意見あるいは優

初対面でいきなり「意見」を言ってくる人が苦手である。(とくに主語の大きい「意見」。「世の中そういうもんじゃん」という「意見」。「自分はこう思う」ならまだよい)
「意見」を持つことはたしかに大事であるけれども、初対面で「意見」されると「なんにも知らないくせに」と思ってしまう。初対面なのだから知らなくて当たり前なのだけど、はじめからブンブン「意見」をぶつけらると、気の弱いわたしは「批判」されている気分になってしまって意気消沈、もはやこちらから「知らせる」元気などなくなっているのである。「意見」に「意見」をぶつけ合うことで親しくなったり成長できると考える人もいるのだろうけれど、わたしはアマちゃんなので、はじめはワンクッション「相づち」がないと親しさがはじまらない。そうして親しくなって、相手の人となりがある程度分かった上で、「意見」をするというのがわたしにとっては人間関係を築く「順番」である。そして「提案」してくれたらなお嬉しい。
なんの話をしているかといえば週末に知人に呼ばれていったお店で過ごした時間がいまだに心でゴロゴロとしていてるのである。まあお得意のヘラヘラ顔で「そうですよね〜うふふ」と過ごしたけれど、もうあの店には行きたくないし、その店を紹介してきたあの人にももう会わないほうがいいのかなと考えている。ああいうところに通ってみたら世界が開けたりもするのかなあとも思うけど、わたしが真面目で頑固で意地っぱりなのは生年月日で決まってしまったらしいし、もうこの歳になると直すよりこの性格とともにどう生きるかを考えたほうが建設的である気がするし、こんなにウジウジしてるくらいなら、蒼井優いわく、一緒にいて自分のことが好きになれる人と時間を過ごしたいしなどと思うわけです。つまりはけっこうへこんでいる。まる。

#コラム #エッセイ #暮らし #小説

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