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ごてんまりの魅力

こんにちは。秋田県由利本荘市でごてんまりを作っています〈ゆりてまり〉です。
あなたラボの3期生として参加させていただいています。

わたしには、去年の9月に行われた「talk your will」というイベントで心残りがありました。
「あなたにとってごてんまりの魅力って何ですか?」という質問に全然答えられなかったのです。
ごてんまりの魅力を伝えたいとか言っている人間が、この質問に答えらないなんていくらなんでもふがいない。
今さらですが、自分がごてんまりに感じている魅力について書き出してみようと思います。

【ごてんまりの魅力】
ごてんまりと聞くと、「伝統的」とか「古くからあるもの」と思う人が多いでしょう。
しかしよく調べてみると-、とんでもない!
伝統的とは真逆の、独創的とか前衛的とかいった言葉の方がずっと似つかわしいのではないかと思いたくなるような事実がたくさんあるんです。
まず、歴史からしてそんなに古いものではありません。"ごてんまり"という言葉の初では、昭和36年の国体のときです。
本荘市が国体に訪れた各選手団の監督に、お土産としてごてんまりを贈呈しました。

本荘ごてんまり


今日わたしたちが「本荘ごてんまり」と呼んでいる三方に房のついたまりは、全国でもここだけという唯一無二のデザインです。
全国各地から(ときには海外からも)まりを200-300個も集めて展示するなどという催しを毎年やっているのも、全国でここだけです。
こう書くと、ずいぶん独創性の高いことをやっているんだな、ということが分かるでしょう。

まりの三方に房を下げることを考案した斎藤ユキノさんは、友達の石塚弥栄子さんが蔵堅寺から借りてきた由来不明のまりを見様見真似で復元することに成功しました。
何というクリエイティブ精神!
私はこういう「やってみたら何とかなるんじゃない?」という実験的で前向きな精神が好きなんです。
そういうクリエイティブな精神を持つ人が全国でもここだけ、というオリジナリティあふれるまりを作り上げ、本荘ごてんまりの名を広く知らしめました。
単に手まりの伝統があったり、地域に素晴らしい技術者がいるからといって、全国規模のコンクールが開催できるわけではありません。
「郷土性が失われる」ことを危惧して、凝集性を強めるような性格の地域であれば、こうした全国規模のコンクールを開くことは決してできないからです。
由利本荘市の手まり文化には、純粋な創作意欲に満ち溢れた他者を排除しない、自由な雰囲気があります。
わたしにはそこがごてんまりの一番の魅力だと思います。

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