【ADHD大国アメリカ つくられた流行病】読みました
どうも、アキオです。
半年ぐらい前の話なのですが、題目にあるとおりの本を読んだので、勝手ながら感想をここに陳述いたします。
結論から申しますと、ADHDが如何にして生まれ、そしてどのようにアメリカに波を起こしたのかわかる良書でした。私は、学校の朝読書の時間は本を読んでるフリして空想に耽っていたような子どもで、読書はかなり苦手なのですが、面白くて全部読んじゃいました。
私は近々ADHDに関する論文を書くつもりなので、なんとかして本書をイントロにねじ込みたいですね。掴みみたいな感じで
以降より、本格的に本書の内容に触れるのでまずは目次含めた概要をAmazonさんから引用しておきます。
「流行病」ADHD
まずタイトルに「流行病」とありますが、そもそもADHDは病気ではありません。これは著者が誤った知識を持っているのではなく、「流行病」という表現を用いることで、著者はADHDの診断がいかに社会的、文化的な現象として広がっているかを指摘し,ADHD診断が急増している背景にある諸要因に焦点を当てるためのものです。著者らは、この「流行」がどのようにして医療界、教育界、そして製薬業界の間で推進され、広まっていったのかを探求しています。
ADHDの主な特徴は、注意力の欠如、衝動性です。これらの特徴は、個人の能力や努力の欠如ではなく、脳の働き方の違いに起因しています。たとえば、ADHDの人は、注意を集中するのが難しかったり、衝動的な行動を取りやすかったりしますが、これは「怠けている」わけではなく、脳の特定の機能が異なるためです。
ADHDは精神疾患や「病」とは違い、実際には神経発達障害の一種です。これは、先天的に脳の特定の部分の発達が異なることによって生じる状態であり、「病」ではありません。
そんなADHDがなぜ「流行った」のか?それは当時の教育システムと大きく関係しています。
教育システムとの関わり
この本では、教育システムがADHD診断の増加にどのように寄与しているかも深掘りされています。学校での成績や行動の問題が、子どもたちをADHD診断へと導くケースが少なくありません。しかし、この過程で、子どもたちの行動や学習スタイルの多様性が見過ごされがちです。著者は、すべての子どもが同じ方法で学ぶわけではないこと、そして多動性や注意力の問題が必ずしも医学的な介入を要するわけではないことを強調しています。この視点は、教育者や保護者が子どもたちの個別のニーズに応じた支援を提供する重要性を浮き彫りにします。
社会的スティグマとの戦い
ADHDに対する社会的スティグマも、この書籍で取り上げられる重要なテーマです。ADHD診断を受けた子どもたちは、しばしば「問題児」と見なされがちであり、これが彼らの自尊心や社会的関係に悪影響を及ぼすことがあります。著者は、ADHDの人々が直面する偏見や誤解を明らかにし、より包括的で理解ある社会を築くための道を探っています。
結論
全体を通して、この本は、ADHDと呼ばれる状態、それが個人に与える影響、そして社会がこの問題にどのように対応しているかについて、深い洞察を提供します。著者は、ADHDの診断と治療が直面する複雑な問題を浮き彫りにし、読者に対して、この問題に対するより理解あるアプローチを考えるよう促しています。ADHDの子どもたちが直面する課題、教育システムとの関わり、社会的スティグマへの対処方法についての議論は、この問題に関心を持つすべての人にとって有益な洞察を提供します。
いかがでしたでしょうか。教育者、保護者、医療専門家、そしてADHDに関心を持つ一般の読者まで、幅広い層にとって有益な情報と洞察が詰まっています。少しでもADHDに関心のある方にはこの本をつよくおすすめします。
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