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日日是好日

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その日に見たこと、話したこと、読んだこと、考えたことの記録
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闇夜を歩く

富岡町の夜の街灯は少ない。特に中心部から夜ノ森の方に行く道の街灯はまばらになり、暗い道のが多い。初めて歩いた時は獣か出るかなとか不安もよぎったが、今ではむしろ東京など都心ではなかなか体験できない闇夜のウォーキングを気に入っている。 闇夜の記憶と言えば、小学校の時に行ったキャンプで山の中に一人で一晩を過ごすソロキャンプというのがあった。車に乗せられ目隠しをされて車で20分ほど連れ回され、降ろされたところで1人野営をするというもの。装備は懐中電灯、ナイフ、水、軽食、ロープ、寝袋

働く環境

富岡町に隣接する大熊町にあるコワーキングスペースを使い始めてしばらく経つが、おかげさまですこぶる快適で東京よりもオンラインでの仕事は捗る。外を見れば高揚する山々、夜は電気がほとんどないため満天の星空。もう少し食事するところが遅くまであればなおいいけど、ないということで特段不便になるわけでもない。 ジムと図書館、そしてサウナが近くにあるし、少なくとも自分の生活において必要なものは大体揃ってるなと感じる今日この頃。

知る機会

小中学校に出入りし、そこにアーティストなどクリエイティブな仕事に従事するプロフェッショナルを「転校生」として招聘する「PinSプロジェクト」という事業を富岡町(福島県)で行なっています。 https://pinsproject.net/ 東日本大震災によって引き起こされた福島第一原子力発電所の事故により帰宅困難区域にも指定された富岡町。(今なお一部地域には入れない)町の総人口は12,000人弱を数えるものの、今なお町外での生活を続けている方が大半で、町内居住者は2,000

焚火

富岡にいると事あるごとに焚火がしたくなる。特にキャンプ大好きというわけでもないのだが、火を囲み一人で眺める時間も、人と静かに語り合う時間も日常にはないとても素晴らしい時間である。オンライン会議のように相手の顔を見続けることもなく(ついでに自分の顔を見なくていい)、火に話しかけるように会話したり、ただ木の燃える音を聞き特に話すこともなくそこにいるだけでも許されるという状況は焚火ならではのコミュニケーションのように思う。 火の気配と人の気配と周囲の暗闇。コロナ禍を経て原始からあり

祭りの構造

30数年ぶりに開催された祭りに神輿の担ぎ手として参加した。全長4km弱の道のりを神輿を担ぎ練り歩く中で、多くの地域の高齢者が家々から出てきて、手を合わせ深々と頭を下げ神輿を見送っていた姿はとても感慨深いものであった。昨今は国内各地で神輿の担ぎ手が足りず、中止に追い込まれることも多い。元々はその地域で生まれ育った人が担ぐことが、ある種のイニシエーションのように、共同体を形作る一つの役割を担っていたと思うが、高齢化や地方の居住者の現象に共ないこうしたことも変わってきている現実があ

別府にいた時

clubhouseで前職のボスと話す。相変わらず面白い活動をやってるようでいい刺激をもらう。今の展示見に行きたいな。なんとか3月までにはいけますように

たき火の音

静かでも多少音があってもやることをやる時は割と集中できる方だと思う。ただ、家での仕事だとどうしても無音になってしまうことが多く、むしろその状況に飽きつつあるのでここのところはBGMを入れるようにしている。さてなんにしようと思ったときに、このたき火の音を見つけた。これが思いの外集中できる。不規則なリズムの中にあるリズム感が気持ちよく、火の熱は感じられなくとも不思議な心地よさを覚えるのは気のせいだろうか。

美味しいコーヒー

清澄白河には美味しいコーヒー屋さんが多く、住むにはとてもありがたい環境。つい先日には「KOFFEE MAMEYA-Kakeru」が清澄白河にオープンしたので、その噂を聞きつけ早速行ってきた。店内の広さやバリスタとのコミュニケーションはどれもいい塩梅で、何よりコーヒーカクテルが美味い。身近にちょっと小旅行できるスポットが生まれてますますこの街が楽しくなりそうだ◎

雪の風景

積もる雪を見たのは久々だった。訪れる人にとっては新鮮で美しい雪も、この地で生きる人にとっては時に大きな問題を引き起こす。ただ、そうした雪ゆえに生まれた知恵や技術、文化があるわけで、やはり人がもつ適応する力こそ最も優れたクリエイティビティだなと実感した、短い新潟滞在。

お喋りで僕らは生きている

ここ数日は右も左もclubhouse。フラットデザインでもない、印象に残るアイコンをクリックしてできるお喋りサービスはたしかに最高だ。コロナ禍を経て多くの人が気づいたのは他愛もないお喋りこそ、僕らにとっていかに楽しい場所であり精神的にも必要なものだったのかということ。ぼんやりとした目的もなく話す面白さは誰もが経験したことがあるものだし、それを奪われた中で拡がるこのサービスは時代感にあってるなと思う。それでも人と早く会いたい気持ちはますます加速するんだけどね。

往復時間

久々の現場確認のために長野県は木曽町へ。懸念事項も大方クリアできてよかった。帰路は車に乗りながらズームミーティング。こんなんができる時代だもんな。どこでも働けるのはいいのか悪いのか。往復8時間はやっぱり疲れるけど、久々に人とワイワイ話しながら仕事できて楽しかったというのが今日のハイライト。 人と直接話すっていいな。

絵画にダイブする

主宰するトークイベントに手話通訳者の方をお招きしたことがある。手話と言葉の行き来きとはどういうことなんだろうと興味をもって聞いていたが、僕が手話をできないだけにその感覚がなかなか掴めず、新しい日本語やカタカナ言葉はどうやって訳すんだろうと言葉の変化方法ばかり注目していた。しかし、話が深まっていくなかで、美術館の鑑賞ツアーを手話でやると面白いという話になった時に、自分の認識が根本から間違っていたことに気がついた。言葉と手話は、含まれている情報量が全く違ったのだ。言葉は例えるなら

人の密度

雪予報は杞憂に終わり、シトシト雨の中シンポジウム会場へ。初のオンラインシンポジウム開催は冒頭配信エラーがあったものの終わってみれば大変学びの多い時間だった気がする。オンラインになってから人と密度の高いディスカッションの機会は少なくなった気がする中、とても刺激的な時間だった。要件を満たす会話が多くなり、趣味の話や無駄話をする機会は日常生活の中でますます減ってきた。合理性と効率が求められる会話や行動が知らぬ間に自分を蝕んでいるのかもしれない。

皮膚を鍛える

母親から資料を印刷できないのでみて欲しいとLINEが入る。届いたファイルをみながら電話をすると、近々取材を受けるそうで、そのインタビュー時に使うための下準備の資料だそう。メモかと思いつつも、所々(笑)と書いてるし、どういうつもりで書いたんだろうと思いながら文章を整えコンビニで印刷ができるように手筈を整える。印刷をコンビニ指定すればすぐに印刷できるなんてなんていい時代なんだ。 北海道に住んでいる弟から、白銀の中にあるプライベートサウナを楽しんでいる動画が送られてきた。熱々のサ