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ふとしたことで心が走り出す ~第35話 パラグライダーで墜落 そして入院~

墜落してから2ヶ月と15日程が経った日の出来事です。

入院をしてから「ふとしたこと」をきっかけとして色んなことが起きることが増えました。その内容は様々ですが、今の自分の現実を突きつけられたり、心の奥底に秘めていたはずの思いが急に溢れ出てきてしまったりと、多くの場合は涙してしまうようなことがおおいですね。

この日も「ふとしたこと」がきっかけで感情が走ってしまいました。
夕方頃のことです。お手洗いから戻るとき、夕日がすごくきれいなのが廊下の先の大きな窓から見えたんです。思わず窓の方へ。
美しい空。景気。こういうものを今は特に美しく感じてしまいます。
そんなときに、数十羽の鳥が向こうの方からこっちへ飛んできたんです。鳥たちは迷いなく一直線に自分の頭上を通過して窓からは見えない方へと飛んで行きました。

その鳥たちの姿をあるシーンと重ねてしまいました。。。
パラグライダーのレース中、次のターンポイントへ向かって一直線に飛んでいく数十機のパラグライダーと重ねてしまったんです。

そして頭は次のことを連想していってしまいます。
この前あった、自分も出場したいと思っていた韓国でのワールドカップ。良いコンディションに恵まれてすごく楽しそうだったJ2白馬。どちらも自分も出場する予定だった大会です。

「自分も出たかったな。 思いっきり飛びたかったな。」

あまり考えないようにしていた思いが、一直線に飛んでいく鳥の姿からどんどんと連想されていきました。心の奥底にしまっていた思いが、またふとしたことがきっかけで思わず感情が爆発してしまったわけです。

墜落して2ヶ月半。
大きな怪我をして体がまだまだリハビリが必要なように、心もまだかなり傷ついているんでしょうね。変に頭のなかで思いがぐるぐるまわって落ち込むことは減ってきたけど、心もまだまだリハビリが必要なんでしょう。
まだしばらくは、こういったふとしたことが頭の中で自分の大切な何かとリンクしてしまい、感情が爆発していくんだろうな。。。。

それはもうしょうがない。
そういった感情はありのままに流して、受け止めるしかない。
そして今できることを頑張っていくしかない。

この日は前の日と比べて、びっくりするくらいスムーズに階段を降りれたんです。もちろんまだ手すりを掴まきゃいけませんが、確実に進歩している。

そういう一つ一つのことを大切に、前に進んでいくしかない。
きっとその先には明るい未来が待っている。
また思いっきり飛べる日が来るんだ。そうと信じてる。

ちょっとずつでも、進んでいくしかない、入院生活はまだまだ続く。


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