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第26回 中央公園の愛染明王

こんにちは、阿久根市地域おこし協力隊のチャーリーこと濱田です。
阿久根駅から徒歩8分ほどにある中央公園。
ここにはいくつかの石像や史跡があり、以前から調べよう調べようと思っていたのですが中途半端に近いところって逆に後回しになってしまうのは何故でしょうね…

今回は中央公園内にある石像の一つ「愛染明王」にスポットを当てたいと思いますが、その前にこの公園の場所は「西安寺」という江戸期に建立されたお寺があった場所で明治の神仏分離令が出されたのをきっかけに廃仏毀釈運動によって建物がなくなり、昭和21年に戦災処理都市復興計画により公園となった、という経緯があります。(参照:阿久根の文化財)

中央公園入り口

さて、話を戻して「愛染明王」です。
読み方は「あいぜんみょうおう」。
もとは西安寺にあったもので製作時期は不明です。
建立の由来などは詳しく載っていなかったので、そもそも愛染明王ってなんだろう?と思い調べてみました。

公園内にある愛染明王の石像

「煩悩即菩提(ぼんのうそくぼだい)」という“煩悩があるからこそ悟りを求める心が生まれる“という考えがあり、その象徴が愛染明王だそうです。
中でも恋愛、縁結び、家庭円満などにご利益があり、愛染=藍染と解釈し、染物・織物の守護としても信仰されています。
「愛」の頭兜で有名な直江兼続はこの愛染明王から文字を採ったという説もあります。

愛染明王の姿は、真っ赤な体に3つの目と6本の腕をもち、獅子の冠を被っています。
手にしている弓矢は祈願の成就の象徴、これは愛のキューピッドの弓矢と同じだそう。
石像が削れてはっきりと見えないので愛染明王の画像を元にイラストにしてみました。

ついついイラストにしたくなっちゃう

光明寺のご住職に伺ったところ、明王というのは位を表していて1番が仏、2番が菩薩、3番が明王、4番が天部という順番になっているそうです。

悟りを開いた仏様は装飾も無く至って質素なお姿で表情も笑うでもなく怒るでもないお顔。観音菩薩は仏になる手前で装飾品を身につけています。明王はまだ悟っておらず人間と同じ表情をしているんだそう。確かに怒った顔をしてます。4番の天部というのは大黒天、毘沙門天など仏教の守護神のこと。仏様や観音菩薩と人間との中間に位置する存在。

人間からさらに何段階も修行して位を上げないと悟りは開けないのか〜、煩悩まみれの私は一生人間として苦悩するんだろうな〜、と自分の行く先を悟ってみました。

☝️中央公園の地図はこちらです

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