至誠学園

きらきらと輝く子どもたちを育てるために。

昨年度からでき太くんの算数クラブでは、東京の児童養護施設「至誠大地の家」の子どもたちへの学習支援をスタートしました。

児童養護施設のお子さんたちの中には、様々な問題の影響を受け、施設に来るまで安心して学習できる環境が家庭に整っていないケースが数多く見られます。

そのため、学習面では取りこぼしなどがあって、学校の授業がよくわからないというお子さんが多くいます。

具体的には、小学3年生でかけ算九九を暗唱できていないとか、小学2年生で指を使いながら1ケタのたし算、ひき算の計算をしているという例があります。

このように現学年の内容に取りこぼしがあると、多くの大人は「この子は能力的に問題があるのではないか」と考えがちです。

日本の教育制度では、「小学3年生は、ここからここまで学習する」というように、各学年で学習内容が決められています。そのため私たち大人は、その基準をしっかりクリアーできていれば「勉強ができる子」、クリアーできていなけれは「勉強ができない子」という色メガネで、子どもたちの学力を判断しがちです。

しかし、こういう考え方は本当に正しいものでしょうか。

子どもの顔が10人いれば、10人とも顔が違うように、子どもの成長のステップや環境は様々です。

その意味では、小学3年生でかけ算九九が暗唱できていなくても、小学2年生で指を使って計算をしていたとしても、本来これはダメなことでも、勉強ができないということでもないと思います。

たまたま小学3年生の時点で、「九九が暗唱できていない」という事実がそこにあるだけです。この事実だけで、その子が「勉強ができる子」とか、「勉強ができない子」と判断することはできないと思います。

その証拠に、私は「自分のスタートライン」から学習を継続した子どもたちが、どんどん「勉強ができる子」になっていく様子を、これまでたくさん見てきました。

「自分のスタートライン」(自分がわからないところ)から学習していけば、本来どの子も「勉強ができる子」になれるのです。

かくいう私自身も、かつては「色メガネ」で子どもたちを見ていたひとりでした。

しかし私は、「勉強ができない子」と思われていたお子さんたちが、「自分のスタートライン」から学習をしていくことで、どんどん「勉強ができる子」へと変身していく姿をたくさん見てきました。この経験によって、私は自分がもっていた「色メガネ」や固定観を捨てることができたように思います。

至誠大地の家の子どもたちの中には、以前は指を使っていたり、九九が暗唱できませんでしたが、「自分のスタートライン」から学習を進め、グングン成長しました。どんな環境で育っていたとしても、皆、必ず「勉強ができる子」になれると、私は確信しております。

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