気になる俳優さんの出演作についての覚え書き「俳優ノート」。今回は、2021年秋ドラマ『最愛』に出演する井浦新さん。テンカラット所属。

ARATAの旧芸名で、ファッションモデルとしてスタートした井浦さん。1999年、是枝裕和監督の『ワンダフルライフ』で映画初主演。同じく是枝監督の『DISTANCE』（2001年）の主演を経て、ヒット映画『ピンポン』（2002年）のスマイル役で一躍注目されます。

高校卓球を舞台に、卓球のナンバー1をめざすペコ（窪塚洋介さん）と、実力と可能性を秘めながらも、ペコの背中だけを見続けようとするスマイル（井浦さん）など、5人の若者たちの青春ドラマ。宮藤官九郎さんの脚本による傑作。

『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』（2008年）や『11・25自決の日 三島由紀夫と若者たち』（2012年）など、若松孝二監督とのインディーズ系映画の印象も強かったですが、NHKドラマ『チェイス〜国税査察官〜』（2010年）では、脱税コンサルタント役を好演。強い印象を残しました。

国税局査察官（江口洋介さん）VS天才脱税コンサルタント（井浦さん）。6000億円の資産をめぐる脱税スキームとその裏に隠された復讐劇を、海外ロケを交えた迫真の映像と壮大なスケールで描く「社会派×エンターテインメント」ドラマ。

大河ドラマ「平清盛」（2012年）で現在の名前となり、以降、メジャー作品が増えた印象。『リッチマン、プアウーマン』（2012年）、『同窓生〜人は、三度、恋をする〜』（2014年）、『探偵の探偵』（2015年）、『コントレール〜罪と恋〜』（2016年）とメインキャスト（主演）が続きます。

そして、一気に知名度を高めたドラマといえば『アンナチュラル』（2018年）。井浦さんは、恋人を殺した連続殺人犯を密かに探し続ける法医学医・中堂系（井浦新さん）役。口は悪いのに、同ドラマ内でも屈指の人気キャラに。傑作。

ミコト（石原さとみさん）は、死因究明のスペシャリストである解剖医。彼女が許せないことは、「不自然な死（アンナチュラル・デス）」を放置すること。新設されたUDIラボで働きながら、「死」の裏側にある謎や事件を、明るくスリリングに解明していく法医学ミステリー。