「電子音」の解説のような
3月に提出する詩学舎のお題は【電話】なのだそう。
【電話】だったら、
前に書いたものが気に入っているからそれを持っていこう、
と思いつつ、
せっかくだからと書いてみた詩がこれです。
電話が苦手です。
家族にもできる限り掛けません。
必要事ならもちろん掛けますが、
終えた後はどんな内容であってもぐったりします。
たぶん、会っているときは表情や、
生の声が肌に触れる感覚や、
その人が周りへと発散させているものをキャッチして話のトーンや言葉を選ぶのに、
電子音になるだけでそれらの情報ががくんと削がれてしまうこと、
なので必死で電話の向こうの空気を感知しようと努力をすること、
その上でどうにか向こうの気分を害することがないようにと話をまるくまるくしていくために、
切ったあとにどっと力が抜けてしまうんだと思います。
そんな電子音。
ひとの殆どは水分で、
幽霊の殆どは電気と水分です。
だから電子音なら、
逆に向こう側にいるひとの大半を反映させてくれるんじゃないか、
なんて考えてしまう。
そんな詩です。
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