見出し画像

使いきれないボディスクラブ

彼女と知り合ったのは高校の頃。

共通の友達の紹介で遊ぶことになり、そこから意気投合する、という夫婦のなれそめのような理由で私たちは友達になった。
知り合った当初は全然まったく共通点がなくて、どうやって会話を続けようか悶々としていたのだが、そんな心配はするだけ無駄だったことに気付く。

私と彼女は共通の話題こそ少ないが、価値観がよく似ていた。好きなものへの向き合い方だったり、対人関係においてのスタンスだったりが近く、それが一気に距離を縮めるトリガーになった。

紹介してくれた友人抜きで遊ぶことも増えた。その頻度は数か月に1回から2ヵ月に1回、月1、多いときは月に2回と刻まれるようになった。ふたりで移動する時間も、遊ぶ時間もどんどん長くなっていき、ついには1泊2日の合宿までするようになった。

最近はお互い忙しくなり、会う機会がぐんと減った。3月の頭に合宿して、それきり。そろそろ会えないかと連絡してみたら、数日経って了承の返信が来た。近々、近況報告会を開催する予定。今からそわそわ、わくわくしている。

20歳の誕生日に、彼女からボディスクラブを貰った。
最初はどう使えばいいのか分からず、恐る恐る塗っていた。遊ぶときはもちろん、試験やコンサートなど、気合を入れたい日のお守りのようになっていった。なくなることを惜しみながら、大切に使っている。

残りは1回分。彼女と遊ぶ日の前日に塗ろうと取っておいてある。そして、遊んだ時に貰ったスクラブを使い切ったよ、素敵なプレゼントをありがとうと伝えるんだ。