただ1つ、面白い寝物話を聞かせること。少しでも面白くなかったら即座に首をはねるというから絶体絶命的な究極のお話がわんさか。 筆者Aは一晩に1つの映画の話を通じて、自分の過去を1つづつ告白していきます。 ここでお話していく

          深夜のガスパール Aについて

          第一夜 Mを思い出す夜

          なぜこの映画が第一夜にきたのか、自分でもわからない。 時々思いだしては、この映画の基調ともなっているstingの「Angel eyes」がたまらなく聴きたくなるのが常だ。 多分、ほとんどが夜のシーンが印象的なので、夜中のガスパールというとこの映画を思い出すのだろう。 アル中と娼婦の救いようのない話だ。 ベガスのけばけばしいネオンの街を居場所を求めるニコラス・ケイジとエリザベス・シュー演じる人生から転落したふたり。 劇場公開を観たのは、30代の後半に差しかかったころ。 私は

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