妖怪まえがみパックン

みんな、夜中に前髪を切って、よしと思って布団に入って、朝になったらあらびっくり、ちょうどよく切ったはずの前髪が、短くなってる〜!どおして〜?!と鏡の前で涙したこと、あるよね?

それはね、なにをかくそう、妖怪まえがみパックンの仕業なんだ!
まえがみパックンはその名のとおり、みんなが寝ているあいだに、前髪をこっそり食べてしまう妖怪。
どうやら伸びっぱなしの前髪はお好みでないらしく、試験前の夜中なんかについつい切り出しちゃった、切りたてほやほやの前髪が大好きなんだ。

だからね、どんなに夜中に前髪が気になりだしても、いいかい、朝まで我慢すること。

長めにきればいいって?
ノンノン、夜中の洗面所には、パックンのおとうと、前髪モットキーレがいる事を忘れちゃいけない。モットキーレはあま〜い声で、「今も素敵だけど、もうちょっと切ったら、もっと可愛くなると思うな」なんてささやいてくる。
長めで終わらせられるなんて、思わないことだ。

もうわかったね?どうして夜中に前髪をきりはじめたらいつも、朝には短くなってしまっているのか。

最後にもうひとつだけ。まえがみ兄弟のいちばんやっかいなのは、あらわれて次の日のよるには、みんなの記憶から消え去ってしまう事なんだ。

もしかしたらみんなに、自分たちの存在を思い出してほしくて、何度でもやってくるのかもしれないね。

#コラム #エッセイ #暮らし #小説

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?