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【第4話】こんな日が来るとは思わなかった・・・

こんにちは、堀北晃生です。

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「私は芸能人や政治家が投資しているヘッジファンドに特別枠で投資している」

「資産は毎月増えている、これで一生安泰!」

そんな気持ちでいっぱいになりました。

私はD社長を大好きになり、大切な友達や先輩にも紹介するようにしました。

D社長を紹介した友人・知人からも感謝され、入ってきた配当で、買いたいものを買ったり、好きなところへ旅行をしたりと楽しみました。

今までの苦しかった人生も、ようやく終わり、「幸せ」いっぱいの生活をこれからも送ることができる。

「幸せってお金で買えるんだ」と、思っていました。

ある事が起きるまでは・・・。

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ある日、ランチを食べ終わった頃。

私の携帯電話に一本の電話がなりました。

まさか、それがその後の人生を狂わせるものになるとは、一ミリも感じていませんでした。

それは・・・、

幼馴染の友人からの電話でした。

着信番号に表示された友人の名前を確認すると、いつもどおりの気軽な感じで軽いジョークを交わしました。

しかし、電話の向こうで話す友人はいつもと様子が違う。

そこで、何があったのか聞いてみると・・・、

「実はD社長の投資会社にお願いしてる配当金が今月入っていないみたいんだけど」

というものでした。

自分にとって最も大切な親友にも、このヘッジファンドのことは紹介していました。

そして、新規公開株ファンドでもある程度の結果を出しており、積極的に追加していました。

そんな彼から、「予定日に配当がない」という言葉を聞いて信じられませんでした。

「何かの間違いじゃないかない?」

「もう少し待ってみない?」

ということになりました。

私は、完全に資産運用会社のD社長を神のように信じ切っていました。

まさかその会社が配当が遅れるということは、「あり得ないだろう」と。

しかし、1週間たっても10日間たっても、15日間たっても連絡がありません。

私が配当を受け取る日に、インターネットバンキングにログインして入金を確認してみました。

すると、自分にも配当が入る日に入金されていないことがわかりました。

この瞬間、心臓に矢が刺さったかのような衝撃を感じました。

悩んだ挙げ句、一緒に投資をしている先輩と共に、そのD社長の会社に訪問することにしました。

するとそこには、信じられない光景があったのです。

そのD社長の会社のオフィスには、部屋に鍵がかかっておらず、中は空っぽの状態でした。

高級ソファーやパソコンのディスプレイは床に転げ落ち、明らかに正常ではない何かがここで行われていたように感じました。

そうです。

実はその資産運用会社は詐欺であり、すべての資産を持って逃げてしまったのです。

とても信じられず、胃のムカムカが止まらずその場で倒れ込んでしましました。

数日後、このD社長の資産運用会社はテレビのニュース番組にも報道されることとなりました。

「尊敬していたD社長が投資の詐欺だった・・・。」

現実として受け入れることができず、呆然とし言葉が出てきませんでした。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

そこからは連日、地獄のような電話がなりました。

良かれと思って紹介した友人・知人からは、怒り狂った電話が鳴り続けました。

配当が入っていた時は、僕のことを大切な人として扱ってくれていたのに・・・。

しかし、この事件があってからはあたかも共犯者のような目で見られ、そして去っていきました。

大切な友人、知人、先輩や恩人。

人が喜んでくれると思って紹介したのが、逆に多大なる迷惑をかけてしまった。。

この責任の重さに苦しみ毎日のように涙を流しながら過ごしていました。

食事は全く喉を通らず、人と会うこともできず。

外に一歩も出ることができず、結局そのまま入院することとなりました。

・自分にはお金がない

・友人からの信用もない

・誰も助けてくれない

・食事ができずまともな生活もできない

・仕事もない

こんな状態から未来をイメージするなんて、とても無理というものでした。

苦しみの絶頂に達したときにに、

「死んだほうが楽ではないか?」

と頭をよぎることがありました。

もしここで死んでしまったら、両親は葬式でどんな言葉をかけるのか?

絶縁状態だった父親は、どんなふうに思うのだろうか?

いつも心配していた母親は、どんな悲しみの言葉を発するのだろうか?

心の奥底に何かが引っかかった状態で、ここでお別れになるのは、あまりにも早すぎる。

「でも、どうすればいいのか?」

椅子に座っていても胸が押し潰れそうになり、倒れ込んでしまうようになりました。

食事は喉が通らず、枯れた葉っぱのような体つきになってしまいました。

生気を失ったその顔は敗北者そのもの。

私は、このことがきっかけで、全身の震えが止まらないという原因不明の症状が出てきました。

お金も信用も健康を失った自分に、生きる資格はあるのか?

楽になれるのなら、楽になりたいと脳裏に浮かんでは消えました。

眠れない日々が続きました。

朝方一瞬だけ浅い眠りにつくことがあります。

その時決まって、同じような夢を見ました。

浅い眠りに入ると遠くのほうで、幼少の頃にかわいがってくれたひいおばあちゃんの姿が浮かびました。

そのひいおばあちゃんは何かを語りかけているようですが、それが何か全くわかりません。

そんな中、目を覚ますと、携帯電話が鳴り響いていました。

「お支払いが確認できていません」

「返済日が過ぎています」

「このままの状態が続くと・・・」

生き地獄そのものでした。

「いつまでこの生活が続くのか?」

生気を失い生きているのか、死んでいるのかもよくわからない私の前にあるものがありました。

七夕のツリー。

脇には短冊があり、子どもたちが未来の夢を書いていました。

幼少の頃、夢いっぱいのことを書いたことがあることを思い出しました。

何でもいいので、すがりたかった私は、その短冊に一行書きました。

「人間らしい生活ができますように」

贅沢はなくていい。

せめて普通の人間らしい生活がしたい。

これが当時の願いでした。。

私はもうできることはありませんでした。

しかし、最後にひとつだけ、あることをやってみようと決意しました。

それがダメなら諦めがつく。

寂しさを超えて、孤独の頂点に達すると涙すら出てこなくなる自分がいました。

「こんな日が来るとは思わなかった・・・」

しかし、この「最後にひとつだけ」を行ったことで私の人生は大きく変わりました。

地獄の中に一本の糸がありました。

飛ぶ鳥を落とす勢いの絶好調人間が、廃人のような負け犬になった私は、このあとどうなったのか?

自分では想像もしていないような奇跡が始まったのです・・・。

続く。

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次回予告
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どん底の中に奇跡がある。

私は昔、ある先生からもらった言葉を思い出し実践しました。

それが私の人生を180度変化させたのです。

追伸:ジェットコースターのような人生を笑い飛ばしてください。

無知な人間がお金を持つと、こうなるというテンプレートのようなものです。

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投資コンサルタント堀北晃生(ほりきたあきお)。群集心理学と金融工学を組み合わせた独自の投資メソッド「堀北式株価デトックス理論」の考案者。作家、コミュニティ、通信講座を通じて次世代の投資家を増やして社会貢献を目指す活動を行っています。