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共生することでニーズを満たす

昨日、小学校1年生になった息子が、初めて学校の図書室で本を借りてきた。
どんな本を借りてきたのか、興味を持って見てみると、
ヤドカリの図鑑だった。

彼の最近のお気に入りはカエルで、特別ヤドカリが好きだという印象も
私の中にはなかったので、ちょっと意外だった。

せっかく借りてきたので、一緒に読もうと誘って読んでみると、
意外や意外、とても面白かった。

一つ目は、ヤドカリは雌が卵を殻の中に孕んでいる時、
雄が雌を引っ張ったり持ち上げたりして移動させることだ。
これだけ読んだ私と息子は、「優しいね~」と、ほっこりとした気持ちになった。
しかし、次の行を読むと印象はガラリと変わった。
この雌の移動を手伝う雄は、卵の父親ではなく、また別の雄なのだ。
そして、この雄は雌の殻から卵が旅立ったら、自分が交尾をするために
こうやって雌の側にいるのだ。
それを知って、息子は
「おれはヤドカリには生まれたくないな…パパと離れたくないもん」
と言った。
私も、これが自然界の摂理なのだな…と現実を見た気持ちになった。

二つ目、これがタイトルに繋がる内容で、画像にもあるのだが、
イソギンチャクがヤドカリの殻にくっついて、お互いが共生して
生きている、という話だ。
イソギンチャクは、その触手でヤドカリを敵を遠ざけ、その命を守る、
ヤドカリは餌を捕まえ、そのおこぼれをイソギンチャクが食べることで命を繋ぐ。
お互いがwin-win、NVCでいうパワーウィズの関係なのだ。

お互いの凸凹な部分を補い合い、共に生きていく。
そうやってニーズを満たしている。
自然界ではそうやって自然に共生している。

人は、特に日本社会においては
「人に迷惑をかけてはいけない」
という言葉が、呪いのようにかけられていて
誰かに何かをお願いしたり、頼るということが
非常にハードルが高くなっているように感じる。
私自身が紛れもなく、そういうタイプだから。
でもそうやって一人で頑張ることに疲れてしまった。

繋がりから、お互いに喜びを持って助け合うことが出来るかもしれない、と
希望を持ち始めた今、このヤドカリエピソードが自分にとても刺さったのだ。


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