算太の死と「終戦の日」の奇跡…今週の『カムカムエヴリバディ』

3人のヒロイン(上白石萌音さん・深津絵里さん・川栄李奈さん)が織りなす、ラジオ英語講座と共に歩んだ家族100年の物語、朝ドラ『カムカムエヴリバディ』の第20週「1993-1994」。

錠一郎(オダギリジョーさん)が、かつてトランぺッターであったことを、ひなた(川栄さん)らに初めて聞かせた月曜日。一度は死のうとしたところをるい(深津さん)に救われたことも語り、「それでも人生は続いていく」とセリフが深く、切ない。

算太がるいの前に名乗り出た火曜日。サンタ黒須がまさかの大伯父だったと初めて知るひなた。岡山時代のことをあれこれ訊かれる算太に、微妙な表情のるい。突然の失踪について質問するのですが、算太は再びはぐらかし。

商店街の福引の手伝いを買って出た算太。父親そっくりの吉右衛門(堀部圭亮さん)を見て岡山時代を思い出し、突然踊り始め。過去のシーンを巧みに挿入しながらの夢見るようなダンス、そして倒れた算太。余命わずか、やはり。

算太が2つの通帳を残して死去した水曜日。岡山に里帰りした大月一家を出迎えた勇と雪衣役は、目黒祐樹さんと多岐川裕美さんに一新。雪衣からは、算太失踪の真相がるいに語られるも、ロバートの件はわからず。穏やかな雪衣をみていると、「時が解決」することもあれば、しないこともある感。

ひなたが祖父母の写真を初めて目にした木曜日。安子(上白石さん)と稔(松村北斗さん)の初デートの場であり、錠一郎が育った喫茶店『Dippermouth Blues』が復活したという噂を聞き、店を訪ねるジョーとるい。

すると、今は亡き定一(世良公則さん)そっくりの息子・健一と、その孫で健一そっくりの慎一(前野朋哉)がいて。かつて幻ではないかと言われた、健一の復員シーンは現実でした。健一からは、「安子ちゃんは、そねな子じゃねぇ。わしが保証する」との言葉も。

ラストで反響を巻き起こしたのが、慎一が買ってきたおはぎの包み紙の「たちばな」。店は誰かの手で再建されたのか。お弟子さん説や金太が商売を教えた万引き孤児説、安子説などが飛び出しました。

喫茶店を出たるいたちは、かつて安子が出征した夫・稔(松村北斗さん)の無事帰還を願った神社へ。終戦記念日ということで黙とうする二人。すると、るいの隣には軍服姿の稔が!?

稔の「どこの国とも自由に行き来できる。どこの国の音楽でも自由に聴ける。自由に演奏できる。るい、お前はそんな世界を生きとるよ」の言葉に、米国で安子を探すことを決意したるい。いやあ、最後に後押ししたのは、戦死した稔でしたか。このご時世、本当に沁みるセリフでした。



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