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個性的な花屋が好き

こんにちは、久しぶりにnoteを書きます。
ぼくが住んでいる松本は桜がようやく満開になってきました。

Googleフォトを整理していたら、懐かしい写真(初代エコバッグ!)が出てきたので、昔を振り返りつつ、思ったことについて書いていきます。
一筆書きなので、着地がおかしくなったらすみません。

個性ある花屋の台頭

花に携わる仕事を始めて早くも10年近くになります。
今年1月に松本に移り住むまでは東京で暮らしていて、東京から花業界の情勢を見続け、並走してきました。

振り返ってみると、特に大きな変化は、小規模で個性的な花屋がたくさん台頭してきたことではないでしょうか。
SNSの恩恵を受けて、大規模な花屋に正々堂々と挑むチャンスができたことは大きいと思います。

自分のやりたいことと世の中のニーズとの接点を探ることが、小規模ビジネスでは肝心です(ちなみに、これは「センスを磨く」とも言い換えられます。センスの議論は、花屋を語る際に頻出なので、また改めてnoteに書きたいと思っています)。

花屋のオーナーが各々の作品や想いをSNSに投稿し、フォロワー数やいいね数といった定量データをもとに改善を繰り返します
稀に改善する必要がなく、自分の世界観が世の中に最初からフィットする天才もいますが、ぼくのような凡人をはじめ、普通はただひたすらに改善をし続けるしかありません。

ただ、その際に、自分がやりたいことや素敵だと思う世界観はぶらさずに、自身の中の引き出しにあるものを世の中と擦り合わせることは大切にしていました。
世の中のニーズに合わせ過ぎて自分自身(個性)を失うと元も子もありません。

イクスでの試行(個性ある花屋の多店舗展開)

2013年に「ex. flower shop & laboratory(以下、イクス)」という花屋をつくりました。

店名に”laboratory”を付けたのは、花屋のあり方を試行錯誤したかったからで、その試みの一つに「個性のある花屋を多店舗展開すること」がありました。

個性的な花屋は、オーナーのデザイン(アート)力、技術力がボトルネックとなって、高収益体制を築きにくかったり、事業拡大が難しくなったりすることが殆どです。

ぼくはその課題を解決すべく、マニュアルなどのルール設定とその有効範囲を探ることにしました。
誰が作っても同じブーケができるようなマニュアルを作っても個性はなくなって大手チェーン店と一緒です。

なので、イクスでは、例えば、色の彩度(色みの強さや、あざやかさの度合い)を決める、特別なオーダー以外は反対色を合わせないといった独自のルールを決めました。
ルールを作る際に、「色」ではなく「彩度」のように今までの花屋と違った判断軸を設定したり、「反対色」のように科学的根拠のあるものを採用したりするよう努めました。

また、アレンジの形やバランス感などは、印象を左右する大切な要素のため、要素分解し言語化するようにしました。
花を制作することは、意外と左脳的要素が強く、論理的なアプローチと相性が良いと思っています(逆に色合わせは右脳的要素が大事)

その結果(他にも色々試行錯誤した結果)、全くのゼロから始めて5年弱で、個性のある店舗を都内に3店舗展開できたことは、十分な成果だと思っています(スタッフや応援してくれた方々に本当に感謝)。

前の投稿にもあるようにぼくはイクスを離れましたが、3店舗全てがいまも第一線で頑張っていて、ぼくが離れてからどのように変わり、進化していくのか楽しみです。

豊かさとは多様性

個性のあるお店がお客さんの個性を育み、またその逆もあります。
ぼくは豊かさとは多様性だと思っていて、多種多様な花屋が活躍できる、この時代が好きですし、今後もっと枝分かれしていってほしいです。

あと、ここ最近は、SNSを通して個性ある花生産者が、一般のお客さんにも注目され始めてきています。
ぼくが4年前に「霽れと褻」というサービスを立ち上げて夢見ていた世界が実現してきています(本当にうれしい)。

最後に、最近のぼくはと言うと、農園で花作りの手伝いをしたり、図鑑と向き合って花の勉強を一からし直したりしています。

花の勉強については一部をInstagramで共有しているので(なんと毎日更新中!)、良かったら覗いてやってください。


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