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11・4(日記 くうねるんの絵本の読み語り会)

今日は絵本カフェのくうねるんでの『絵本の読み語り会』の日でした。

一昨日、ちょっとお世話になったので、
お礼のお菓子を買って、
はやめにでかけたのですが、
お菓子をお渡ししたところ店主のこっこさんに
「もうっ!こういうことしないように!」
と怒られました笑

なんとなくそういうところよく分かるのですが、
自分が何かをしてあげるときは自分ができる限界まであげるのに、
そのお礼にと何かを差し出されると困惑してしまう。
遠慮されるのを嫌うのに、
遠慮を全力でしてくる。
みたいな。
自分に引き寄せての解釈ですが、
そんな全力で人のために動いてしまうのがこっこさんな気がします。

今日はとっても可愛らしいこっこさんの娘さまと、
常連の素敵なおばあさまのお二人がいて、
こっこさんの声掛けでお二人の観客を得てのはじまりでした。

今回は昨日間違えてきてしまった人が
「かわりに読んでおいて!」
と置いていかれた
『ベーコン わすれちゃだけよ!』からはじまりました。

男の子がお母さんにおつかいを頼まれますが、
行く先々で見るものに頭のなかのメモは塗り替えられていき、
大変なものを買ってしまったのだけれど、、、

昨日持ってきたお客さんがその場で読み聞かせてくれたらしく、
それがとっても楽しく、面白い様子だったそうで、
こっこさんが「子供が笑ってて、すごくよかった!」と言われていました。
私も聞きたかった!

そしてこっこさんご自身が選んで読まれたのは、
ヨシタケシンスケさんの『それしかないわけないでしょう』でした。

もうすぐ児童虐待をテーマにしたイベントで絵本の読み聞かせをするそうなのですが、そこで読もうと思われている絵本だそう。
大人が提示する二択は、ある意味の自由を奪う行為だと言う話のあと、
読んでくれました。
私もこの絵本を持っていますが、
女の子が大人の差し出す二枚の絵を選ばずに、
その後ろの箱をひっくり返して一枚を選ぶ絵がとても好きです。
そうだよね、二つしかないわけないでしょう!
って思うよね、と。

次に読まれたのが文芸会で紀行文をよく書かれる方の奥さまで、
ボランティアで学校やイベントに読み聞かせに出かけて行っている方でした。
彼女が選んだのは『花さき山』でした。

この絵本は、一度図書館で読んだことがあったのですが、
読まれた方のやさしい声音や、語り方で、
自分が読んだときよりもずっと深く心に落ちてきました。
女の子が山姥に出会い、
その山の奥にある不思議な花は
「ひとがやさしいことをするとひとつ花が咲くんだよ。
そして命を懸けたとき、山が生まれるんだよ」
と話してくれます。
それを村の人たちに話しますが、
大人たちは信じてくれず笑われてしまいます。
もう一度あの花畑に行こうとしても、
けしてそこにいくことはできないのでした。
それでも彼女はやさしいことをするとき、
「ああ、私の花が今咲いた」
と思うのでした。
そのそっとこぼされる満足そうな声に、
真実味を感じました。

絵本の感想を言いあっていたとき、
彼女が最近観た『月』のことを話したい、といいだしました。
というわけで、
映画『月』の話がはじまりました。
この映画で描かれたことは、けして蓋をしていいことではないよね、
でもこういう仕事をしている、関わっている人たちのケアをもっと考えなくてはいけないのではないか、とか、障害というものがある無いにかかわらず、苦しいこと、できないことを話して、できる人が出来ることを手伝える、それがしんどくないように続けられる仕組みが作れたらいい、という話を結構真剣にしました。
こっこさんが看護師さんだったことや、
私が最近知り合いになった方が、過去に精神科の臨床心理士の職場にいて心が苦しくなったことを聞いたばかりだったので、
けっこうお互いに考えていることがあり、
それぞれに胸に湧くことを自由に話しました。

そこから
「映画の感想会をするのも楽しいね」
とか、
「これ、というお題を決めて、
詩でも本でも映画でも持ち寄って紹介し合うとかもいい」
とか、
「作家さんでしぼって、それぞれに好きなものを話し合うのはどう?」
と色々これからの企画にも話は及び、
ひと盛り上がりどころか、ふたつも、みっつも盛り上がりました笑
叶うと言いなぁとおもいます。

最後は、私。
いせひでこさんの『絵描き』を読みました。

果たして読み聞かせるのにいいのか、、、というのは分かりませんが、
いせひでこさんの絵本では二番目に好きな絵本です。
画家の男の子が旅にでて、
そこで様々なものを描いたり、
描けなかったり、
描いて見ようとしたり、描きたいと切望したりし、
そして家に帰って絵と向き合う。
そんなお話なのだと思いますが、
詩のような言葉と、
やわらかで美しい絵で静かにひとりで捲っていたい絵本だなと思います。

今回は参加者が三名だったので、
ちょっと短めでしたが、
それでも幅広い絵本が集まったなと。

なんとなく何を基準に絵本を選んでいるのかという話になり、
私は「タイトル」と「絵」で、
奥さまは「作者」とのことでした。

さて今度は何を持っていこうか。

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