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松島炭鉱

今年3月に訪問した長崎松島。

島の各所にある説明板。
松島炭鉱発祥の地との事ですが、面影はありません。

震洋特攻隊松島基地。
どうやら基地としては未整備だったようですね。


因みにTwitterにちょこちょこ先立って投稿しているので、そのリンクも貼っておきます。
・松島火力発電所
・猫さんとらくだ島と港
・離島を歩く
・日本一小さな公園
・冒険心擽る離島の石段
・島の港を見守る鳥居

島を歩いていたら謎の建造物が・・・
内部も見たかったのですが、靴履き替えるの忘れて岩場を歩くのは困難過ぎたので近寄るのは断念。
(iPhoneで撮った写真をTweetしたツリーも貼っておきます)

因みに今回は西海市公式HPにある松島さるくマップを参考にしたのですが、この謎の建造物は載っていません。
監視哨のような造りなので気になるんですが、残念ながら詳しい事は何も分からず・・・

そんなマップを頼りに“炭鉱時代のトンネル跡”と書かれた場所へ。
掘り出された石炭は第4坑のある太田から内浦港まで蒸気機関車で運ばれていて、こちらは運炭用のトンネルです。
反対側の坑口は火力発電所の社有地となっている為、現在も残っているのかは不明。

トンネル近くには松島炭鉱と刻まれた標石もありました。

お目当てのトンネルを無事に撮影出来た所で、ここから1.5km程歩きまして・・・

多くの遺構が残る、第4坑へ。

松島で石炭採掘が始まったのは江戸時代に遡りますが、当初は住民が細々と採炭するだけで事業としては成立していませんでした。
本格的な採炭は明治に入ってからで、明治19(1886)年に三菱合資会社が竪坑開削に着手したものの多量の海水が湧出した為、開削から僅か3年で撤退。
その後、佐賀県の実業家である古賀善兵衛氏が買収して事業責任者には善兵衛氏の養子である古賀春一氏が選ばれ、明治38(1905)年に第1坑、明治43(1910)年に第2坑、明治45(1912)年に第3坑を開坑。
大正2(1913)年には事業が軌道に乗った松島炭鉱に目を付けた三井鉱山が参入して古賀・三井の共同経営として松島炭鉱株式会社を設立、代表取締役には春一氏と技師として招かれていた頼尊淵之助氏が就任しました。
その翌年に第一次世界大戦が勃発して石炭需要が更に増加し、セメントを注入して地盤を強化するという米国の工法を日本で初めて導入した第4坑開坑に着手、大正6(1917)年に深さ135mの竪坑が完成。
大正5(1916)年に第2坑、大正8(1919)年に第1坑が水没して以降、第4坑が松島炭鉱の主力となってからは全盛期を迎えていたものの、関東大震災・金融恐慌・世界恐慌など石炭需要の減少に伴い経営は悪化。
そんな中、昭和4(1929)年に第3坑から出水して42名・・・昭和9(1934)年には第4坑でも出水して54名が犠牲となりました。

松島炭鉱開坑から悩まされ続けた坑内出水。
2つの出水事故による排水は不可能で、犠牲者の御遺体は現在も収容出来ずに坑内に残されたまま坑道は放棄され、昭和12(1937)年に閉山しました。

左から守衛室・変電所・第2竪坑巻揚機庫。
第4坑跡には供養塔・慰霊碑も建立され、とても綺麗に整備して下さっています。

柵に囲まれた巻揚機庫と変電所。
守衛室は清掃用具などが入れられていたので倉庫として使われているよう。

竪坑跡も柵で囲まれています。

煙突跡かな?

線路の名残は無いかと周辺を探してみましたが、残念ながら発見出来ず・・・

細い道に入ると、貯水槽らしきものや建物の基礎などが草木に埋もれています。

細い道を抜けると、開けた場所へ。
この辺りに遺構らしきものは見当たらなかった。

4坑付近には送電電柱も残っています。
山中にも残っているようですが、今回は時間が足りず山側は調査出来ず・・・
因みに巻揚機庫と変電所を後ろから撮った写真、奥に写っている島は松島炭鉱池島鉱業所のあった池島です。

4坑の調査を終え、再度歩き出すと程無くして現れたのがこちら。

中に入れたので覗いてみましたが、これは何でしょう。
炭鉱施設なのかも謎ですが、どこかで似たような建物を見た事がある気がするが・・・思い出せない。

そこからまた少し歩くと、ひっそりとした場所に供養塔がありました。
松島火力発電所の建設工事中に事故が多発して犠牲者が続出した事から供養塔を建立し、以降は犠牲者もなく無事に発電所が完成したと記されています。
発電所建設時に犠牲者を出す事故があったという確かな情報はまだ掴めていないので、松島炭鉱と併せて引き続き調べていく必要がありますね。
今回は日が暮れる前に島を出ようと早めに引き上げた為,次回は山側をメインに調査したいと思います。


最後まで読んで頂き、有難うございます。

【撮影機材】
Canon EOS 6D
Canon EF8-15mm F4L Fisheye USM
Canon EF17-40mm F4L USM
TAMRON 28-300mm F/3.5-6.3 Di VC PZD (Model A010)

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