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「アジア系」の線引き

最近、米国で激化しているという「アジア系」住民へのヘイトクライム(憎悪犯罪)。むろん、根底にある差別意識は、昨日今日始まった話ではないわけで。太平洋戦争中、同地では12万人の日系人が強制収容された事実は、大河ドラマ『山河燃ゆ』(1984年)にも描かれました。

ヘイトクライムの件はさておき、いつもニュースを聞きながら「アジア系」という言葉が気になるんですよね。広義の意味での「アジア」は、ユーラシア大陸からヨーロッパを除いた全部。トルコから日本まで含みますが、ニュースにおける「アジア系」はそこまで含むのかな?

トランプ前大統領の「中国ウイルス」発言が「アジア系」に対する反感を拡大したという解説からすると、中国人・韓国人・日本人など東アジアのモンゴロイド系を想定してるのかな、とも思ったのですが、どうなんでしょう?

『太田光のつぶやき英語』でもヘイトクライムの話題が出ていて、そこでは「アジア系」とはAAPI(アジア太平洋系アメリカ人)と定義され、48の国と地域として、インドやトルコ、ロシアまで入っているようでした。

ちなみに、福岡アジア美術館における「アジア」の定義は、パキスタン以東、モンゴル以南、インドネシア以西の23カ国・地域をさします。ここでいう「地域」とは恐らく台湾のことで、中国に配慮した表記なのでしょう。

「アジア」って簡単に使っちゃいますけど、考え始めると意外に難しいものですね。



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