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「無口で無愛想で無為な」(詩)

いい子だねと言った口に
泥だんごを

かわいいねと言った手に
ひっかき傷をつけた

無口で不愛想でへの字口の
私の苛立ちをそばにしゃがんで笑ったのは
あなただった

遠くまで歩いて
道も天気もころころ変わったけれど
振り返るときの心持ちは少しも変わらない

わがままで 無遠慮で 生意気な
話すことをできるだけ聞いてくれたひと
あなたは

あなたはひとりでいったこと
私にはわかった
あなたに怒りをぶつける人たちに背を向けて立ち
泣きながら やっぱり私は仏頂面だった

良い子は猫と昼寝して
かわいい子は人形の髪を梳かしてた

あなたに言えばよかったわ
甘えずにあの日
最後になるならなおのこと

あなたにきちんとさよならと言う子に
今だって 成りたい

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