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#1 「多拠点生活」〜住む場所の選択をもっと自由に、もっと柔軟に。

「多拠点生活」という言葉を聞いてあなたはどんなイメージを持つだろうか?

お金と時間に余裕がある人でないとできない遊びの生活
いわゆる「デジタルノマド」と呼ばれる、パソコン一台でどこでも仕事ができる人の暮らし

そんな一部の人にしかできないものというイメージがあるのではないだろうか。だが、LCCの登場で飛行機で移動することがぐっと身近になり、国内外の移動コストが各段に下がったことで、ひと昔前に比べて「多拠点生活」を実践するハードルが低くなっていることは確かである。

そもそも、「拠点」の定義だが、ここでは生活がある場所を「拠点」と考えたい。その「拠点」を2箇所以上持ち、行き来するライフスタイルが「多拠点生活」である。

「多拠点生活」ー住む場所の選択をもっと自由に、もっと柔軟に

しかし、移動コストが下がったといっても、まだまだ個人で複数の拠点を持ち、行き来する生活を実現させるには多くの課題がある。

そこで、私たちが目指すのは、「多拠点生活」をもっと身近にし、望めば誰でも可能になるしくみ。

流れが早く、常に変化への適応が求められる時代において、季節やライフイベント、人生の節目ごとに、住む場所を変える生き方という、新しいライフスタイルの選択肢を提示したいと考えている。

大量生産・大量消費に疑問が向けられ、所有するよりも共有しムダを省くことを選択する人が増えているなかで、住居を個人で所有する必要性はあるのだろうか。各地に拠点を持ちたい人が拠点を共有すれば、「多拠点生活」は一気に実現可能なものとなる。

まず、私たちが描くものは、世界各地の「拠点」で、好きな時に好きなところで暮らすことを可能にするサービス。
中長期で滞在できるソーシャルアパートメント・コレクティブハウス・シェアハウス型の共同住居、新しい土地での生活上の身の回りのサービスをサポートする。

しかし、必ず課題となるのが仕事である。この先、企業でのリモートワークの導入は進み、仕事をする場所は少しずつ自由になっていくだろう。だが現状としては場所を問わず仕事を持っていける人はまだ少数にすぎない。
であれば、移動先で仕事をつくり出し、提供するしくみを構築すればよいのではないだろうか。各拠点のまわりの小売りやサービスの実店舗で仕事をつくり出せば、業種によっては移動前の拠点でのスキルや経験を生かすこともできる。
将来的には、子供がいても親子・家族で移動できるよう、教育の提供ができれば、家庭を持つライフステージにおいても移動する暮らしを可能にすることができる。

つまり、この構想は、ただ住む場所をつくりネットワーキングするのではなく、住居を中心としたちいさなコミュニティ、’Co-Living’とも違う、’Co-Village’をつくることである。

住みたい場所で、一緒に住みたい人と住む、仕事する

これまでは、「仕事>住む場所」という図式が大前提だった。
職場のそばに住む、仕事のために引越しをすることが当たり前で、個人的な理由でこの土地に住みたいから転勤を希望するということは、非常識と捉えられることが多い。
考えてみれば、仕事が関係なければ今の場所に住む必要はないのだが、という人が大多数なのではと思う。
私たちは、その図式を覆したい。
これからは、「住みたい場所>仕事」という形を進んで選択するひとが増え、非常識が常識になる日も近いと考えている。

誰と住むかということも非常に重要である。パートナーの転勤についていくなど、大切な人と暮らしたいから、住む場所を選択するという場合も多いだろう。ただその場所に永住・移住するとなると決断にも覚悟がいる。もし拠点を増やすという感覚で、また今の土地に戻ってこれるとしたら、心持ちはかなり違うのではないだろうか。

また、価値観を共有するひと、生活の中で関わる人とのリアルなつながりは、人間には欠かせないもの。移動する暮らしをすると、その土地ごとのface to faceのオフラインのつながりが希薄になることも考えられるが、拠点をシェアするさきでVillageというコミュニティがあればその部分を補うことができる。デジタル化がすすむ時代だからこそ、アナログのつながりが価値を持つ。

住みたい場所で暮らすとなぜ良いのか。どんな変化が生まれるのか。

別の回のnoteでは、その点について深掘りしていきたいと思う。

このnoteのマガジンでは、多拠点生活の可能性とこれからの時代においての多様な生き方に焦点をあて、そしていかに新しいライフスタイルを可能にしていくか、そして構想を練っている私たちメンバー自身について、その思いや考えていることを綴っていきたい。

Text:山本茜

「多拠点生活」×「パッチワークキャリア」を軸に、自分のパフォーマンスが高まる場所で生活し、自分の専門性や持ち味を活かした仕事・活動を組み合わせキャリアを築くライフスタイルを模索中。大阪にて大人の学びのサードプレイス「Leaning Bar CF曽根崎」企画運営。趣味はウイスキー。