目的を明確にしてから始める。ことがダメな理由。

前回のnoteで、目的から考えることが重要だと書きました。
そして、同時に目的を明確にしてから始めることはおすすめできない。とも書きました。

今回は、これがどう違うのか、なぜおすすめできないのか、について書いていきます。
しかも、これは特に日本人におすすめできない考え方です。

やりたいこと

皆さんは、やりたいことって何ですか?
これに対して、即答できる人はあまりいないんじゃないかと思います。

僕のところに相談に来る方にも、ほぼ毎回この質問はしていますが、ん~と、うなってしまう人が大半です。

何かしらの回答をする人もいますが、多くはとても手段よりの話で、いろいろと話しているうちに、さっきのやりたいことは違いましたね。という話になります。

ここで言いたいことは、しっかりやりたいことについて考えましょう。ということではありません。
まあ、半分くらいはそうなんですけど、ここが今回書きたいところで、自分のやりたいことについて考えることは大切なのですが、それを明確にすることはおすすめできない。というか、この行動はまったくの無駄ということです。

例えば、仕事をしている方、最初は好きじゃなかったけど、やっているうちに好きになった、得意になった仕事ってありませんか?

勉強でもスポーツでもそうですけど、同じような経験はありませんか?

きっと、みんなこのような経験があると思います。

つまり、いろいろ考えても、実際にやってみないと、向いているのか、好きになれるのか、わからないことはたくさんあるということです。

考えるけど行動に移さない

こういうことは誰でもあると思います。
考えるけど行動に移さない、移せない。

しかし、行動しないと視野はどんどん狭まり、新しいことを知る機会も減ってしまいます。
前回のnoteで書いた、地図の全体像が見えない状態になっていってしまうということです。
やりたいこと。の候補になるものが少なくなってしまいます。

考えてばかりで行動することが減っていくと、偶然やってきたチャンスに対しても素早い行動が起こせず、みすみすチャンスを逃してしまうことにもなります。
人間、常にやっていないことは、段々とできなくなっていってしまうものです。
一度マスターしたと思っていることでさえこうなってしまいます。

やりたいことについて考えることは必要だけど、明確になるというところまでは考えすぎずに、どんどん行動を起こしていきましょう。

前回の地図の例えだと、自分の進みたい、だいたいの方角を見据えた上で、ある程度途中で方向修正を行いながら、どんどん進んでいきましょう。ということです。

ただ、このバランスをどう取るか、については非常に難しい問題です。
あまり考えなさ過ぎてもダメだし、考えすぎてもダメ。

これについて、ここまで考えて、ここからは行動をしましょう。という明確なラインを提示することができないのは申し訳ないのですが、これはある程度、感覚的に判断するしかありません。


日本人に特におすすめできない理由

冒頭で、特に日本人におすすめできない考え方だと書きましたが、これは日本人のある特徴によります。

情報革命の時代になり、社会の変化のスピードはどんどん早くなっています。
10年後に47%の仕事がなくなるという予測を、オックスフォード大学が出して話題になりましたね。

堀江貴文氏は「多動力」で、いろいろな分野に渡るようなことをどんどんやれ。ということを書いており、この本は25万部のヒットになっています。

このような感覚を持ち始めている人もたくさんいるのですが、依然、多くの日本人の価値観は昔と変わりません。

一つの場所でしっかりと努力し続けることが賞賛され、ころころと次々にやることを変えていくことは悪いことだと考える傾向が強いです。

特に、それに対して、多くの時間や労力をかけていればいるほど、この傾向は強くなってしまいます(サンクコストといいます、いずれ解説します)。
これが、目的が明確になるまで考えることの弊害です。

ちょっと誘導的な表現を使いましたが、中途半端にやるべき事を投げ出して、やりたいことだけやってればいい。ということではありません。

一つのことで100点を目指すよりは、複数の分野で60-80点くらいを目指していく方が合理的な社会になっているということです。

これについては、以前書いたリスクについてのnoteでも少し書いているので、よかったら読んでみてください。

ちなみに、欧米や、アジアの各国でも、一つのことだけに努力し続けることは、基本的に推奨されておらず、リスクが高い行為と考えられています。

驚いたのは、僕が医療活動をしていたアジアの途上国でも、すでにそういう教育がなされているということです。
海外での活動で見たこと、感じたことについても、いつか書こうと思います。

代表的なものは、やはりシリコンバレーでしょう。
ダメだと判断したら、その瞬間切り捨てて、新しい可能性にかける。そして、感度を高くして複数の領域にまたがるようなビジネスがどんどんと展開しています。

イノベーションはやはりこういう環境で起こりますし、日本でイノベーションが起こりにくいのは、この価値観と深く関係していると思います。

まとめ

前回、今回の2つのnoteで目的についての考え方について書きました。

現状から考えるクセのついている人は、この考え方にするだけで、人生が進むスピードが何倍にもなることを感じられると思います。

目的から、今何をするべきかを考える方法についても、今後書いていきますね。

今回も読んでいただき、ありがとうございます。

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