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クライアントワークを生業とする企業の執行役員とは、一体何をするのか?

こちらの記事は、YUMEMI Design Advent Calendar 2023の3日目の記事です。

2023年もいつの間にか師走が訪れ、気が付けばnote自体を1年以上更新していないことに気が付きました。とは言え何もしてなかったわけではありません。ゆめみに在籍して今年で5年目となりましたが、過去1番忙しく、充実していた1年だったことには間違いありません。

少し頭の中を整理しながら、1年間を振り返ると共に、改めて自分の現在の役割について書いていきたいと思います。

取締役の退任

2023年1番最初に起こった出来事は、ゆめみの取締役を退任したことです。何かやらかしたから退任したというわけではなく、私は元々ゆめみの「チャレンジ取締役制度」を利用して、特に経営や事業運営の経験もない中で取締役という肩書きを拝命していました。元々は2年の任期ではあったのですが、ポストチャレンジ取締役という、私の後にチャレンジ取締役になったメンバーをサポートする目的で1年間任期を延長し、全体で3年の取締役の期間を経て、退任をするという運びになりました。

退任する前に、代表取締役であるれいっちと面談を行い、今後どのような役割を具体的に担っていくか整理をしていました。その結果、ゆめみのデザイン領域の事業を確立するというミッションを持つことになりました。2023年はまさにそこに向けていろんな試行錯誤をしてきた1年となっています。


クライアントワークが「事業」になる

受託制作やコンサルティングなど、いわゆるクライアントワークを行う企業は、SaaSや商品など具体的な売り物を持つ事業会社と対比で扱われることがあります。この見方は、半分正しく、半分間違っています。確かに、クライアントワークにおいて、通常のプロジェクトのみの推進をメインで担当しているメンバーであれば、クライアントとのプロジェクトが全てです。しかし、メンバーの稼働率、売上高などそれぞれのクライアントとのプロジェクトが積み重なった結果として現れるP/LやB/Sの数値の意味は、事業会社とクライアントワークの会社で大きく違いがあるわけではありません。

言い換えれば、クライアントワークも「事業」であるということです。異なる企業がその事業に従事すれば、そこには具体的な戦略があり、差別化を行うための試行錯誤が日々繰り返されています。ここが、デザイン事業を担当することになって1番最初の気づきでした。クライアントワークも事業であることさえ分かれば、その事業をどう描くかは道筋がはっきりと見えてきます。

事業の仕込みを行う

クライアントワーク=事業の気づきを得てからまず着手したのは、どのように競合他社と差別化をしていくか?を整理することでした。自社にはどのような知識的、人的な強みがあって、全社のビジョンやミッションからどのように逆算してデザイン事業を位置付けることができるかを日々ぐるぐると考えていました。

その結果、世の中に出てきたのが「デザイン・イネーブルメント」という事業コンセプトと「YUMEMI Design Service Canvas」というウェブサイトです。

デザイン・イネーブルメントは、端的に言うと「デザインが求められる文脈や組織において、デザインがわかるようになる、できるようになる、そして、あたりまえになるという状況を作ることを目指した活動」です。そして、YUMEMI Design Service Canvasは、そのコンセプトを実現するために私たちが提供するサービスという関係性を持っています。

これまでにも、UX/UIレビューサービスやプロダクトデザイン壁打ちサービスなど単体のサービスをリリースしていましたが、事業としての一貫性と拡張性を担保するためにコンセプトで包むことを行いました。

ここまでの仕込みを行うのに、約3ヶ月ほどの時間を使っています。

ひたすら営業とプロジェクトを回す

ここまでの仕込みとプレスリリースですが、実は経営チームとは方向性だけ握っていて、それ以外は必要最低限の関係者とコアチームだけで連携を取りながら進めていました。なので、リリース直前まで社内での調整などは後回しにしていました。これで良い意味で挑戦させてくれるのも弊社の良さと言えるかもしれません。

結果として、新規でリリースしたサービスへの問い合わせに関する対応は全て、コアメンバーだけでお互いにサポートしながら行いました。もちろん提案して受注できた際には、他のメンバーを巻き込んでプロジェクトの推進まで行っています。受け切れる数には限りがあったので、もちろん最初のうちは、社内メンバーへのオンボーディングも含めて回しながら、徐々に徐々にどのサービスがどういう意味を持っていて、どのように提案したり、プロジェクトで実践していけば良いかを伝えていくことができました。

そんな綱渡りなことをして、お客さまを困らせたりしないのか?と思われる方もいらっしゃるかもしれません。実際には、そんなことはありませんでした。

コアメンバーがプロジェクトの推進、または、サポートに確実に入ることで一定の品質を担保することはもちろん、新しくリリースしたサービスは、ゆめみがこれまで普通にプロジェクトで行っていたことを改めて整理しただけでもあったので、プロジェクトに参加したメンバーもすぐに感触を掴んで進めてくれることができました。

これはある意味クライアントワークという事業自体の特性でもあると感じています。クライアントワークの基本は、人同士のコミュニケーションです。その質は、日頃どのようにプロジェクトでコミュニケーションの在り方に大きく左右されます。ゆめみのデザイングループに所属しているメンバーはそもそもの質が高く、問題なく対応してくれました。そして、これはおおむね事業の仕込みの段階で見込んでいたことでもありました。

ひたすらネットワーキングや露出の機会を探る

事業を進めていくとなると、ただ単に問い合わせから来たプロジェクトの相談だけに対応していても仕方がありません。新しい人脈を作ったり、事業自体へのインスピレーションを得たり、協業先を探したり、自社の事業について知ってもらったりと本当にいろんなことをしなくてはなりません。

わかりやすいところでいくと、いろんなネットワーキングイベントに出席したり、ウェビナーをやったり、ウェブメディアなどの記事を書かせていただいたりしました。

まずは、できる範囲で数を増やしていこうということで、少なくとも月に1回以上は何らか世の中にアウトプットするということで、取り組んでいました。

これまでネットワーキングイベントなどは積極的に参加したことはなかったのですが、デザイナーだけではなく、エンジニアやプロダクトマネージャー、時には事業責任者や経営者の方のセッションを聞いたり、直接お話をすることで、今の自分に足りてないインプットや進むべき方向性のようなものが見えてきて、次に何をやるべきか頭の回転が早くなっていく実感が湧いてきたのを覚えています。

これは、完全に余談ですが、大学がアメリカだったので、パーティー文化に慣れていたこともネットワーキングでは、良い感じに生きていたので、食わず嫌いせずやってみるものだと思いました(笑)

参加したイベント

登壇したイベント・ウェビナー

書いた記事


結果は・・・

細かいことを含めれば、書ききれないほどのことをやった記憶があります(いずれどこかで詳しく書きたい)。

そして、それらをやり切った結果は、当初の目標を大きく上回る(🏆)という形で、現在12月の仕上げに向かっています。まだ、道半ばではあるのですが、来年の目標もコアメンバーや経営チームとすり合わせながらワクワクしているところです。

私の中での「デザイナー」という概念は大きく広がり、事業運営に関わるあらゆる活動は全てデザインであると見えています。

つまり、「クライアントワークを生業とする企業の執行役員とは、一体何をするのか?」というこの記事への回答は、「目標達成のために必要なことは何でもやる」ということになります。

最後に

という感じで、私自身は現在デザインのビジネスにとても興味があります。というかビジネスや価値のやりとり全般に非常に興味があります。もし繋がっていただける方がいらっしゃいましたら、ぜひいろんな話を聞かせてください😇

X: https://twitter.com/akira_motomura


基本的に今後も記事は無料で公開していきます。今後もデザインに関する様々な書籍やその他の参考文献を購入したいと考えておりますので、もしもご支援いただける方がいらっしゃいましたら有り難く思います🙋‍♂️