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「歴史総合」は一年間でちゃんと学べる

高校生新聞ONLINEにこんな記事がありました。

「歴史の教科書が授業で終わらない」問題、新課程で多発か 大学受験生の対処法は

>「歴史総合の教科書内容を半分しかやらずに授業が終了した。学校ごとに学習範囲が異なるのは不公平ではないか?」今年4月、高校生新聞オンラインで高校2年生の体験談を掲載した。1910年の韓国併合までしか授業内で扱わず、歴史総合で受験する場合、習っていない範囲は自主学習の必要があると先生に言われたという。

 これは、終わらせる必要があると思います。

 なぜ、教科書が終わらないのでしょうか。

 僕は、記事では指摘されていない、根深い問題点があるように思います。

 この問題は、「歴史総合」が導入されて表面化してきましたが、実は、もっと前からあった問題です。

 「歴史総合」のもとになったのは、従来の「世界史A」です。

 僕は「世界史A」の教科書をちゃんと終わらせている教員に、会ったことがありません(笑)。(全国規模の研修会に行けばちゃんといますが・・・)

 新しい学校に赴任すると、「世界史Aでは、Bの続きとして、帝国主義と世界大戦の部分を教えてください」とか、「世界史Aでは、ルネサンスからフランス革命まで進めば十分です」みたいなことを言われるのが常でした。

 長年、現場の世界史教員の多くが、「世界史A」にきちんと向き合わず、「世界史B」を補完する程度に捉えてきた経緯があります。「世界史A」の教科書の一部だけを教えたり、ひどい場合には「世界史A」の時間に「世界史B」の教科書を使って「世界史B」の延長をやっていた例もあリます。

 組織の中の一員ですので、僕も自分の意思に反して、それに従わざるを得なかったこともありました。

 そうした姿勢のまま、「歴史総合」も、同じように捉えてしまうのではないでしょうか。

「終わらない」ということはありません。

 僕は、学生時代から「世界史A」をいかにして一年で教えるかを研究テーマの一つにしてきたので、教科書一冊、古代から21世紀まで、1年間で終わらせてきました。

 もちろん、工夫が必要です。でも、工夫すればできるのです。

 「歴史総合」も同じで、工夫すれば、ちゃんと一年で終えることができます。

 事前に全体の内容を把握し、年間の授業時数にそれを最初から最後まで割り振っていって、計画的に扱っていけば必ず終わります。

「歴史総合」をちゃんと学び終える科目にできるよう、努力をしていかなければなりません。

 頑張りましょう。

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