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クズっぷりに、僕の方が途方に暮れた

タイトルを変えすぎて
なんの話なのか分からなくなったけど
この投稿は
映画『そして僕は途方に暮れる』の感想です

『そして僕は途方に暮れる』って
俺ら世代なら
大澤 誉志幸さんのヒット曲だから
知ってる人が多いんじゃないだろうか

俺もそのタイトルだけにひかれて
シングルを買ったひとりです


さて、俺の若きし頃の思い出を
呼び覚ますかのように

note仲間でおなじみの
sanngoさんとこ、さんちゃんの投稿記事に
『そして僕は途方に暮れる』の文字があって

どれどれ

自分の記憶を紐解くようにネットで調べてみたら
この曲の発売は、昭和59年、、、

あんだって?

俺が9歳だから
小学校3年生でこの曲聞いてたってか
初代ドラクエより前の話ってことはまずないだろ

まだその頃、作詞もしてないのに
この作詞を担当してる銀色夏生さんを
知ってるわけがない

少なくとも思春期真っただ中な、ハズだ

PCで、色々と画像検索して記憶の断片を
蘇らせようとして見つけたのが
☟この8インチシングルCD

なつかしー


そうだそうだ、俺はこの曲

レンタルビデオ店の
棚おろしされた中古CDのワゴンの中から
拾って買ったんだ

当時、シンガーの前情報なし
ジャケ買い(ジャケットがピンときたら買う)に
ハマっていて
セカストやGEOなんかなかったから
レンタルビデオ屋の棚おろし品くらいしか
安くCDを買うチャンスがなかったんだよね

ワゴンの中の中古CDをパタンパタンと
人差し指と中指をせわしなく動かして
物色していたっけ

そうか、俺はこの曲を
相当遅れて、知ったんだ
このあと、大澤さんのもうひとつのヒット曲
ゴーゴーヘブンを知るんだけれど

すっげぇ歌ウマいのね、大澤さん
『そして僕は途方に暮れる』では分からなかった
ファンキーな彼が
むちゃくちゃカッコよかったのを思い出した

さて、『そして僕は途方に暮れる』
この曲の何に惹かれたのかというと
やっぱり、銀色夏生さんの詞のセンスだ

そして僕は途方に暮れる

みれない服を着た
君が今 出ていった
髪型を整え
テーブルの上も そのままに

ひとつ残らず君を
悲しませないものを
君の世界のすべてにすればいい

そして僕は 途方に暮れる

ふざけあったあのリムジン
遠くなる 君の手で
やさしくなれずに 離れられずに
思いが残る

もうすぐ雨のハイウェイ
輝いた季節は
君の瞳に何を うつすのか

そして僕は途方に暮れる

あの頃の君の笑顔で
この部屋は みたされていく
窓を曇らせたのは なぜ

君の選んだことだから
きっと大丈夫さ
君が心に決めたことだから

そして僕は 途方に暮れる

見慣れない服を着た
君が今 出ていった

そして僕は途方に暮れる
作詞:銀色夏生


今こうやって文字起こしすると
やっぱりこの歌詞は素晴らしいなって思う

冒頭の『見慣れない服を着た』で
すでに心をもっていかれる

女の気持ちの切り返しの早さ
男が、彼女の決定的な素振りに気づいた頃には
すでに手遅れなんだ、という虚しさ
それが、見慣れない服、に凝縮している

ここで深読み、もしかしたら
見慣れないって思ってるのは彼だけかも知れない

彼女は、もうこの彼の前では
オシャレをする気がなくなった
なんて解釈もできるのではないか

現に、一緒に過ごしたであろう
テーブルの上は片付けもしないまま

男は、未練に生きると言っても過言ではない
救いようのない現実を目の当たりにすると
未練の中だけでもHEROになって
自分を慰めるのだ

だからつぶやく、君は大丈夫さと

そして彼だけ、途方に暮れる

ところで、2番の歌詞

ふざけあったリムジンって何だ?
今さら、まったく理解不明で
気になってしょうがない

リムジンってあの腹の長ぁぁぁい
交差点曲がるたびに他の車に迷惑かけてるアレか
車内では、高確率で
シャンパンを飲んでいるアレだ

この若者とおぼしきカップルに
リムジンを買うような甲斐性はなさそうだが

もしかしたら
御曹司どうしの許嫁みたいな恋?

いやいや、それではないだろう
歌詞全体から
小さな佇まいを感じざるを得ない

となると、リムジンとは一体全体、、、

2番のサビの
『雨のハイウェイ』にかかってくるんだと
思うんだけど、車は持ってるんだよね

あぁぁぁそうか
彼女の車で、彼女が車にのって
サヨナラしてゆくって話なのか

ふたりの思いが詰まった彼女の愛車は
リムジンほど価値がある、ということか
彼の思いが膨れて巨大化したか
そりゃ交差点、曲がるのに苦労するわな

何もかも失うと分かった直後の
思いがあふれてしまった惨めな彼は

やっぱり、途方に暮れるのだ
けっこうクズ男かもしれん

この歌詞、言ってしまえば
未練たらたらの失恋男の歌だけど
深読みすると、もしかしたら
女の方は、男ほど真剣じゃなくて
むしろ遊ばれていたんじゃないか

なんだコレ

ハラスメントじゃないのか
いや、詐欺か
窓曇らせたのは、なぜだ!?
男ひとりでムラムラしたからだろ

と、勝手に色々思いを巡らせてみました

さて、映画じゃなくて歌の感想が
すごく長くなりすぎたので
映画はサラっといきます

内容は、さんちゃんの記事で☟

物語は、この記事そのままでして
すっごくネタバレなんだけど
ネタバレされても、ぜんぜん大丈夫でした

思いのほかのめりこんじゃって
ネタバレ情報を忘れて楽しめるのね

主人公が相当なヘタレのクズで
自分の人生から逃げまくる話なんだけど

どっぷり暗い雰囲気じゃなくて
ブラックユーモアっていうの?
明るくないけど暗すぎない、みたいな
全般的な浮き沈みが中途半端

それがこの映画の魅力なんだと思った

主人公はこのクズっぷりを改めて
できるヤツに生まれ変わる
サクセスストーリーになりがちだけど

まったくそうじゃないのが面白かった(笑)

ラストの腰砕けそうなエピソード
まさに

そして僕は、途方に暮れる

主人公はアングラなモラトリアムじゃなくて
発達障害なんじゃないかと思う

モラトリアムは
その無意味さを挽回しようとするから
モラトリアムと認識できるけど
そもそもそれを感じ取る能力が
脳みそになかったとしたら

あがいても仕方がない
というだけの話

人は
どんなに抗っても変わらないんだよ
という

制作者からのメッセージなのかもしれない
これ楽に生きるヒントだなぁ

とまぁ、この濃淡のない映画、それこそ
この映画の主題歌
そして僕は途方に暮れる、の
マイナーアレンジそのものだ


さんちゃんも記事の中で書いていたけど
主人公の藤ヶ谷太輔っていう人は
アイドルなのかな?

演技が凄くうまい、絶賛したい

特に呆けてるときの
何とも言えない無機質な表情
惚れ惚れしちゃった

途中まで、このクズ、俺が代わりに殺してやる
くらいに思ってみていたけれど

意外に、人たらしなのが明らかになって
今度は羨ましくなってしまった

どんな人にも必ず、輝くものがあるんよね
そう思うことにした

あとこれだけは言いたい

豊川悦治さんのタバコを吸うシーンだ

俺、もともとタバコのみだから
役者がタバコ吸うシーンで
ホンモノかどうかすぐわかるんだけど
(そのホンモノの基準が曖昧だがw)

豊川悦治さんは
めちゃくちゃうまそうにタバコ吸ってた
あれはホンモノだ
もし演技だとしたら、すごいぜあんた

あぁぁぁ
タバコ吸いたくなちゃったじゃないかぁ

とまぁ、俺の感想はこんな感じ
物語より歌の方が思い出されて

春の郷愁だった

総合評価
山ちゃんスケール100点満点で
おススメだ

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じゃーなー

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