見出し画像

「あ」「い」「う」「え」「お」(詩)

これは「あ」「い」「う」「え」「お」の一文字ずつをできるだけ使って詩を書いて見よう、という遊びのような、実験のような、練習のような、
ものです。
意味が見つかるかどうかは、あなた次第。
あったりなかったり。
苦し紛れの言葉遊びです。
今回は「あ行」。
たぶんこれから「か行」「さ行」、、、とまとめて書いていくと思います。

それでは、どうぞ。



「あ」

明るくて
艶やかな
明日を振り袖に
揺らして来るか

後先の無い
浅ましさに
明日の裾のが
焦げ落ちる

歩くたびに
赤く燃えては
七色を経て落ちる
浴びるほどに 有り触れて


「い」

いちばんを言い出したのは
居残りの痛がり
言い逃れをせずに
一同を見わたして
いっせーのーせ を強いる

いちばん
いちばん
いちぬける 生き残り

言い出して 言いすくむなよ
いきり立って 言い返せ
いのちだって いいくるめて
生き汚く 生きてきた一目を
言い残して


「う」

兎の子に埋もれて
薄墨の鱗を光らせる
浮世の浮き草
うまく流れて 胡乱な目
渦巻く転寝
薄ら笑いを打ち壊し
疎んだ器を売り飛ばし
浮き輪にうかれて
上手く移れないまま
宇宙の雨季にも見逃され
呻きもうかばれない内側へ
うっかりと生み直されて
汐の浮名を嘯いた


「え」

鉛筆
絵の具
エリンギ
エノシダ
閲覧注意
演技を鋭利にエスコート
絵面の塩味に
嚥下の直後に嘔吐く
絵心の無い駅舎にて


「お」

落ち着いて
おいのりしながら
追いついてきて

怒ってないよ
お利巧さんの
落し物の
オトシマエ
おまけがついて
おざなりの大笑い

押し付けのおしまいは
面長に白粉を置いて
鬼のような頬紅を押し込んでいた

お気に入りの大荷物
オルガンの落ち度を
大詰めの置き換えで
追い返す
御伽噺はもういいかい
お守りは置きに流れていったんだ

お告げの終り

この記事が参加している募集

スキしてみて

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?