見出し画像

クスクスは地球上でもっとも便利な主食!?チュニジア国民も大好き!


クスクスは世界最小のパスタ

みなさんはクスクスを食べたことがありますか?クスクスとはデュラム小麦を原料とする、北アフリカ原産の小麦粉から作られる、小さな粒上の食べ物です。茹でたり蒸して食べることが多いことからパスタの仲間に数えられ、世界最小のパスタとも呼ばれたりしています。日本人にはあまり馴染みがないかもしれませんが、世界でも注目されつつある食材です。栄養価も単なる小麦粉から作られるパスタよりも高いです。今回はそんなクスクスに関する投稿です。

クスクスはこのような形でスーパーで売られています。価格は1kgで0.8TDN(約40円)です。
安い!!

チュニジア国民にとってのクスクス

以前の投稿でも書きましたが、チュニジアの主食はパン、パスタ、クスクスです。バゲットと呼ばれるパンが一番食べられる機会が多いですが、それに次いで食べられているのがパスタ、クスクスです。家庭料理でもときどきクスクスを使用した料理は出てきますし、レストランでもクスクスを使ったメニューはたくさんあります。パンに飽きたときはパスタ、パスタに飽きたときにはクスクス。そんな感じで食べているのかもしれません。


クスクスの調理方法

チュニジアを含むマグレブ(マグリブ)諸国(:チュニジア、アルジェリア、リビアなど、地中海に面する北アフリカ諸国をさす)では、クスクスを調理する専用の鍋があります。

全体像はこんな感じ。だいぶ高さが必要です。
この下段部分でスープを煮ながら
上段でクスクスを蒸すという無駄のない造りになっています。

というのも、クスクスの粒は小さすぎて通常のパスタのように茹でるのが不可能だからです。管理人もクスクスをよく知らない頃、通常のパスタの感覚で茹で、ザルで水を切るときにすべてクスクスを下に落としてしまったことがあります。クスクスの小さな粒を受け止められるようなザルがないのです。(もしかしたら茶こし等、網目の小さいもので代用できるかもしれませんが推奨はしません。)
だからクスクスは茹でるのではなく、蒸すのが正しい調理方法です。上記写真のクスクス鍋は管理人が滞在する一般家庭でも使用されているのをときどき見かけます。下段でスープを煮て、その蒸気で上段のクスクスを蒸す仕組みになっているようです。クスクスの調理中にホストマザーが何度も熱湯を鍋に注いでいるのを見かけました。それに前工程でクスクスに予め水を含ませて、指でほぐすという作業も必要だとか。さらに蒸している工程でも再びほぐし、オリーブオイルを加えて蒸すという、とてつもない手間がかかっています。その手間をかけて作られたクスクス料理が以下の写真です。ホストマザーが管理人に振舞ってくれた、数種類の野菜とラム肉が乗せられている辛い味付けのチュニジアンクスクス。とてもおいしいクスクスでした。ホストマザーは午前中ほぼこの調理にかかりきりだったので、すぐに食べ終わるのが非常にもったいない一品です。

ホストマザーが振舞ってくれたチュニジアンクスクス。
添えられているストロベリージュースもおいしかったです。

この説明を読むと、「クスクスは便利どころか、パスタの数倍も手間がかかる面倒くさい食材じゃないか!」と思われるかもしれません。その通りです。管理人もそう思います。ではなぜ、そんな面倒くさいクスクスが地球上でもっとも便利な主食になり得るのか?それを説明していこうと思います。


とても簡単なクスクスの食べ方

実はこのクスクス。上記のような蒸す工程を繰り返さなくても食べられるんです!それはどうするのかというと…
1.熱湯をかけて数分放置
「クスクスにそのまま熱湯をかけて、5~10分おいておく」
これだけでいいんです!信じられないですか?でもこれは本当なんです。管理人もクスクスの簡単な食べ方を調べていて、この方法を見つけたのです。実際に試したら問題なく食べられます。もちろん、上記のように何度も手間暇かけて蒸したものとはおいしさのレベルが違いますが…。それでも普段の食事として食べるのであれば、「熱湯をかけてしばらく放置」でなんの問題もありません。クスクスはパスタの一種なんです。クスクス自体に味を染み込ませる必要はないんです。パスタを食べるときにも、パスタはそのまま茹でて、そこに味が付いたソースをからめますよね?クスクスもその考えでOKです。味の付いたソースや具材と一緒に食べればいいのです。クスクスは白米と同じものと考えれば、こういう食べ方で問題ありませんよね。そしてもうひとつ、簡単な食べ方があります。

2.スープの中に入れて数分放置
「できあがったスープの中に入れて、5~10分おいておく」
そうするとクスクスがスープを吸って、リゾットのようになります。入れるクスクスの量を増やせば水気が減って混ぜご飯を食べている感覚、クスクスの量を減らせばおかゆを食べている感覚。自分で食べる量を自在に調整できるのがクスクスのすごいところなんです。(といっても調整できるのはクスクスを増やす方向にだけですが…。)この食べ方であれば、熱湯をかけて放置したものよりも味が染み込み、よりおいしく食べられます。管理人も最初は1の方法で食べていましたが、手間が多少減るのではと思い、2の方法を試してみました。そしたらそれが案外いける。いや、おいしさで言ったら2の方が上かもとすら思えます。食欲に応じて投入するクスクスの量を調整してみてください。ただ思ったよりクスクスの吸水力は強いです。あまり多く入れすぎると汁を吸いきったにもかかわらず乾燥した部分が残りますので、気持ち少ないかなくらいの量で止めておくことをお勧めします。足りなかったら少しずつ足していきましょう。

管理人が作った栄養満点のスープに
クスクスをそのまま入れて混ぜると
あら不思議。5分後にはほとんど汁がなくなっちゃいました。


まとめ

クスクスはインスタントラーメンのように、熱湯をかけて待つだけでも食べられます。炊飯が必要な米よりも、茹でが必要なパスタよりも便利な食材だということがおわかりいただけたでしょうか?本当に食事の用意が面倒くさいときには、クスクスに熱湯をかけて、その上にケチャップやマヨネーズをかけて食べるだけでもいいんです。ほら、あなたも試してみたくなったんじゃありませんか?クスクスを食べて、チュニジアに思いを馳せてみませんか?

それではまた!

続きはこちらから

前記事はこちらから

よろしければブログもご訪問ください。
日本人いない場所 (nihonjin-inai-basyo.com)
ブログの方は適宜更新や修正をしております。


よろしければサポートよろしくお願いします!いただいたサポートは取材費として使わせていただきます!