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エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(感想)

⭕ 第95回アカデミー賞受賞おめでとうございます!

▲ SFで初めて作品賞を受賞

◻️ なぜベーグル?

☆ マルチバース的に闇鍋だけどメッセージは、普遍的な深さ

 自分でもまず驚いたのは、SFでありながらアカデミーで7部門を受賞し、ノミネートは11部門も入るなど下手すればSF映画の歴史を変えたのかもしれないですかね。

 マルチバースというテーマは、MCUでも今やお馴染みになってきているし、MCUがなければエヴエヴは生まれなかったといっても過言でないですけど、この映画のすごいところはそれだけではないですね。

 なぜなら主人公のエヴリン(ミシェール・ヨー)は中国系の移民で、コインランドリーを経営していてしかも納税を納めなくては行けないから、それでいて年老いた父親の世話をしなくてはいけない、夫ともうまく行かない、娘のジョイ・ワンも母親であるエヴリンに、「太り過ぎ」と言われて苦しんでいる。

 そんな中でも、気が弱い夫が「マルチバースを救ってくれ」と言ってそこから物語が始まる。

 これは確かに、中国系の移民の悩みでもありながら世界に暮らす人々の悩みでもあり共通しているからこそ自分は、作品賞を受賞出来たのかなと(おこがましいですけど)

 自分でも、あの選択しがあればもう少し良い道をいけて今より良い暮らしが出来る、それがマルチバースの残酷な部分もエヴエヴはえがいているのかなと、マルチバースはダニエルズ監督によるとマルチバースのメタファーは、ネットで、

 ネットで相手と繋がれたり、複数のアバターやアカウントを持つことが出来たりしていく、今やネットは現代社会になくてはならないものとなっていきましたが、逆に本作のマルチバースのように行けば行くほど自分はそうでもなくいなくなっても良い虚無感に襲われていきますから。

 それが辛い、本作はなぜベーグルかと言えばベーグルの形を良く見ているとゼロに見えますからつまり何もない、しかもぐるぐると回っていて繰り返されるばかりを表していますから、ベーグルは虚無感表したメタファーだと言えますね。

 それでも、エヴリンは自分の娘を救うことが出来ましたが、本作のテーマは愛と肯定かなと、あらゆるマルチバースを見ているとエヴリンはアメリカにわたらなければ女優になっていたり歌手になっていたのかもしれない、これは残酷かもしれない。

 それでも、今の暮らしで夫の優しさもあり監察官の人の過去や事情もあり、それを打ち明けられた確かに、マルチバースで良い暮らしが出来ると思ったらそこに行った方がいいとだれもが思ってしまいますけど、それでも選択肢の肯定がこの映画には書かれているのかなと思いますね。

 難しいですけど、マルチバース(ネット)も肯定はしていないし没頭する危険性もある、でもそこに行くことも否定はしていない、エヴリンの人生も無駄ではなかったとは感じたから、マルチバースも悪くはないなとむしろマルチバースのお陰かもしれない自分はそう思いたいですし、マルチバースをそこまで否定はしたくはないかなと。

 自分だったらマルチバースに行ってそうだな(笑)


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