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笑いをこらえながら読むグルメ本に初めて出会った『おしゃべりな人見知り』山本ゆり著 を読んで。好きを仕事にするには考えを文章で残すのが大事ということ

「今日はあかん、外食する元気もないし冷凍の鶏胸肉しかない。でも美味しいもの食べたい。でもコンロ使いたくない。」
作る気力はないけども美味しいものを簡単に食べたいというときに、Twitterの検索欄で「山本ゆり 鶏胸肉」と調べると、レンチンでできる美味いレシピが出てくる。

簡単で美味しいレシピを教えてくださる山本ゆり大先生が3冊目となるエッセイ本を出された。印税で食い倒れしてもらいたいので本屋で買って、本屋の前のベンチに座って読もうとしたんですが諦めて家帰りました。

外で読むには笑い要素が多すぎる。

ブログのタイトルに「含み笑い」って書いてもうてるやん ゆり先生
3センチはあるんちゃうかって本にはひたすらズーーーっとテンポよくセルフツッコミを交えながら語りかけるエッセイが詰まってて、読み終わった後、1人の女の子を思い出した。

私は「積極的人見知り」といっていた子

学生時代に出会った台湾人の子が、初対面でも一瞬の静寂でも許されませんのん?ってくらいずっと喋ってる子で。
ちょっと仲良くなったときに

「わたしは積極的な人見知りやねん 静寂がこわい 場を埋めな怖い」
とポツリとこぼした。

山本ゆり先生も、「おしゃべりな人見知り」と自称されていて、台湾の子と同じ星の人なんやなあと思い出したんです。

人見知りって2パターンありますよね。関係を断つシャラップタイプ、しゃべくって相手が付けいるスキを与えんほどに場を支配者タイプの2パターン。

支配者タイプの子と話してたらセルフツッコミが面白い。

おそらく声に出す3倍くらい脳内で「もっとこう言ったらええのに」「なんでそんな余計なこと言うねん自分」って小さい自分がつっこんでるんやなあと可愛く感じるんです。

少し仲良くなったころ、一緒にコーヒーを飲みながら
「アキちゃんは沈黙が怖くないの?」と呟くように聞いてきた。

なんやろ、沈黙が「あなたといる時間がつまらないサイン」だとしたら怖いけど
なんかの本で「沈黙はあなたと私の間に天使が通っている時間」て書いてて、そっからそう思うようにしてる

と返したら「エンジェル!!🤣それは怖ないわ!!」と笑ったのが印象深かった
人一倍人見知りなのに、だれともフレンドリーに話す彼女は年齢問わず愛されていた。

山本ゆり先生も、おしゃべりな人見知りなんやなあと、エッセイ本を読みながら、ところどころに出てくる1人ツッコミにクククと笑ってしまう。

好きを仕事にするには頭の中にあるアイデアを公開せんといかんな

 大学4年の時、不器用で面倒くさがりだからこその料理ブログを始めた。それはやがて編集者の目にとまり、身近な材料で簡単にできるレシピ本『syunkonカフェごはん』シリーズとして刊行され、いまや累計630万部のベストセラーになっている。ブログには日常の出来事もつづられ、それらはエッセー本になってきた。本書は5年ぶり、3冊目のエッセーだ。
 料理好きというとおしゃれな暮らしを想像しがちだが、そういうのは出てこない。手縫いゼッケンに苦闘し、豆腐のフタ開封に格闘し、洗濯物を畳むのが嫌で娘から靴下のありかをきかれると取り込んだ山を指して捜索を指示する……。その日常の断片のつまみ上げ方、伸ばし方は深夜ラジオをきいてるような面白さ。無駄をそぎ落とすどころか細部まで無駄を詰め込む。「価値とか意味がなくて全然いいんじゃないかと。無駄をどうとらえるかだと思います」
「山本ゆりさん 「おしゃべりな人見知り」インタビュー 細部まで無駄を詰め込んだヘンで笑える料理の読みもの」https://book.asahi.com/article/14361929


山本ゆり先生のはじめはブログから始まったという。

レシピの情報だけじゃなくて、ドラム式洗濯機で洗ったタオルが臭いとか、
通販で買った家形テントのたたみ方が謎とか、生活感がびしびし伝わるブログの文章は、「ふふふ」と笑って肩の力が抜ける面白みがあるのが特徴だ、

楽でおいしいレシピといえば山本ゆり先生、という料理家としてのポジションを確立しつつ、身近で親しみのあるお姉さんのような存在を両立させているのがかっこいい。
自分もそんな存在になりたいなあ。

いま手相占いの修行中で、鑑定書と別に診ながら感じたことを300文字くらいで送っている。
鑑定書には書ききれないけど「おそらくこんな思考の癖がある?」「実はこんな野望はない?」みたいな推察が中心なのだが、
追記のほうが「そうそう!!そうなの!」と反応をもらえることが多いのが嬉しい。

手相鑑定で、ぼやきのような、はみだし小話をつけるようにしたのは、本書を読んだからだ。
鑑定書はレシピ。ぼやきは語りかけ。二つあわさって血の通った、伝わる鑑定になるんじゃないかと思う。

好きを仕事にしている山本ゆり先生は、かっこよくて憧れの存在だ。
少しでも近づけるように、noteしかり、鑑定後の追記しかり、頭の中の考えを言葉にしていこう。

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