定期テストについて

「定期テスト」について


前回、中学校と小学校との違いは定期的にテストがあることだとお話ししました。

中学では、このテスト結果で成績が左右されるため、定期テスト1週間くらい前には「テスト対策期間」ということで、部活動もお休みになる学校もあります。このことからも、中学では小学校と違って定期テストに重きを置いていることがわかりますね。

さて、ここでみなさんに知っておいてほしいことは、テスト対策期間の1週間だけ集中的に勉強するようなスタイルでは、「本物の実力」は身につかないということです。

日々コツコツと勉強を進める習慣があって、はじめて「本物の実力」は身についていきます。

このことを知らずに、中学生活をスタートさせてしまうお子さんがとても多いので、でき太くんの算数クラブの会員のみなさんには、このことをしっかり知っておいてほしいと思います。

私たちでき太くんの算数クラブでは、これまでたくさんの中学生の学習指導をさせていただきましたが、そこでよく目にするのは、中学になると部活動や学校行事の忙しさなどもあって、日常からコツコツと勉強を進めるサイクルを作ることができずに困っているケースが多いということです。

つまり、「本物の実力」を身につけるサイクルを作ることができずにいるということです。

日々コツコツと勉強を進めていくサイクルができていないと、定期テスト1〜2週間くらい前くらいから、だんだん不安になってきます。

なぜ不安になるのかといえば、私たちは、自分のことは自分が一番よくわかっているからです。普段忙しさを理由にあまり勉強をしてこなかったことを、自分が一番わかっているです。
だから、テスト前に不安になったり、急に焦りだすのです。

不安や焦りがあると、その気持ちを解消するために、多くの人は急に勉強を始めます。テスト1週間くらい前から急に勉強を始めるのです。

お子さんによっては、睡眠時間を削って、5時間、6時間と勉強をするケースもあるようです。

残念なことに、このような焦りや不安で勉強した内容や、1週間前に急に勉強した内容というのは、記憶として保持しておける時間が短く、テストが終わるとどんどん忘れていきます。テストが終わって1週間もすれば、勉強した内容の多くは記憶からこぼれ落ちています。

多くの中学生は、このような1週間もすればみんな忘れてしまうようなことを、中間、期末テストのたびにくり返すのです。

中1、中2、中3と学年があがっても、このようなザルで水をすくうような勉強を繰り返すのです。こういう勉強では「本物の実力」は身につきません。
こういう勉強をしてきたお子さんは、直前の「その場しのぎの勉強」が通じない高校受験では、定期テスト以上に不安になるのです。


では、「本物の実力」を身につけ、定期テストで良い結果を得るためには、どうしたら良いのでしょうか。

それは、とても簡単なことです。

数学においては、日々コツコツと勉強を進めていくことです。
そして、前回アドバイスしたように、「学習の質」をしっかり維持していくことです。

日々の勉強の中で、ミスしたこと、わかるまでに時間がかかったような問題はチャレンジノートで徹底して復習しておくことです。
そうすれば、テスト前に不安になることも、焦ることもありません。
質の高い勉強をしていれば、「いつテストされても良い状態」になっているからです。

「いつテストされても良い状態」にすることを常に目標にしていれば、しっかり「本物の実力」が身についてきます。

当算数クラブで、上述したような勉強をしているお子さんは、定期テストの前は数学の勉強はほとんどしていません。その時間を他教科の勉強の時間にあてたりしています。

勉強するとしても、チャレンジノートの問題を復習するくらいです。それでいて、テストでは学年でもトップレベルを維持しています。

「本物の実力」が身についていれば、テスト前に焦って勉強をする必要はないのです。

読みたい本を我慢してテスト前に勉強をする必要もありません。
観たい映画を我慢してテスト前に勉強をする必要もないのです。

「本物の実力」が身についていれば、本来は部活動も休みにする必要はなく、普段通りの学校生活ができるのです。


そう考えると、私たち大人の多くは少し矛盾したことをしているかもしれません。この点は反省し、変えていかなければいけないと思っています。

何が矛盾しているのかといえば、普段からしっかり勉強していれば、「本物の実力」が身についているはずですから、テスト1週間前に勉強をする時間を確保するために、部活動を休みにする必要はないはずです。

塾などでも普段から授業や学習指導をしっかりしているのですから、定期テスト前に改めて「テスト対策」などする必要もないはずです。

テスト前になって急にあせって勉強をする子どもを見たら、「よくがんばっているね!」と賞賛するのではなく、「そんなその場しのぎの勉強では本物の実力は身につかないんだよ」と、本来私たち大人は忠告をすべきなのだと思います。

でき太くんの算数クラブの会員のみなさんには、「いつテストされても良い状態」にすることを目標に、これから勉強を進めていっていただきたいと思います。そうすれば、中学3年間を自由に過ごし、部活動も満喫し、勉強面では不安や焦りを感じることなく過ごしていくことができますからね。

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