脱”プロ化”!

※ここに書く内容はあくまで個人的な意見・感想であって、所属・関連する団体や組織のそれとは全く無関係です。


”プロ化を止める!”という意味ではない。
日本における”プロというイメージ”を払拭したい!のです。

”プロスポーツ選手”と聞いてどんなイメージをしますか?
日本ではプロ野球選手、Jリーガーをイメージされる方が多いのではないでしょうか。
競技をして、お金がたくさんもらえて、裕福な生活ができる。
そうだけど、違うんです。

みなさんNBA Caresという活動をご存知でしょうか。
JHL理事である鈴木さんから教えていただき、調べたら以下の記事がありました。
https://creatingsportvalue.com/2015/06/05/nba-cares/

ドイツにいる時もそうでした。
他の選手は多くの地域活動に参加していたし、特にドイツ人選手はハンドボールだけで生活はできるけど仕事や大学に通ったりしていました。
僕がいたチーム(TV Emsdetten)は確かにTOP of TOPにいた訳ではありません。
1年だけブンデス1部で、後は万年2部リーグにいるお金のない地方クラブです。
平均集客数は1300人前後。以下は今シーズンのデータ。
https://www.liquimoly-hbl.de/de/2--hbl/statistiken/saisonen/statistiken/saison-21-22/saisonstatistik/zuschauer/
規模感で言えば日本のハンドボールクラブより大きいです。

何が言いたいかというと
「競技だけやっていれば良いのがプロスポーツ選手」
ではない。
「競技面以外でも社会に貢献し、社会に欠かせない存在がプロスポーツ選手」
社会を地域に置き換えるとより具体的になりますね。

「社会(地域)から求められ、必要不可欠な存在」だから「プロスポーツ選手」なんだ。
プロスポーツ選手=地域で”活躍”している人。

———文章長いの嫌な人ここからしばらく飛ばしてOK———

なんでアメリカやヨーロッパでたくさんお金を稼いでいるのにも関わらず選手達は「競技に集中しない」のか。
それが必要だし、自分たちにとっても良い事だから。

こう言った活動を通して、選手は得られるものがたくさんあります。
社会を知り問題がたくさんあること、自分が人を喜ばせられる応援される存在であること、そして他の世界と接点を持つこと。
どれも重要であるけれど、社会との接点は本当に重要だと考えています。
デュアルキャリア(以前はセカンドキャリア)の問題も多く言われますが、その大きな原因の一つとして、現役中にその競技しかしていないことだと考えています。

選手の中には競技をしながら自ら学んだり競技の中でも外でも色んな人と関わりを持てる人もいます。これは本当に素晴らしい。
けど大半は競技以外の世界のことをほとんど知らないのです。

自分がどんな存在なのか。
どんなことができるのか。
社会にどんな問題があるのか。
自分が何をしたら貢献できるのか。
この社会の中でどう生きていくのか。

社会との接点を持つことで少しずつでも気づいていけるんです。
周りにチームメイトのいない、チームとは離れた自分と世界。

三重バイオレットアイリスの選手達は普段仕事をしています。
みんな違う職場です。
選手はハッキリ言ってめちゃくちゃ大変です。アスリートの生活環境として改善の余地は大いにあります。これはクラブの責任です。
けれど社会との接点を持ち、地域活動を行う中で、考え方、在り方、多様性を学んでいる良さがある。
それが地域性に繋がり、ホームゲームの”温かさ”に繋がっていると思っています。
だからこれから先も、関わり方は変化しても社会との接点を持ち、色んな視点を持てる選手が育つクラブでありたいと思っています。

そして競技団体としても非常に重要な活動。
社会問題を解決し、求められることでサポートを受けられる。
シングルエンティティの強みが実はここにもある。
例えば1クラブが非常に良い事例を作れたとする。
それを情報として他チームに展開するのでなく、リーグとして取り組む。
1クラブ10回/年やれた場合、20クラブあれば200回やれることになる。
1地方だけでなく日本各地で。
そうすることで”リーグの価値”がより高まる。
日本全国で地域の問題を解決しているスポーツと一緒に取り組みたくないですか?
一緒に社会の問題を解決していきましょう。と。

——————ここまで飛ばしてもOK—————

選手である時間は短く、尊いものなのです。
選手だから出来る事がある。
選手だから得られるものがある。

それもスポーツの力なのです。

地域の活動を通して、応援される選手になることで人間性・パフォーマンスは上がります。
練習時間は日本のほうが長いです。
練習量=パフォーマンスではない。
100:0議論ではなく、練習も十分に必要だし、時には練習にだけ没頭する時も必要。休養も考える時間も必要。けれど「プロ選手」になりたければ競技面以外にも取り組む。
メリハリも出て集中力も変わるのです。

プロスポーツ選手=色んな所で見て色んなことをしている人
(実際名のあるスポーツ選手って色んな所で見るよね)

競技面で優れているのは当たり前。
それ以上の活躍、イメージをもっともっと日本の中でも広げていきたい。
それがハンドボールのプロ化であって欲しい。
そんなクラブを目指して、これからの「プロ化」にチャレンジしていきたいと思います。

『プロスポーツ選手のイメージを変えたい!』
そんなお話でした。


次回は「脱”応援してください”」について書こうと思います。
「シングルエンティティについての違和感」も書きたいと思っています。
こんなこと書いてとか先にコレ書いて欲しい!など要望あればいつでもご連絡ください。

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