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自己紹介―伊藤鑑といいます

東工大でデザイン研究をしている博士学生の伊藤鑑(いとうあきら)といいます。若輩者ですが何かお役に立てることがあれば、気軽にお声掛けください。お仕事お待ちしております。


プロフィール

こんな人です

1998年に愛知県に生まれて、大学入学と同時に上京し東工大で勉強しています。専門はデザインといわれる分野で、見た目をキレイにする狭義の"デザイン"ではなく、より広い意味で"設計"を対象にそのプロセスや成果を分析する研究分野です。私は中でも、デザイン思考的なアプローチを使った製品開発プロジェクトを対象にした研究を行っています(研究内容については後ほど詳しく記述します)。学部時代は融合理工学系というところで、理工系の基礎科目を広く学び、4年目からデザイン分野に絞って勉強をしています。現在はフィンランドのAalto大学というところで留学中です(2024年6月まで)。

私のこれまで

教育

愛知県の公立高校で3年間を過ごし、部活で合唱に打ち込んでいました。卒業後、1年浪人ののちに東京工業大学に入学しています。2018年に入学して以来今日に至るまで東工大で勉強しています。東工大の学部は早期卒業という制度を利用して3年半で卒業しそのまま大学院での勉強をしています。
また修士課程の修了、博士課程への進学のタイミングで二つの留学プログラムを利用し、Imperial College LondonとAalto大学に留学をしています。

私の専門

私の専門を一言で表すのなら、「エンジニアリングデザイン」になりますが、なんとなく分かりづらく的確でもないので、以下簡潔に私の専門について説明したいと思います。

エンジニアリング×デザイン

エンジニアリングデザインは直訳すれば工学設計となるのですが、私が意味するのは「工学的な背景を持つデザイン分野」ということです。
これについて説明するには、工学的デザインの2点について説明をする必要があります。

工学の側面

私の所属は環境・社会理工学院 融合理工学系 エンジニアリングデザインコースというところです。東工大は他の大学と異なる枠組みを採用していますが、学院→学部、学系→学科、コース→専攻と同義であると思います。そして、学院は受験時に選択する大きな分類、学系は2年に進学時に選択して振り分けられるもう少し細かな分類、コースは大学院進学時にさらに細かく分けられる分類です。

環境・社会理工学院は建築系、土木・環境系、融合理工学系の3つが合わさった学院で、生活やインフラなど、まさに環境や社会にまつわるトピックを取り扱うところだといえます。建築や土木では、建物や居住空間、生活環境に直結するようなイメージがつく一方で、融合理工学系は異質な存在であるといえます。

融合理工学系では、理工系の基礎的な学問を一通り学ぶほか、環境問題や社会問題に関連する科目を受講することができます。また、留学生が多く所属するため英語で開講される講義も多く、英語でのグループワークも多く実施されます。(https://educ.titech.ac.jp/tse/about_us/)
したがって、学部の間では、実際の物理現象と数理の理論を結びつけて考えるような科目、力学や工学の基本的な理論を学ぶ科目、世界の社会問題に対してどのように取り組むべきかを考える科目などを中心に、幅広い分野を網羅的に学びました。理工系の基礎学問+社会課題解決のための実践的な学習が基本的な方針であったと理解しています。

工学的バックグラウンド

したがって、学部時代には理工系の基礎学問をひたすらノックするかのように、次から次へと理論と演習とを行き来していたので、学部時代は「理系」的な考え方に染まっていったのではないかと振り返って思います。
このような背景を持っているので、私は純粋にデザインを取り扱っている人と比較して極めて工学的な考え方あるいはバックグラウンドを持った人間であると自認しています。

デザインの側面

上記のような工学的な側面をもつと同時に、デザインというのが今の私の専門性を説明するのに重要な観点となります。

デザインというと、広告やwebページ、イラストやパッケージなど、見た目を綺麗にするという狭義のデザインを想像する人が多いと思いますが、私が対象としているのは広義のデザインで、人が製品やサービス、システムなどの価値ある人工物を創出することを指します。学術的には以下のような定義が用いられることがあります。

To create a specification of an object, manifested by an agent, intended to accomplish goals, in a particular environment, using a set of primitive components, satisfying a set of requirements, subject to constraints.

特定環境・制約・要件下での目的達成を意図して、ある主体が、基本的な構成要素を用い、対象の仕様を生み出すこと

Paul Ralph & Yair Wand

難しいですが、人間が何かのために意味のある何かを作り出すこと、と漠然と捉えてもらうだけでも、認識をアップデートすることができるかと思います。ここで伝えたいのは、デザインの細かな定義ではなく、私の専門性としてデザインが重要な側面であるという点です。

当時は自覚していませんでしたが、学部時代から「デザイン」的な活動が始まっていたと思います。グループワークを通じて、身近なものから世界的なものまで、課題を特定し解決策や改善案を提案するような講義が多くありました。このような活動は(実際に何かを作り出しているわけではないにしても)デザイン活動の一部分であったと考えます。
私は画面上の何かをいじったり、机上の数式を変形するよりも、目の前の社会あるいは人間に迫ることができるこのような講義の方が向いていると感じて、今の研究室を選びそれ以来デザインの研究をしています。


デザインデザイン的バックグラウンド

修士課程に入ってからは、デザイン思考を基礎にした“デザイン”や、コミュニケーション・システムのデザイン、製作者の意図の表象としてのデザイン、問題解決としてのデザインなど幅広いジャンルからいろんな観点でデザインを考えているように思います。私にとってのデザインとは、社会や人間の問題解決のための一つの強力な手段であり、そのプロセスと成果であると考えています。そういった観点で、様々な場面でデザインのエッセンスを吸収してきていたと言えると思います。

私の研究

理工系の背景を持ち、デザインには上記のように触れて、私はそのようなことを続けたいと思い、研究室を選び研究をし、博士まで来ているわけです。工学的なバックグラウンドを持ちながら、デザインの研究をしているために、エンジニアリングデザインと一言で説明してしまうことが多いです。しかし、その中身は様々な物事が当てはまってしまうので、やや乱暴な説明かもしれません。

私の研究分野は、デザイン研究と呼ばれる分野で、新しい製品やサービス、システムを生み出すプロセスや、それによって生み出されたもの、あるいはその間の人間、チーム、それらを支援するためのツールやシステムなどを対象に行われる研究が存在し、この中だけでも幅が広いです。心理学や社会学、経営学あるいは最近だとHCI(Human-Comupter-Interaction)のような領域が重なりあう領域です。

私自身はこれまで、いくつかのトピックに触れてきました。初期は、ユーザーのニーズや課題を特定する思考過程を分析し、どのような思考パターンが成功/失敗につながるのか研究をしていました。今は専ら教育的な文脈に近いところで研究をしていて、製品開発プロジェクトでの学生チームを対象に研究を行っています。
質問紙やインタビューを用いた調査や、コーディングを用いた質的研究法を行ったり、アンケートデータの統計的な処理をしたり、自然言語処理など技術を用いた分析手法の開発あるいは支援ツールの開発を行った、研究プロジェクト内でも用いる手法は様々です。

私の関心

個人的な関心は、人間が自分のもつ能力や個性を活かして最高のパフォーマンスをして良い成果を残すための方法や支援策の解明や開発にあります。ある程度同じ能力を持った人同士であっても、同じようにやっているようで“センス”や”感覚”が鋭い人は勝ち、そうでない人は負けるという残念な現状があります。これは(特に教育現場などでは)不公平な現状であり、秘訣を解明したいなと思っているのと、このアンバランスなところに何か成功のエッセンスがひそんでいるような気がしている、という2点から好奇心が駆り立てられています。

全員がフェアに戦える優しい世界を作りあげることは難しいけど、なるべくそれに近い状態が何とか実現できる発見ができないかな、というのが研究者としてのスタンスです。


これまでの研究成果は、以下を参照ください。https://www.researchgate.net/profile/Akira-Ito-15


これから

研究活動に尽力することは勿論のこと、社会に目を向けた活動も広く行っていきたいと思っています。研究室でPCと向かい合っているだけでは何も生まれないし、SNSを眺めていても悲しい気持ちにしかならないので。。。
是非何か役に立てる機会があれば、積極的に参加したいと思うので、気軽にお声かけください。

noteでの発信

私が日頃行っている活動などを中心に定期的にnoteで文章を書いていきたいと思っています。質問だったり、内容の要望などあれば教えてください。
現在進行形で行っている研究については話せませんが、関連する分野の話や研究法、研究手法については備忘録としても書き残していきたいと思います。また、大学について、留学について、あるいはもっと遡って受験についてなんかも書ければと思いますが、気の向くままに更新できればと思います。

自主ゼミの開催

工学系の中でデザインをやっていると同業者が少なく、勉強をしたり議論をしたりする機会が圧倒的に少ないと感じています。特に、日本においては研究室の仕組みや博士学生の待遇の違いもあり、やや不利な環境にあります。
そこで、知見を共有したり、お互いの研究のブラッシュアップを手伝いあったり、勉強しあったり、、、ということができる機会をたくさん作りたいと思っています。他大学の関連分野の人も広く巻き込んで、同世代で学び合えるような機会創出も積極的に行いたいです。

  • 論文や書籍などの共有、紹介、議論

  • 研究のフォーカスや課題、関連研究に関する相談、議論

  • 研究手法に関する相談、議論 など

あるいは、デザインプロジェクトで使えるツールの紹介や具体的な取り組み方、Tipsの紹介などもできたら、楽しいなと思ったりもしています。関心がある方、一緒にやりましょう。

最後に

長々と私について、書きましたが、随時アップデートをして名刺代わりにできればと思います。コメントや支援をいただけると大変励みになります、よろしくお願いいたします。

お仕事の依頼もお待ちしています。




2024.03.02 最終更新
伊藤鑑

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